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セピア色の化石ともなれ

うさぎ

Archive2018年01月 1/3

  • 「最後の恋人」無事終わりました。この作品は「偽りの恋人」「真実の恋人」の続編でこれらの最後を飾るべく作成した作品です。「偽りの」は、画家のアンドレに萌えを感じ、そして冷たい氷のようなオスカル様を描くのってどうなんだろう、と考えつきました。でも、現代版で、しかも普通に大学生同士で、ここに来るまでいろいろ出尽くしたような気がして、そこへこんな地味な題材あまり人々に関心がもたれるわけないな、などとあまり...

  • 2018年01月23日 13

    一目見て会場にいる人々はアンドレの絵に惹き付けられた。憂いを帯びた横顔に凜とした立ち姿は女神の降臨のよう天界から降り立った女神は人々と共に生きるため大地をゆく硬く握られた両手はその決意の表れ一目見ただけで忘れられないほど印象に残る作品には喜びと哀しみと、それでいて彼女を包み込むような優しく暖かい深い愛情を感じた。それは見るものの心を切なくさせるほどに強く訴えかけてくる。そこには、何にも勝るアンドレ...

  • 2018年01月22日 14

    オスカルは母の誕生日パーティーでお客の一人ひとりに挨拶をしていた。「イルゼ様、母のために来てくださってありがとうございます」「ご招待ありがとうございます、オスカル様」「今日は楽しんでお過ごしください」母はその隣で別の夫人と話しているのが聞こえる。「ジャルジェ様、とても盛大なお誕生日パーティーですね、バラもこんなに飾られて、とても華やかなパーティーですわ」「ええ、今回オスカルがパーティーを取り仕切っ...

  • 2018年01月21日 10

    突然ジャルジェ氏にパリ・エコール特選を告げられあまりの、驚愕にアンドレは動きを止めた。その様子を見てジャルジェ氏はもう一度繰り返す。「君がパリ・エコール特選に選ばれたんだ」「アンドレ・君は勝っていたんだ」いまだ信じられない顔でアンドレが問いかける。「ジャルジェ様・・貴方はまだ審査結果は出ていないと俺に・・?」言いかけた途中でジャルジェ氏が説明を始めた。「そうだ、私はまだパリ・エコール受賞結果は出て...

  • 2018年01月20日 17

    「アンドレ、君は自分のいってることがわかっているのか!?」「あのような絵を描くほど才能のある君が何故!」アンドレの決意を聞き、ジャルジェ氏は初めて冷静さを欠いた。それと反対にアンドレは冷静に告げていく。「俺はオスカルがいないと、描けないからですよ」「そして・・彼女なしでは生きることも出来ない男だ」「だからこれでオスカルをあきらめたわけじゃない、一時は離れて暮らすけれど、いずれ俺はオスカルの目の前に...

  • 2018年01月19日 12

    「君の作品のためならいくらでも資金を出そう、描いた絵も買うし、良い画商も紹介しよう」「そうすれば、パリ・エコールを取らなくても君は一流の画家になれる」ジャルジェ氏がスポンサーになる、新人画家にとってこれ以上の幸運は無い。しかし、このタイミングでその話をするには訳があるはずそのアンドレの予想は当たっていた。「その代わり、オスカルのことはあきらめてほしい」やはり、これは罠だ俺を懐柔して、オスカルをあき...

  • 2018年01月18日 8

    アンドレはタクシーでジャルジェコンツェルン本社ビルに向かった。ジャルジェ氏は一体何を俺に話そうとしているんだ。まだ審査結果も出ていない今この瞬間に話とは。本社ビルに着き、タクシーを降りてビルの中に入っていった。受付で聞こうとすると、秘書らしい女性が声をかけてきた。「グランディエ様ですね、オーナーがお部屋でお待ちしております」そのままジャルジェ氏のいる取締役特別室に連れて行かれた。秘書が扉を開き「お...

  • 2018年01月17日 12

    パリ・エコールコンテスト審査の日は訪れた。ジャルジェ家ではオスカルが母の誕生日パーティーの準備を取り仕切っていた。「ウィリアム、会場の用意は出来ているか?」「はい、お言いつけの通り、シャンペンもワインも準備が出来ております、料理のほうももうすぐ出来上がる予定です」「バラの花も、すでに届き、会場に飾らせました」「それはご苦労だったな、お母様はバラがお好きだから、あの数を集めるのは苦労したろう」「いえ...

  • 2018年01月16日 6

    パリ・エコールの審査が二日後に迫った日の夜、アンドレから電話があった。「オスカル、俺だ」「アンドレ!どうしたんだ?」久しぶりに聞く彼の声だ、懐かしいとさえ思う。「パリに戻ったんだが、明日会えないかな?」「いきなりどうした、会うのはコンテストが終わった後だといってたじゃないか?」「そういったものの、トゥールーズにいる間お前に会いたくて、こうしてパリに戻れたら我慢できなくなった」「全くお前は!しょうが...

  • 2018年01月15日 8

    アンドレの絵は完成し、パリ・エコール事務局に送られた。その後すぐにアンドレはトゥールーズに旅立った。そして、ここはトゥールーズのブランシュ氏の屋敷だ。お世話になった師匠との別れの時だった。「先生、今まで本当にお世話になりました、先生が俺を弟子にしてくれたお陰でここまでやってこれました」「どんなに感謝してもしきれません、先生は大恩人です」愛弟子の感謝の言葉にブランシュ氏も感じ入っていた。「いや、君の...