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うさぎ

夜のフェアリー第8章の16

オスカルはショーを終えた後、再びウェイトレスの仕事に戻る。
奥の部屋に一度行き、エプロンをつけて店に行く。

店の客たちは、先ほどのショーの興奮の熱が冷めやらぬようで、オスカルに声をかけてくる。

「オスカル良かったわよ」
「 『 マルゴ』来る楽しみが増えたわ」
「ありがとうございます」

料理を運びながら礼を述べるが、アンドレがまだ店にいるのか目で探していた。
しかし、アンドレの姿はもう無かった。

そこへロジータが話しかけてきた
「オスカル」
「アンドレが先に部屋に戻っているからって、貴方に伝えてほしい、と言われたわ」

「あ・それはありがとう」

「それから・・」
ロジータは言わずにはおれない様子でオスカルに話してきた。
「アンドレってオスカルのために料理してくれるんですってね」

いきなりアンドレについての話をされ、心が騒いだ
「う・うん・そうだが?」
「彼、本当に優しくて思いやりがあるのね」
「そう・・かな」

「そうよ、仕事する女性に理解があり、しかも協力的で、あんな素敵な旦那さんがいるオスカルがうらやましいわ」
ため息をつくロジータがオスカルには気になった。

店が終わりオスカルは二階の部屋に帰っていった。

「ただいま」
部屋に入るとアンドレはコーヒーを入れてるところだった

「おかえり」
「そろそろ戻ってくると思ってコーヒーを入れたよ」
オスカルにコーヒーを差し出した。

「ありがとう」
座ってコーヒーをすする

美味しい
きっと私が疲れて帰るから入れてくれたんだ。

「お前のバイオリン良かったよ」
「 『 マルゴ』に来る人たちはクラシックになじみのない客だから違和感を感じてたんじゃないだろうか?」
「そんなことはない、みんな食事するのも忘れて聴き入っていたじゃないか!」

「お前のバイオリンは独特の魅力がある、いつも俺は、そう思っている」
「とても素晴らしい演奏だった、感動したよ」
「それならいいが」

ああ、私は真っ先にこの言葉が聴きたかったんだ。
だから何も言わず先に帰ってしまったのが寂しく思えた

アンドレの賞賛はやはりオスカルにとって一番の褒美なのだ。
コーヒーを飲み終わるとアンドレがカップ類を片付け始めた。

「今日お前は疲れただろうから、先に休め、俺が片付けておくから」

食器を洗い場に持っていき、洗い始めた。
オスカルは椅子に腰かけたまま、アンドレの後姿を眺めた。

つくづく思う。
そうだよな、確かにロジータの言う通り、アンドレは優しくて思いやりがある。
私の仕事に協力的だし、理解もある、彼は得難い男性だ。

私にはもったいないくらい・・・素敵

オスカルは椅子から立ち上がり、アンドレに近づいていく。
真後ろまで来ると、後ろから胴に両手をまわし抱きついた。
アンドレは驚いて皿を洗っていた手が止まる

「いきなりどうした?」

でも、そんなこと
言われるまでもない
アンドレが優しくて思いやりあることなんて、私が一番わかっている

オスカルはアンドレの背中に頭を寄せて目をつぶる

「アンドレ」
「今夜・・・一緒に眠ってくれないか?」

洗っていた皿をそのままにして、アンドレはくすり、と笑い後ろを向いた。

「もちろん仰せのままに」
彼は快く答えてくれた

うれしくて彼に抱きついていった。

アンドレの素晴らしさは、だれよりも私が、知っている
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