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夜のフェアリー第8章の32

その日からアンドレのオスカルの看護をする日々が始まった
朝起きるとアンドレはオスカルの容態をうかがう

「オスカル、おはよう気分はどうだ?」
「うん、悪くないよ」
「そうか、でも無理するなよ」

アンドレはさっそく食事を作りベッドに持ってきた。
オスカルを座らせてスプーンを手にして食べさせようとした。

それにオスカルは遺憾を唱えた
「食事くらい一人でとれる」

しかしアンドレは聞かなかった
「駄目だ、まだ熱がある、体力はすべて身体を直すほうにとっておけ、必要なことは全部俺がしてやる」
「食べるくらいのことに体力など要らないぞ」
「そうだな、だがしばらくは俺の言うことを聴くんだ、文句があるのなら元気になってから聞いてやるよ」

言い含めるとまたスプーンを口元に持っていく
オスカルは仕方なく口を開いた。

食事させた後は薬を飲ませ、熱を測ると横に寝かせる。
食器を洗い、部屋を片付けるとオスカルのそばに戻り、様子を見ながら看護した。

アンドレはオスカルが眠ったのを見計らい、市場に買い物に出る。
オスカルが目を覚まさぬうちに戻ろうと早々と買い物から帰った。
昼食を作っているとオスカルが目覚めた。

「アンドレ」
「オスカル起きたのか?」
「うん」
「ちょうど昼食が出来たところだ」

作った野菜シチューとりんごを運んできた。
シチューを食べさせながら話をした。

「さっき市場に買い物に行ったら、店屋のおかみさんが俺が買い物何て珍しい、と話しかけてきて、お前は風邪で寝込んでることを伝えると」
「おかみさん驚いて、それならこれをたべさせてやってくれっていってこのリンゴをくれたんだ」

「マダムがこのりんごを私に?」
オスカルは感激してりんごを手にした

「とても美味しそうだ」
「じゃあ、向いてやるよ、一緒に食べよう」
「うん、頼む」

アンドレはオスカルからりんごを受け取りナイフでりんごをむき出した。
その様子をオスカルはじっと見ている。

「どうした?」
アンドレは剥いたりんごを一切れオスカルに渡し、聞いてみる。

「うん・あのな・・・」
りんごを一口食べると恥ずかしそうに答える。

「お前とこんな長い時間一緒に過ごすのは久しぶりだと思って」

オスカルに言われアンドレも気づいた。
「そういえば、そうだな!」

考えてみればエレインに来てから生活するのに必死でオスカルとゆっくりと過ごす時間は限られていたのだ。

「パリから出て、今日まで働くのに必死でろくにお前とは一緒にいられなかったかもしれないな」
「いつも一人ぼっちにしてごめん」

「そ・そんなことはない、エレインまで来たからこうしてお前と暮らせるんだ」
「しかし・・エレインに来てお前に不自由な暮らしをさせてしまった」

アンドレは目もくらむような生活をしていたオスカルを貧しい生活に落としたのは自分だといつも罪悪感を感じている

そんな罪の意識のような気持など持ってほしくはないのに・・・
両手で彼の手を握りしめ、訴える

「アンドレ・私は今本当に幸せなんだ、屋敷で暮らしていたあの頃よりずっと」
「私の人生はいつも父の命令に従い生きてきた、それが自分の使命だと、自由に生きるなど夢のまた夢だとあきらめて」

「それが、お前に出会って愛し合い、女としての喜びを初めて知った」
「お前は私をあの屋敷から連れ出して、自由に生きる喜びを教えてくれてしかもお前は私を妻にしてくれたじゃないか」

オスカルの言葉にアンドレは目が覚める思いだ。
俺はオスカルを自由にしたのか?
女としての幸せを与えているのだろうか!

「オスカル・・本当に?」
アンドレはもう片方の手で握り返した。

オスカルは優しく微笑みながら返事した。
「当たり前だ!本当に決まってるだろう」

その笑顔を見て、彼女は幸せなのだと信じられた
そのことがうれしくてたまらなくてつい抱きしめてしまった。

「うれしいよ、オスカル」

俺が本当にオスカルを幸せにしたのかはわからない
だけど、彼女は幸せだと言ってくれる、それだけで胸がいっぱいになった。
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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 2

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2020/11/10 (Tue) 20:19
うさぎ

うさぎ

Re: オスカル様助命嘆願

YU様、いつも見てくださりありがとうございます♪

確かに物語の流れ、不安を感じるものですね。
いつも物語を描くのはパズルの組み合わせのように、ああでもないこうでもない、と悩みながら書くもので
ファンというよりも作者モードになっていて、いかにすれば、納得のいく話になるかだけを追求しますのでYU様にとってはショックな話になっているかもしれません。

でもお二人への愛情を込めての作品ですので、見ている人たちにも納得してもらえるよう祈りながら書いています(笑)
ただ、それがすべての方に納得してもらえるかどうかがわからなくて不安ではあるのです(怖)

2020/11/11 (Wed) 17:05