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うさぎ

夜のフェアリー第8章の37

アンドレは落ち着くと涙を拭き、オスカルを離した。

「いきなりごめん、情けないところ見せたな」
「ううん、そんなことは・・ない」

アンドレはこれからのことをオスカルに話さねば、と思った。

「オスカル、これからのことを話すから、かけよう」
アンドレはオスカルを疲れさせぬよう、ソファーに座らせる

そしてアンドレは決意を固め デジレが肺病で亡くなったマルゴとの話をオスカルに聞かせた。

「さっき マルゴさんに聞かされた、お前と親しくしていたデジレさん・・亡くなっていたんだ」
「それも肺病だった」

肺病は、傍にいた人間に、それも抵抗力が弱い人にうつる病だ
それだけでオスカルが病気に侵されてる可能性が高いのがわかる

「デジレさんが・・・」
オスカルは親しくしていたデジレの訃報に嘆き彼女のために祈りをささげる姿を見せた。

「・・・いい人だったのに・・とても・残念だ・・・」
そして涙を見せた。

ただでさえ病気への不安で胸がいっぱいだろうに・・・
アンドレはオスカルが哀れに思えた。

だが、今は何より事実を突き止めねば
「それから、お前の身体のことだが、詳しく調べる必要があると思うんだ」
「だから、明日また俺と一緒に病院に行こう」

「それできちんとお前が何の病気かを診てもらう」
「お前の病気がわかれば、それにあった治療をしていける」

励ますように言うアンドレにオスカルは素直に納得をした。

「うん・わかった・・」
「そうだな、・・・正直怖いが、それでも不安におびえて暮らすのより・いい・・」

オスカルは、もう自分の身体が病魔に侵されているのをわかっていた。
内心は恐怖におびえているだろうに、あくまで冷静を保とうとしている

マルゴに言われた通り、現実を直視したうえでオスカルの病気を治すんだ
それが今俺にできる最善の方法だ。

翌朝二人は病院へ行った。
病院は相変わらず人で埋め尽くされていた。

アンドレは待合場所の席を何とか見つけ二人して座った。

「疲れるだろうが我慢してくれ」
「うん、今は気分も悪くない」

オスカルの体調が心配だが、病気の確認のためには必要なことだ。
ひざ掛けしたり、水を飲ませたり辛くないよう気を配りながら待った

ようやく呼ばれて、診察室に行った
今日はアンドレもオスカルと一緒に入っていった。

「失礼します」
先日と同じく疲れた様子の医師がカルテを見ながら座っていた。

「今日は何か?」

アンドレが真っ先に返事した。
「先日、貴方に妻を見ていただき、風邪と診断されましたが、どうやら妻は風邪ではないようです」
「そこでもう一度診察していただきたいのです」

医師はけげんな顔をした。
「風邪ではない?何故そう思うんだね」

「認めたくはありませんでしたが、オスカルの症状はあきらかに風邪や疲れなどではない」
「あまりにも体力が衰えている、それに・・」
「オスカルは昨日血を吐きました」

「血だって!」
血を吐いたと聞いて医師の顔色が変わった。
「それは、本当かね?」

オスカルに向かって聞いてきたので、オスカルは「はい」と頷いた。

「貴方からいただいた薬を飲ませても一向に治らない、熱や咳も収まらず体調もすぐれないでいるので、もう一度良く見直していただけませんか」

医師はアンドレから聞く症状にまさかと、考え込み聴診器を取り出して「わかった、見てみよう」といった。
「診察の間、君は外に出ていてくれ」

医師に言われ、アンドレは待合室で待つことになった。

時が流れ、看護婦が呼んだ。
「あの、先生が中に入ってくれと言っています」

アンドレは覚悟して診察室に入った。

「失礼します」
だがオスカルの姿がない

「あのオスカルはどこに?」
「先ほど奥さんは診察の途中で吐血して、別室で休ませているよ」

また血を吐いた・・・
やはりあの血は病気によるものなのだ。

「今から診察の結果を伝えるが」
「奥さんにつたえるのは私か君かを話を聞いて判断してほしい」

どうやら、オスカルには聞かせにくい話のようだ。
アンドレは座り医師と対峙した。

「それで、・・妻の身体は?」

医師は額に汗が浮かんでいた。
「私は、専門ではないが・・それでも奥さんの今の症状を見ると・・・」
「肺病の疑いが色濃い」

肺病・・・
はっきりと結論ずけて言わないが、医師が肺病の名を出したということは、濃厚だからだ。
やはりオスカルは!
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