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うさぎ

オスカルの選択⑰

「今夜は優しくなんてしてやらない・・・眠らせてもやらない・・・」

一見冷たく命令するようなセリフをお前は私に語った。

射抜くように鋭く冷たい眼で私を見つめるお前・・・だが私には今まで見た中で一番魅惑的なお前に見えた。


お前はそのまま私を抱き上げてベッドに向かい、そこで今までで一番激しい口付けを交わしてきた。

私の口中に進入し、全てを絡め取る魂まで奪われそうな口付け。

アンドレはその器用な指先で私の衣服を剥ぎ取っていく、全ての衣服を奪い去り私を裸体にした後でもその指先はじっとはしてくれない。

私の肌の全てを痛いほど強く駆け巡る。

それは指だけではなく、彼の熱く逞しい裸体も私の上に重ねられた。

今までで一番熱く激しい彼が私の中に進入し、。幾度も形を変えて愛の営みを繰り返し私を求めるお前。

何度お前に求められただろう、一度終わればお前の手と唇が私の肌を駆け巡り、紅い印を残していき、そして再び逞しいお前がまた私の身体を奪う。

あまりの激しさに私は恐れをなして身を引くと、お前は「逃がさない、お前に俺の刻印を残していく!」と言ってその強い腕で再び拘束された。

愛を営む間何度も「愛している」と小さく低い声が私の耳元で囁かれ、その声は私をゾクゾクさせる。

今までの優しい彼はどこへ行ったのか、まるで野生の獣に抱かれているようで、それは私を不安にさせると同時にどうしようもなく私を感じさせた。

ああ、アンドレお前の言うとおりだ、私はこんなにもお前のものだ。

私こそがお前のもので、身も心も囚われ人だったのだ。

お前は今までこのように私を抱きたかったのか。

こんなに乱暴に抱かれたのは初めてだ。

いつの間にか私も彼の強引な愛の行為に夢中になり彼の全てを求め受け入れていった。

アンドレを失うと感じた今が一番私を虜にする、一番私を夢中にさせる 彼の全てが愛しくてたまらない!

これは拷問か、この何よりも愛しい獣を私は手放さねばならないのだ

愛している なんと魅惑的言葉だろう 彼に言われるたびに私は心が躍る

それなのに、明日になればこの言葉を囁いてくれる彼はいない・・・

愛している そういわれるたびに悲しみも増すのだ・・・


その言葉通り、彼は太陽が昇る前にベッドから起きだし衣服を整え始めた。

私はベッドに横になったまま、その様子をじっと伺い、心の中で何度も彼に同じ言葉を語りかけた。

行かないで 行かないで 行かないで

何百回  何千回唱えただろう まるで祈りのように

しかし彼は私のほうを見ることも無く、着々と整え、完璧に恋人から従僕に変わりつつあった。

そして彼は従僕の姿のまま私に近づき、私に最後の口付けをした。

それはぞっとするような別れの口付け。

あんなに私をときめかしたその唇がこのように苦いとは。

彼は言った

「いつか・・・必ず迎えに来る」


「いつまで? いつまで待っていればいいの?いつになればお前は来てくれるのだ・・・」


「いつか必ずお前を俺のものにする、俺はお前をあきらめない、必ずだ!」


そういって彼は寂しそうな顔をしてそのまま扉の向こうへ去っていく。

私はなす術も無く、ただ彼を見つめながら涙をあふれさせた。

涙よもう流れないで 私の愛する人の姿が見えなくなるから・・・

私の愛する人が行ってしまう姿が・・・もう・・見えない

アンドレ・・・
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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 3

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2015/06/17 (Wed) 16:53

うさぎ

Re: 毎日

N様こんにちは。
楽しみにしていただいてうれしいです。

イラストイお話とあっていると聞いて安心しました。

本の挿絵のように見えるのが理想だったんです。

お優しいコメントありがとうございます。

2015/06/18 (Thu) 00:30

うさぎ

No title

はじめましてOA様、うさぎです。

新しく見に来てくれた方なんですね。

真摯なコメントだなんてとんでもないです、実は私コメントいただくのが何よりの喜びにしてまして。(恥)

時々、こんなのベルサイユのばらじゃないよ、と思われて無いだろうかと不安になり何やってんだろう私は、と正気に戻ることもあって葛藤がありますので、そんなときに「感動しました」「素敵です」などのコメントでまたやる気になってしまうんです。

それに悩み事を隠していられないというか、言ってしまってすっきりさせたい性分なんです。

私もはっきり言っていい年のおばさんです、ベルサイユのばらファンは大体そうなんじゃないでしょうか?(違ってる?)

私の作品を気に入ってくださったみたいでうれしいです♪

だってやっぱりお二人のラブラブ話を読みたい人がまだこんなにいるなんて、とうれしくなってしまうんです♪

今はオスカルの選択なんですね、これが人気第一位でした。

この先も楽しんでもらえる作品であればうれしいのですが。

励ましてくださってありがとうございます、良ければまたお立ち寄りください。

2016/02/21 (Sun) 18:12