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うさぎ

選択後の二人②

女二人が勇ましく今後の話をしているとき、アンドレは急いでローラン商会に戻っていった。

「ジュール、留守をしてすまない!」

「アンドレ、あんな別嬪と長い時間なにをしていたんだよ」

「実は・・・あれは婚約者なんだ」

「えぇ!お前女に興味が無いのはあんな別嬪がいたからなのか?」

「実は・・・そうだ」

「今まで隠していたなんて水臭いな、しかしうらやましいよあんな美人が嫁さんに出来るなんて、お前どうやってものにしたんだよ!」

「そんな簡単に手に入れたわけじゃないよ、ここまでくるのにはそれだけの苦労があったんだ」

「そうだろうな、あれだけの美人なら並み居るライバルがいただろうし、いくらお前がいい男でも、大変だったろう」

「そうだな確かに気が気ではなかった」


アンドレはオスカルのことが気になりながらも残りの仕事をやっつけて家に戻って行った。

家に戻るとオスカルが待ちかねたように出迎えに出てきた。

「アンドレ遅かったな!待ちかねたぞ」

「オスカル、これでも急いで帰ってきたんだ、お前に早く会いたくて」


「アンドレ、クロエが今後私にいろいろ教えてくれると約束してくれた」

「いいのかい、クロエ」

「いいんだよ、あたしはオスカルをすっかり気に入ったから娘が出来たみたいだ」

「私もクロエといるとばあやを思い出すんだ」


その日はクロエが腕によりをかけて夕食を作ってくれた。

二人は食事しながら、今後のことを語り合った。

「オスカル、もう俺達はまだ式を挙げていないから婚約者ということにした、出来れば早く教会で式を挙げたいが、俺はお前にウェディングドレスを着せて指輪も用意した式を挙げたい、だからもう少し金がたまるまで式はお預けにしたいんだ」

「アンドレ、私はそのようなもの願ってはいない、お前と愛を誓い合って夫婦になれれば満足だ」

とオスカルは語ったがアンドレは,「俺はきちんと式を挙げたい、これは男としての俺のけじめだ、そうさせてほしい」

ここまで言われてしまってはオスカルとして反論のしようも無かった。

アンドレとしては、貴族の姫であるオスカルが平民の自分に嫁ぎ、満足な式も挙げられないのに我慢が出来ないのであろう。

「わかったアンドレ、お前の言うとおりにするよ、私も出来ることがあれば協力する、そして一刻も早く式を挙げよう」

「私は早くお前の妻と呼ばれたいのだ」

「オスカル、俺もだよ」


夕食が終わり二人は二階のアンドレの部屋に入った。

今日から二人でこの部屋に住むのだと思えばオスカルの胸の鼓動は止まらなくなり、ドアの前で立ちすくんでしまった。

緊張気味のオスカルにアンドレが気づいて「オスカルどうした?椅子にでもかけたらどうだ」

「わ、わかった」といってソファーに座った。

するとアンドレが横に座り、オスカルの肩を抱いてきた。

ますます緊張したオスカルが「ア、アンドレお前仕事で疲れているのではないか?早く休んだほうが・・・」と言ったとたんその口はアンドレの唇でふさがれてしまった。

久しぶりに交わすアンドレとの口付け。

ようやく・・・ようやく、私を蕩かす唇に会えた。・・・

時間が止まったかのようにいつまでも抱きしめあい、やがて見つめあった。

アンドレが私を見つめ、私に触れる。

その愛しい唇と手で私の全身を這わせていく

別れの夜と違って優しく私を包みこむような愛撫、優しいお前と激しいお前、アンドレいったいどちらが本当のお前なのだ。

いや、どちらも本当のお前に相違ない、そして私はどちらのお前も愛している、愛さずにはいられないのだ。


ひとしきり愛し合いようやく落ち着いて抱きしめあった。

アンドレはオスカルを見つめながら「やばい・・・泣きそうになってきた」と言い出した。

「どうした?」

「お前がこの腕の中にいるなんてまるで夢のようで信じられない・・・」

「昨日まで一人このベッドで横たわっていたのに・・・」

「何度お前を迎えに行こうと思ったことか・・・毎晩お前のことを考えぬ夜はなかった・・・会いたくて会いたくて耐えられなかった」

「こんな俺を情けないと思うか?だがこれが俺の本性だ、お前がいない人生は考えられない、」

「もう、お前を離さなくともいいんだよな、お前は俺のものなんだな・・」

突然のアンドレの激しい愛の告白にオスカルは驚くばかりであった。

こんなに離れ離れになっていた間苦悩していてくれたのか、私はこんなにもアンドレに愛されている、そう思うと愛しさで胸が一杯になってきた。

「当たり前ではないか、しかも私がついていく、といったのに拒否したのはお前のほうだぞ、そんなお前を追いかけてきたのだ、もう二度と離れはしない」

オスカルはアンドレの背に両手を回して抱きしめた。

「アンドレお前が別れるといっても別れてなんかやらないからな」

「私はお前のものなんだから、何処までも一緒だ」

それ聞いたアンドレは

「その返事が聞きたかった・・・俺の、オスカル」そのままオスカルを再び抱き寄せた。

久々に幸せに愛を確かめ合った二人。

しかし困難が二人を待っていた。

その困難とはオスカルにとって家事だ。
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Posted byうさぎ

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