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うさぎ

カサノバな彼⑤

彼女から連絡が来た、俺と会いたい、といって。

約束場所は付き合うと約束した公園で。

俺は約束の時間の5分前には必ずつくようにしている。

まだ彼女は来ていないようだ。

公園のベンチに座って森林浴気分だ。

日光の光を気持ちよく浴びていると、あちらから彼女がオスカルが急ぎ足で向かってくる様子が見えた。

金髪が日光の光に反射してキラキラと輝いている。

薄暗い場所でも彼女の美しさは際立っていたが、朝日の中ではもっと美しい。

彼女が現れて公園で休んでいたサラリーマン連中がみな彼女を見つめていた。

無理も無い、彼女のようなゴージャスな美女はそうざらにはいない。

その美女が俺の元へ急ぎ足でかけてようやくたどり着いた。

「アンドレ!待たせたな!」

ハアハアと息を弾ませながら彼女は言った。

「いや、丁度約束の時間だ、女性はいろいろ支度があるから遅れるかな、と思っていたよ」

「私のほうから誘っておきながら待たせるなどありえない話だ、しかも私はこれでも仕事は秘書だからな、」

秘書?意外だな、お金持ちのお嬢様で何不自由なく暮らせる人だと思っていたが。

「出かけしなに社長から仕事の確認の電話が会って遅くなってしまった」

「真面目なんだな、俺が君なら遊んで暮らすよ」

「そうか?人生は長い、遊んでいるだけだと退屈する、アンドレお前だって前世は働き者だったぞ」

「そうなのか?そのせいかな、前世に働きすぎて怠け者になったとか」

「そうかもしれないな!生まれ変わったお前はいささか軟弱になったのだな」

そういうとオスカルはアハハと屈託無く笑った。

彼女といるとどうも調子が狂う。

見た目は文句無い美女だが、話していると男同士のような会話で色気は皆無だ。

しかし、気を使う必要が無く楽な相手なのだ。

いつの間にか俺達はいろんなことを話し合った。

オスカルは女ばかりの末娘で、姉達と同じように育てられたものの、前世で男と育てられた記憶があるからか男っぽく育ってしまった。

それは大きくなっても変わらず、学校では女生徒にオスカル様と呼ばれてファンクラブまでできる人気だったそうだ。

それは、社長秘書の職を得た今でも変わらず、秘書の後輩にロザリーとシャルロットという子達がいるが、その二人に異常に好かれているという。

二人とも慕ってくれるのはありがたいが、ここでもオスカル様と呼ばれ、何かというと私を取り合いしてもめるんだ、とため息をついた。

会社はライアットといって家具やアートを扱っている一流企業だった。

社長のアーベル氏にオスカルは気に入られて息子の嫁にならないかといわれてもいる、と言った。

オスカルは「私のような男っぽい女にありがたいことだが、私にはアンドレお前がいるからな、きちんとお断りしたよ」

その時、俺とは出会っていないはずだが、彼女は前世の俺つまりアンドレ以外とは添い遂げない、と堅く決意していた。

しかし、将軍家の両親はそんな夢物語を信じている娘を心配して、誕生日パーティーと称して娘を誘いだし、婿選びをもくろんだのだ。

結果は散々だったが。・・・

「父や母が心配しているのはわかっていたんだ、だけどこれだけは譲れない、だって私にはお前しかいない、お前とめぐり合って今度こそ添い遂げるのが私の願いだ」

彼女はそういって俺を熱く見つめた。

何故だろう・・・彼女に言われるとこんなに胸に届く。

あまりにまっすぐな彼女の言葉はストレートに胸を貫く。

しかも、さっきまで男っぽく話していた彼女が俺(アンドレ)への想いを口にすると、なんと女性らしい空気をかもし出すのだろう。

そんなに愛していたのか?・・・

しかし、彼女は俺を愛しているというより、俺の中のアンドレの風貌を愛しているのだが・・・

何で、それがきになるんだろう?

○月×日

今日アンドレに連絡を取り、公園で会う約束を取り付けた。

しかし出かけしなに社長から仕事確認の連絡が来てしまい、待ち合わせの時間に遅れそうになった。

彼はもうすでに来ていて女性はいろんな事があるから遅れるものだと言って理解を示した。

女心を熟知しているのだな。

アンドレに今の私の生活を知ってほしくて、家族のこと仕事のことを詳しく伝えた。

勤めている会社社長の息子の嫁になるよう、進められたことを伝えたが、お前は気にもしない。

やはり、私への気持ちは再燃していないようだ・・・寂しい・・・

しかし、私がお前への気持ちを語ったとき、それまであまり感情を見せなかったお前が私に熱い視線を送ってきた。

そのことがとてもうれしかった。

だが、途中で彼の携帯に電話が入った。

どうやら女性からのようだ、私と別れた後、会う約束をしていたんだな。

ああ、たまらなく気になる。・・・
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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 7

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2015/07/21 (Tue) 12:12

みか

アンドレもいつか前世を思い出すのかな?

生まれ変わったら、今度はアンドレがオスカルを待たせる番?なのですね。
これは、、、アンドレはたとえ記憶がなくても間違いなく、何度でもオスカル様と恋に落ちそうですが、、、最終的に前世の記憶も取り戻すことになるのか、とか、前世みたいに、やっぱり最後はアンドレがオスカルにつくす形になるのか?とか、いろいろ想像しつつ、この先の展開を楽しみにお待ちしております。

2015/07/21 (Tue) 12:38

うさぎ

Re: はじめまして。

MA様、コメントありがとうございます。

実生活心配していただいてありがとうございます、メールを送っておきましたのでお返事はそちらでご覧になってください。

2015/07/21 (Tue) 18:30

うさぎ

Re: アンドレもいつか前世を思い出すのかな?

みか様、アンドレが前世の記憶がなくて、オスカル様はあるのだから、こうなります。

アンドレの記憶に関しては、あまり物語の中で重要性を持たせてはいません。

アンドレが尽くす側になるかは、見る側の判断しだいですね~。

いつも想像してもらえてうれしいです。

2015/07/21 (Tue) 18:34

うさぎ

No title

H・R様またもや想像力がたくましいですね~。

月9ドラマみたいですか?

そう言われてみれば3話の終わりなんか読んでみると、そう思えなくはない・・・などとH・R様ワールドにまたもやはまってしまいました。

「カサノバな彼」の略称とは気づかず「ノバ彼」ってそんなドラマあったかな?って検索しそうになりました。

どんな風にオスカル様がアンドレに恋させるのかお楽しみに、といっても私の腕だとたいした話にはなりそうにないですが・・・

2015/07/21 (Tue) 18:41

摩利

こんばんは。
こういう話、無条件に大好きです!

私としては、前世の自分ではなく、今の自分を見て欲しい!って、アンドレには思って欲しいな。前世の自分に嫉妬するくらい、オスカルを好きになって欲しい!

(私の希望する展開でなくても、もちろん大丈夫ですが、)続きを楽しみにしています。

2015/07/21 (Tue) 23:12

うさぎ

Re: タイトルなし

摩利様

こんなお話大好きとまでいってもらえてよかったです。

だってアンドレが他の女性に手を出すなど受け入れられないと思うのです。

私もその考えはありますが、このような事情なら受け入れられると考えました。

なるほど今の自分ですか、その要素があるかは、麻利様の見られる判断しだいといったところです。

頑張りますね~♪

2015/07/21 (Tue) 23:33