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うさぎ

カサノバな彼⑦

「アンドレ、これ何?今までの有閑マダムとのお付き合いコラムとはまるで違うわね」

今俺は雑誌「モン ラパン」にいる。

俺のコラムを編集長のエメが見て驚いた、これまでとは全く違う、というのだ。

「今まで俺はいろんなタイプの女性と付き合ってきた、大人しくはにかみやのタイプ、わがままで派手なタイプ、知性あふれる大人の女性、と結構な数をこなしてきたので、もうどんなタイプの女性とめぐり合っても驚かない、と思っていた。

しかし、世の中ってやつは広かった。

現在付き合ってる女性は、今までのどの女性のタイプにも当てはまらなかった。

彼女との出会いは、ある上流階級のお屋敷でのパーティーだった。

金持ちの令嬢の彼女は並み居る求婚者を袖にして、しがないコラムニストの俺を前世の恋人だと言い放ち、いきなり口付けまでしてきたツワモノだ。

しかも彼女は美人でスタイルも抜群な、世の男性がぜひとも手に入れたくなるタイプの女性だった。

だが、彼女は何故か、前世の恋人の登場をひたすら待つ純情な女性でもあった。

恋愛の駆け引き無しで前世の恋人?の俺にまっすぐに向かってくる、その様子に俺はいつも翻弄されている。

俺としては新しい彼女が美しく俺に夢中なのはありがたい話だが、今まで付き合った女性達で培ってきた知識は全く役に立たない相手なので正直あせっているところだ」


「今までの貴方のコラムは付き合った女性の魅力を冷静に分析して彼女達との恋愛の楽しみ方の進めという内容だった、だけど今回の彼女は」

「まるで貴方のほうが彼女に振り回されている感があるわ、どうしたっていうの?」

エメの指摘は正しい、でもオスカルは今まで付き合ったどの女性とも違う、俺はコラムに嘘は書けない、だから心の中の正直な意見を書くしかない。

「どうした、といわれても、このような女性が眼の前に現れたんだから正直に書くしかない、これでは駄目か?」

エメは少し考えて
「コラムとしては面白いわ、だって打って変わった貴方が見られると読者は喜ぶかもしれない」

「これで進めましょう、今までより大きめな枠を取って」

「ありがとう、エメ、助かるよ」

「貴方のコラムを楽しみにしている読者のためよ、それよりまだ彼女は貴方を前世の恋人だと信じているの?」

「ああ、彼女の確信は揺るがない、本当にまっすぐで純粋な人なんだ、もう振り回されっぱなしだよ」と彼女を思い出すと笑いがこみ上げてきた。

「アンドレ・・・貴方何だか楽しそう・・・」

「エメ悪いけど、これから約束があるんで失礼するよ」

「彼女に会いにいくのね」エメは何故か暗い声だった。

それに気づきもせず、俺は「じゃあ」といって編集部を出て行った。


オスカルとの待ち合わせはいつもの公園だ。

今回は彼女のほうが先に来ていた。

「アンドレ!時間ピッタリだな」

「俺にしては少し遅れた、編集部で仕事の相談で遅くなったんだ」

「お前に会うついでにコラムを届けたんだけど、編集長に今までと全く違う、といわれた」

「どう違うのだ?」

「今回のコラムはお前との出会いについて書いたんだ」

「今までは、女性を冷静に分析していた俺が、お前に関しては振り回されてるようだ、といわれた」

「そんなに私はお前を振り回しているのか?」

「ああ、そうだな、他の女性の場合は、どう対処すればいいか予測がつくのだが、お前の行動や発言にはいつも驚かされる」

「それは・・・お前にとってどう写るのだろう?」

「最初はびっくりするんだ、一体何をいってるんだって思う・・・出会って突然お前は俺のことを愛しているって言うし、添い遂げるとまで言った」

「だけど、あまりの真剣さに胸を打たれている自分もいる・・・それに、お前といると何だか楽しいんだ」


「そうか、それならうれしい、私もお前といると楽しいぞ!」オスカルは声を弾ませてそういった。


○月×日

アンドレが私のことをコラムに書いたといった。

これまでの付き合い方と全く違って私のほうが彼を振り回しているのだそうだ。

私としては前世のお前との記憶があるから、どうしても彼への気持ちが止められなくなる。

それが彼には驚きなのだろうな。

だけど、彼は私といるのが楽しいともいってくれた!

これには感動した、私といるのが嫌ではないんだ。

しかし・・・これはもしかして男同士の友情に思ってはいないだろうか?

私の女子力は限りなく低いからな。

何とか彼が私を女性として意識させる方法は無いものか?
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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 1

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うさぎ

No title

H・R様

相変わらず自己評価の低いオスカル様です。

そうです、涙ぐましい女性力どのようなものかとくとご覧ください。

エメ、すみませんいつものパターンで、しかしどうしても必要なんですよね物語としては。

2015/07/23 (Thu) 20:46