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うさぎ

永遠のラブストーリー⑰

馬車でジャルジェ家に無理やり連れ帰らされたオスカルは真っ先に父であるジャルジェ将軍の部屋に連れて行かれた。

貴族の娘が一人で平民の男の部屋に行ったなどとんでもないことだ、父は激しく怒っていた。

「オスカル!アンドレのところへ何しに言った!」部屋に入るなりオスカルは激昂された。

「お前は貴族の娘だ、それも婚姻前の大事な身であるのに、独身の、それも平民の男の部屋に行ったなど変な噂になることを何故わからんのだ!」

「父上、アンドレは私の幼馴染で、ばあやの孫です、どうしても会いたかったのです・・・」

「アンドレは屋敷を去った身、しかもお前とは異性なのだ、間違いが起こらぬよう会うことはならん!それよりお前には次々と求婚者が現れておる、そやつらから婿を決めるのがお前の今の使命だ」

「父上、私は結婚などしたくはありません!」オスカルはきっぱりと父に告げた。

「!!」

「何度か舞踏会に行き、幾人もの貴公子から付き合いを申し込まれましたが、気持ちは醒めるばかりで、これなら男のままのほうが良かったと思う日々です」

「どうか、元の生活に戻してください、そしてアンドレを呼び戻してください」オスカルは必死で父に哀願した。

「オスカル、お前が男として暮らした日々は、わしのせいだ。いまさらだが後悔している、お前が男として生きた間、アンドレはお前を良くぞ支えてくれた、だから感謝している」

「だが、それでもこの父の願いだ、耐えてくれ、そうすれば、いずれ女としての幸せも受け入れられるであろう」

「父上!お願いです!私を元の生活に、アンドレはかけがえの無い友です!なにとぞ、父上!」アンドレといられるなら、女に戻れずとも良い、結婚話をなくすには男に戻るしか他に方法が無いのだ。

「オスカル、何故そんなにアンドレにこだわるのです、本当の友であるならば、友の旅立ちを受け入れるべきでしょう」いつの間にか母ジャルジェ夫人が部屋に入ってきた。

「オスカル・・・、貴方、アンドレを愛しているのね」

「母上!何を・・・!」

いきなり母に確信を付かれたオスカルは答えを失ってしまった。

「本当なのかオスカル!」

「ばあやから、全て聞きました、アンドレの部屋に入ったとき、貴方達は愛を誓い合い抱き合っていた、貴方はアンドレを愛している、だから男に戻ってアンドレを取り戻そうとしたのね」
母の静かだが、追い詰めるような言葉、貴族の娘が従僕と恋に落ちるなど、許されるものではない。

「母上・・・お許しください・・・私達は愛し合っています・・・もう彼以外の男の元に嫁ぐのは嫌です・・・」言ってしまった、とうとうアンドレを愛していると、でも、もう隠すことは出来ない。

「許しません・・・貴族の娘は貴族と婚姻を結ぶのが当たり前、このジャルジェ家に平民の血を入れるわけには行きません」

「母上!」やはり母上にもわかってもらえなかった、貴族と平民との恋はありえない、とお考えなのだ。

「お前達は何時の間にこんなふしだらな関係になっていたのだ」

「父上!私とアンドレは先ほどお互いの気持ちを確かめ合ったばかりです、彼は父上が知っておられるように誠実な男です、信じてください!」

「では信じよう、その代わり、お前はもう二度とアンドレに会ってはいかん!もしアンドレに会いに行ったりしようものなら、彼をその場で成敗する。」

「父上、なんと言うことを!」父の恐ろしい形相を見ると、本気なのだ、今後自分がアンドレに会えば、父上は必ず彼を殺すだろう、どうしたらよい。

「オスカル部屋に戻れ!そして今日のことを反省するのだな、お前は婿を取りジャルジェ家の跡取りを生む使命があることを忘れるな!お前の婿を決める舞踏会は一週間後だ、そこでお前は婚約者を決めるのだ、嫌なら両親である私達で決める、よいな!」

怒りに満ちた父の言葉にオスカルは従うしかなかった、もう自分は無力なただの女なのだから、だが、せめて愛する人の命だけは守る。・・・

「わかりました、父上・・・お言葉にしたがいます、けれど、アンドレには指一本お触れあそばさぬよう・・・もし、彼を傷つけたり、殺めたりでもしたら、そのときは、私もこの世のものではありませんゆえ・・・」

「よかろう、では行け!」
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