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うさぎ

3ヵ月後の二人②

よく朝、オスカルはアンドレに口も聞かず怒っていた。

「オスカル、ごめん謝るから許してくれよ」

「お前の考えはよーくわかった、これからお前が遅くなる日は夕食を先に食べて眠っておく、それでよいのだな」

「まあ、いつまでもお前が食べずに待っているのは心配だし、そうしてくれてもいいが」

「そうか、わかった、ではそうする!」

オスカルとしては、アンドレがひたすら謝り、これから何を差し置いてもお前との食事を優先する、いや、させてくれ、と嘘でも言ってほしかったのだ。

それが、バカ正直に、と再び腹が立ってしまった。

アンドレが仕事に出かけた後、オスカルは今日は洗濯場に行かねばならない日だ。

また、ご夫人がたとの会話に興じなくてはいけないのが苦痛だ。・・・

しぶしぶクロエとともに洗濯場に出かけ、いつものようにご夫人方から質問攻めにあってしまった。

「オスカル、あんたのところは仲がいいからケンカなんかしたことがないだろうね」

「アンドレに可愛がってもらってるんだろうね?」

「彼は一日何回キスしてくれるの?」

「愛してるとか毎日言ってくれるの?」

相変わらず単刀直入な質問をするご夫人ばかりで困る。

しかし、今日の私は「今はケンカ中ですので可愛がってももらっていませんし、キスもしていませんし、愛しているもいってもらってません」と大きな声で言ってやった。

ご夫人がたは、オスカルの剣幕に驚いてしばし、沈黙したものの、さすがは年の功 立ち直りが早かった、。

「ええ~、ケンカしたのオスカル、何で?あんたに甘いアンドレとケンカするなんてよほどのことがあったのね」

「ケンカの原因は何?」

「もしかして浮気とか?」

ケンカと聞いてクロエまで心配して

「オスカル、アンドレとケンカしたのかい、一体何があったの?仲のいいあんた達がケンカするなんて」と聞かれてしまった。

オスカルは仕方なく、アンドレが早く帰るといったのに仕事で遅くなり、夕食も仲間と食べてきたことを告白した。

それを聞いたご夫人がたは

「何で?帰りが遅ければ、夕食を食べてきてくれたほうが楽じゃないの」

「そうそう、だって片付ける面倒も無いし楽が出来るしね」皆こういった意見ばかりだった

「オスカルは、まだ新婚みたいなものだからね」とクロエがフォローしておいてくれた。

同じ主婦でも私とは全く考えが違っているのだな、まだ私は本当の主婦ではないが。

私はアンドレと夕食を食べるのを何より楽しみにしている。

だって以前は同じ席について食べるなどありえない関係だったのだ、それが今では毎晩同じテーブルで同じ食事を食べ、気軽に会話できる、それがうれしくてたまらない。

そんなに私の考えは変なのかな?

洗濯場から戻り、夕食の準備をせねば。

オスカルは夕食を作りながら、アンドレは夕食の時間までに帰ってくるだろうか?と考えていた。

しかし・・・またもやアンドレは夕食の時間に戻ってこなかった。

どうするべきか、と思案したが、朝に これからお前が遅くなる日は夕食を先に食べて眠っておく!と言った手前、一人で食べるべきであろう・・・

オスカルは一人で食事を取りながら、一人の食事は意外と簡単だな

ご夫人がたが一人のほうが簡単で楽だというのもうなずける。

食べたものを片付けて、日記を書いてからベッドに横になった。

最近アンドレは帰りが遅い、仕事が忙しいといってたが、急にだ。

もしかして私が増えた分、生活費がかかっているからか?

なら私は食べるのを控えたほうが良いのだろうか?

それとも働くか?

ともかくアンドレがこれからも遅くなるなら、こうして一人寝にも慣れていかねばならないのかな?

そんなアンドレが遅くなる理由をあれこれ考えていると、疲れてしまいオスカルは眠ってしまった。


○月×日

今日は洗濯場に出かけた。

いつものとおり、ご夫人方が私とアンドレとの仲のさぐりを入れてきた。

しかし、私がケンカ中だと言ったら、クロエまで心配してきたので、アンドレが仲間と夕飯を食べてしまったことを告白してしまった。

するとご婦人方は、意外なことに、ご亭主は外で食べてきてくれたほうが楽だといった。

これには驚いてしまった。

だってアンドレと夕食を食べるのが私の何よりの楽しみなのだ。

いつも楽しく会話しながら食べるなんて貴族であったときなど有り得ない話だ。

貴族の時は、親子同士でもほとんど会話などなかったからな。

アンドレと暮らし始めて、夕食がこんなに楽しいことに気がついた。

今日、初めて一人で夕食を取った。

すると今まで気がつかなかった彼の私に対する思いやりをいくつも発見してしまった。

ここへ来てからアンドレは毎日早めに帰ってきて一緒に食べてくれた。

私の作ったまずい夕食を残さず食べてくれた。

私が寂しい思いをせぬように一日にあったことを話して楽しませてくれた。

彼はこんなに私のことを思いやってくれていたのか。

そのことに気がついたら、自然と涙が沸いてきてしまった。

一人で食べた夕食は美味しいもまずいもわからぬ味気ないものだった。

彼の顔を見たかったが、私が眠らずに待っていると心配するので、先に眠ることにする。

明日はアンドレが早く帰ってきますように。
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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 1

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うさぎ

No title

Y様こんにちは
新連載楽しんでくださればうれしいです。
今回オスカル様はアンドレの帰りが遅いことで悩むことでお話が動き出します。
悩みは時代を超えても同じだと思うのです。
Y様も経験アリですか!

2015/08/10 (Mon) 20:45