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うさぎ

クールな彼女⑮

ジョゼフとオスカルが踊り終えた後、賓客達に挨拶をしていった。

中にはオスカルの美しさに惹かれてダンスを申し込む男性も現れた。

オスカルとしては、大事な取引先であるから、断るわけにも行かず、何人かの男性と踊る羽目になった。

アンドレとしては、これではオスカルに近づけない、と気をもんでいたところへ

「アンドレ、良ければ踊っていただけないかしら?」オリヴィアがアンドレに言ってきた。

「君はジョゼフがお目当てなんじゃないのか?」

「もう完全に振られたわよ、ジョゼフすっかり貴方の元彼女に夢中じゃないの」

オリヴィアはふくれっつらで答えた、だがすぐにアンドレを横目でちら、と見たかと思えば

「それに貴方ってとっても素敵だから是非踊ってほしいわ」

全く変わり身の早い、いまどきの女性だな、しかし踊りの輪に入ったほうがオスカルに近づける、とアンドレは考えた。

「ではお相手を、マドモアゼル」

アンドレはオリヴィアの手を取り、踊りの輪の中に入っていった。

そして次第にオスカルとジョゼフが踊る近くに迫っていった。

オスカルはアンドレに気がつき

アンドレが知らない女の子と踊っているのを見た。

なにやら親しげに話している、もしかして新しい彼女?

「アンドレと踊っているのはオリヴィアですよ」とジョゼフが言った。

「オリヴィア?」

「僕の遠縁に当たる子でね、アンドレのコラムのファンだって言ってました」

そんな子がアンドレと・・・アンドレのコラムのファンなら彼に興味がわくのは当然だ、しかも彼はコラム以上に魅力的なのだから・・・

そしてアンドレは、

オスカル俺を見ろ、ジョゼフを見つめるなど俺には我慢できない!

お前は俺だけのものだったはずだ、それなのに他の男の腕の中にいるなんて、嫉妬のあまりおかしくなってしまいそうだ!

アンドレはオスカルを見つめ続けた。

「アンドレ、貴方まだオスカルに未練があるの?彼女のほうばかり見ているわよ」

オリヴィアの声にアンドレははっと気がついた。

「ああ、すまないオリヴィア、あまりに二人が印象的だからついつい眼がいってしまうんだ」

「ダンスの相手に注目しないなんて失礼よ」

「悪かったよ、恋愛コラムニスト失格だった、何かお詫びしないといけないかな」

「そうね・・・お詫びをしてくれるなら、キスしてくれる?」

「キス?」

「そう、私何人かとキスしたことがあるんだけど、貴方のような大人の男性とはまだ無いわ」

「貴方のようなステキな大人の男性とキスしてみたいと思ってたのよ、お願い」


オスカルと付き合ってから他の女にキスなんてしたことがない、他の女に興味がなくなったからだ、それにオスカルが嫌がることはしたくなかったからでもある。

しかし、今の状況は・・・

「いいよ、オリヴィア」

そういってオリヴィアをぐいっと抱き寄せて彼女の唇に口付けした。

それは、オスカルがこちらを見た瞬間を狙ってやったのだ。

オスカルに見せ付けて彼女がどう思うのか、本当に俺のことを忘れたのか、知りたい!

それはオリヴィアがのぞんだような大人のキス

ためらいもなく官能的で刺激的なアンドレのキスにオリヴィアは驚いた。

「君を満足させられたかな?君のような可愛い女性相手だから、つい夢中になってしまった」
アンドレはオリヴィアを見つめながらロマンチックに語った。

「え・・ええ、とても、アンドレ貴方って素敵だわ」オリヴィアはうっとりしてしまった。

そこへ通りかかった女性がアンドレに声をかけてきた。

「アンドレ!貴方もこのイベントに招待されていたの?」

「やあ、サンドラ、君も来てたのか、」

「ええ、今回のイベントは大勢のモデルが招待されてるのよ」

ジョゼフとしては華やかにするため、綺麗どころは沢山呼んでいた。

「それより、新しい彼女?」

サンドラはチラッとオリヴィアを見た。

「ああ、こちらはオリヴィア嬢、ルイ・ジョゼフの遠縁の娘さんだ、オリヴィアこちらは有名雑誌「ルネ」の専属モデルのサンドラだ」

「ふうん、アンドレ貴方最近真面目になったと思ったけど、また悪い癖が出たようね」

「こんな若い子にあんな熱いキスするなんて相変わらず罪作りね」

「それなら、君が相手なら罪にならないのか?サンドラ」アンドレはサンドラに視線を注いだ。

「おあいにく様、女性がみんな貴方の思い通りになると思ったら大間違いよ」サンドラはアンドレの視線をそらすようにして言った。

しかし、アンドレはサンドラが横を向いたとたんに

「サンドラ・・・せっかく素敵な髪なのに、ほどけてしまった、・・・」

そういってアンドレはサンドラの髪のほつれた部分をすくい上げた。

「これで完璧な美しさに戻った」といって笑いかけた。

そして、「ベルジュ夫人じゃないですか、貴方もいらしたんですか?」と違う夫人に声をかけた。

「久しぶりね、アンドレすっかりご無沙汰だから、私のことなど忘れてるかと思ったわ」

「貴方のような素敵な女性を忘れるわけ無いじゃないですか」

そういってアンドレは夫人の手にキスした。

「真面目になったったって聞いたけど、また退屈になって出てきたの?」

「さあ、どうかな?でも中世の宴に来て貴方に会えるなんて、幸運でしたよ、これも運命かな?」

「相変わらず口が上手いわね」といって夫人は笑った。

「そうかも知れない、貴方の前だと饒舌に拍車がかかる」

「アンドレ!もう一度踊りましょうよ」とオリヴィアが気を悪くして声をかけた。

「ああ、わかった、ではサンドラもベルジュ夫人も名残惜しいが・・・また後でお会いしましょう」

アンドレは別れぎわに彼女達の肩にそっと触れて「では・・・また後に」と耳元で囁いてその場を去った。

アンドレはオリヴィアに手を引かれて再び踊りの輪に入っていき、サンドラもベルジュ夫人もはアンドレをしばらく見つめていた


オスカル以外の女になど、興味は無い!

だが、こんな俺を見てオスカルお前はどう感じる?

本当に俺のことを忘れてしまったといえるのか!・・・

オスカルどうなんだ!

お前が最も嫌う俺の姿を見てどう思うんだ!
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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 9

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2015/09/16 (Wed) 23:53

うさぎ

Re: タイトルなし

H様、お二人の離れている時間そうですね、とても長いです。
今回はオスカル様の気持ちがいまいちわからないところがイライラさせてしまうのでしょうね。

対してアンドレは最初からオスカル様への思慕を前回と打って変わったように強くなってます。

どうみてもアンドレが気の毒な話なんです。

今までの私の作品はオスカル様がもっと行動し、何を考えてるかわかりやすかったですから。

私も書いていて、その辺辛かったです、出来ればもっと活躍させたかったです。

けど、今回はオスカル様の深い心の苦しみが大きなテーマとなっていますから、我慢するしかありませんでした。

今回アンドレが思い切った行動に出ました。

オスカル様の最も嫌がる行動で彼女の気持ちを動かそうとしました。

以前の彼ではないのにあえてカサノバに戻る、オスカル様への深い愛のためと理解してもらえればうれしいです。

2015/09/17 (Thu) 07:30

うさぎ

No title

Y様今回のお話は複雑ですので見ている人には負担大きいと思われます。

ジョゼフ確かに完璧ですよね、ひいてしまうのは、どうしてもアンドレに心が行くからでは?

2015/09/17 (Thu) 09:29

ローズマリー

No title

やけっぱちとはいえ、大胆に出ましたね、アンドレ。
チャラいアンドレ、結構嫌いじゃないかも、なもので。
次回がものすご〜く楽しみです。あ、毎回楽しみにしていますよ。今回は特に、という意味で。

2015/09/17 (Thu) 13:52

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2015/09/17 (Thu) 13:57

うさぎ

Re: No title

ROSE様やけっぱちというか、これしかないって感じです。

オスカル様意外とやきもち焼きですから。

すごい気を使ってくれてるのわかります~、今回はどうなりますことやら。

2015/09/17 (Thu) 15:06

うさぎ

Re: こんにちは

MI様おっしゃること何となくですがわかります。

多分今回はオスカル様が陰にこもってるから独特の暗さがただよってるのでしょうね。

書いているときはよくわからないのですが、こうしてアップを重ねて皆さんのコメント見て改めてみていくと、うーんそうかあ、とわかるんです。

今までは、オスカル様が前向きっぽいのが多かったから。(どちらかというとオスカル様がアンドレにぐいぐいいくような、こんなの書いてたんだ私)

そんな深い思いいれで書いたのではないです。

私はそのときの思いつきがほとんどで、要所要所のアイデアだけを使ってその後に書いて行きます。

でも、そろそろ限界なのでしょうか、こんな後ろ向きな作品になっていくとは。(不安)

凡人以下の私が書くのだから、いずれはそうなると覚悟はしていましたが。

2015/09/17 (Thu) 15:17

うさぎ

No title

H様アンドレにはこれしかないです、カサノバでありながらたった一人を自分のものにできない辛さがなんともいえません。

ともかく今日だけでも決めようと思います。

2015/09/17 (Thu) 15:25

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2015/09/17 (Thu) 22:37