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ロザリーの夢⑥

翌朝、それぞれ起きてくる時間が違うから、別々に朝食を取るように決めていた。

私はアンドレとだいたい同じ時間に起きるので自然と合えるはずだ。

彼がいつ降りてきてもいいようにコーヒーのしたくをすることにする。

するとアンドレが降りてきた。

「おはよう」と私に声をかけてきたので、私は彼のところに駆け寄って「おはよう」といって朝のキスをした。

実は、今回の別荘行きは、二人で暮らすための予行演習のためでもあったのだ。

二人きりで食事を作り、二人きりで食べて、二人きりで後片付けをして、二人きりで過ごして、二人きりで眠る、そのはずだったのだ。

なのに・・・邪魔者が3人も・・・。

しかし私がコーヒーを入れている間に彼は、テーブルを拭いてくれたり、食器を用意してくれたりする、彼はいつも自分が出来ることを努力してやってくれる。

その姿を見ると、アンドレのためにも私ももっと頑張ろう、という気になる。

だから彼のために張り切って目玉焼きを焼いていたら、またもや彼が「サラダのレタスをちぎっておくよ」といって手伝ってくれる。

ああ、こういうのをしようと思っていたのだ。

そして二人でコーヒーとトーストと目玉焼きとサラダとフルーツ少々の朝食を楽しく取っていたらロザリーが起きだして来た。

「おはようございます、オスカル様、アンドレ、」

「おはようロザリー」と二人でそろって挨拶したら

「本当に二人は仲がよろしいんですね」とじっと見つめてきた。

あんまり見つめられると恥ずかしいではないか、アンドレは眼が見えないから平気で食べてたが。

そのうちぞろぞろとベルナールとジャンヌがおきだしてきて

「ロザリーあたしの分の朝食作ってくれない?」とまた妹を使おうとするから

「ジャンヌ、自分のは自分で作って食べろ」と言ってやった。

しかしロザリーは

「いいんです、ついでですから」といって作り始める、全く苦労性なのだな。

しかもロザリーはベルナールの分まで作ってやろうとしていた。

しかし、ベルナールは「いいよ、俺は勝手にやるから」といって自分でパンを焼いてコーヒーも(私が作っておいたのだが)自分でカップに注いで飲んでいた。

どうしたのだろう?彼の心境に変化があったようだ。・・・

朝食が終わった後、ロザリーが私と話したい、というので二人で散歩することにした。

ここら辺は木々が多くて散歩に丁度いい、本来ならば今頃アンドレと二人で散歩する予定だったのだが・・・

「オスカル様すみません、心配かけてしまって」

「いや、ベルナールとのことはロザリーが決めるべきことで私達が口出しすることではないのに、余計なことを言ってしまったかもしれない」

「そんなことはありません、心配してくださってうれしかったんです!」

「でも、それと同時にお二人がうらやましくて・・・」

「うらやましい?」

「だってオスカル様とアンドレっていつもお互いを想いあっていますよね、オスカル様はアンドレのために点字までうって本を用意してあげたり、自らの声でテープに入れたりもしてるじゃないですか」

「アンドレだって、それに甘えるだけじゃなくて、いつも感謝の言葉を欠かさないし、彼なりに努力している姿勢がうかがえます」

「とってもステキなカップルだわ、お二人みたいになるのが憧れだったんです」

「ありがとう、ロザリーそういってもらえてとてもうれしいよ・・・だけど、私達はそうするしかないんだ」

「彼は眼が見えないから大きなハンデを背負ってるってわかるよね、しかも彼が一番そのことをわかっている」。

「彼は昔から私を守ってくれていた、だけど今はそれが出来ないのが悔しいと言うんだ。」

「だから、彼はせめて自分なりに出来ることは精一杯やろうとしている、自分のために、そして私のために」

「そんな彼だから・・・私は何だってやってあげたくなる・・・そんなの、当たり前だろう」

オスカルはロザリーについ本音を漏らしながら涙ぐんでしまった。
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Posted byうさぎ

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2015/10/07 (Wed) 22:44