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うさぎ

夢のラストダンス①

世界一愛し合っているお姫様と王子様がいました。

でも悲しいことに王子様の眼は見えないのです。

王子様の眼を治すために勇敢なお姫様は医師になろうと決意します。

だけど、それまでの道のりは険しく、お姫様は時には悲しい目にあうこともあり、とても困難な時を過ごすのです。


オスカルが医大に通うようになって1年たった、もう大学2年生だ。

アンドレは大学3年生世間から見れば二人は義理の兄妹だが、実は深く愛し合っている恋人同士なのだ。

そしてアンドレは眼が見えない。

だから、オスカルは大学から戻ってくると真っ先に自分の部屋に行くより先にアンドレの部屋に立ち寄る。

「アンドレただいま帰ったぞ!」

「ああ、おかえり」

「今日は何事も無かったか?けつまずいたりしなかったか?」

「お前相変わらず心配性だな、大学の中や近所なら一人でも十分歩けるんだから心配するな」

「もしも、ということがあるからな、お前を守るのが私の使命だ、何かあれば呼べよ!」

それだけ言うと自分の部屋に戻る、それがオスカルの日課なのだ。

いつもこんな感じですっかり保護者気取りだ。

その後、夕食の時間。

オスカルの父は会社経営者なのでいつも帰りが遅い、だからオスカルとアンドレと母の三人で夕食をすますことが多い。

その夜も3人での夕食をしているときに母がオスカルに聞いてきた。

「オスカル、貴方の大学で今度ダンスパーティーがあるんですってね、先日遊びに来たジャンヌが言ってたわ」

ジャンヌめ余計なことを。・・・

「ええ、私の通う大学は勉強が大変ですので、たまに生き抜きにとの大学側の考えで」

「お前、そんな行事があるなんて一言も行ったことが無いじゃないか?」
大学での出来事はいつも聞いているアンドレは驚いていった。

「だって、私には関係が無いのだから、去年も参加しなかったし」

「でも、かなり盛況なんですってね、女子はみんな毎年楽しみにしているって言ってたわよ」

ジャンヌめさらに余計なことを・・・

「私はダンスなど興味がないから関係が無い」

「お前嘘つくなよ」とアンドレに横槍を入れられた。

「昔からダンスは得意だったじゃないか、高校の時はよく踊ってたし」

そうなのだ、高校生の時も、ダンスパーティーが開催された、それに参加してよく踊ったものだ。

ただし、そのときはアンドレがまだ目が見えていて、二人で踊ったんだ。

「もう興味がなくなったんだ!今私は勉強で忙しい!」といってオスカルは夕飯もそこそこに自分の部屋に戻ってしまった。

自分の部屋に戻ったものの先ほどのダンスパーティーのことが気になって仕方がなかった。

アンドレが気にしていないだろうか・・・

そう思ってアンドレの部屋に様子を伺いに来た。

ノックをすると

「オスカルか、入れよ」アンドレは目が見えない分耳がいい。

「アンドレ・・・」オスカルが部屋に入るとアンドレは本を読んでいるところだった。

点字が打ってる本が何冊もアンドレの部屋には置いてある。

「どうした?」

「何かないと来てはいかんのか?」オスカルは少しすねたように言った。

「まさか!すねてないでこっちへ来いよ」

アンドレの声に誘われてオスカルはすぐ側まで寄った。

アンドレはオスカルの手を握ったかと思うとあっという間にオスカルをひざの上に座らせた。

「お前、ダンスパーティーのこと、なんで内緒にしてたんだ?」

やはり気にしていたんだな。・・・

「行く気が無いからだ、もうダンスに興味が無くなっただけだ」

「嘘をつけ、俺の眼がこんなだから気を使ってるんだろ、もうお前と踊れない俺に気を使ってることなどお見通しだ」

「俺に気にすること無いんだ、せっかくのイベントなんだから、楽しんで来い!」アンドレは笑顔を見せて言った。

私はアンドレの優しい笑顔につられて本音を言ってしまった。

「お前と踊れるなら行きたいけど・・・」

「・・・ごめん、それは無理だ」

「私こそ・・・ごめん」

私はたまらなくなってアンドレに抱きついた。

アンドレはそのまま抱きしめてくれて優しく口付けも交わしてくれた。

いつも側に彼がいる、それはとても幸福なことだ。

だけど、彼の眼が見えたらってやはり思わずにはいられない、贅沢だってわかってる、だけど・・・だけど

以前のように彼と踊りたい!

ダンスはやはり愛する人とでなければ心から楽しめない。

アンドレ、お前とでなければ意味は無いんだ。
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うさぎ
Posted byうさぎ

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2015/10/12 (Mon) 01:49