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うさぎ

夢のラストダンス③

「何だよ変なやつだな」とアンドレが私の思い出し笑いを指摘した。

「以前お前とハイスクールでダンスパーティーに参加しただろう、そのときのことを思い出したんだ」

「お前が席を離れた隙に私にカルロスがダンスを誘ってきたんだ、お前は戻ってきてすぐに私を取り返した」

「ああ、あのときのことか?」

「考えてみればお前はあの時から私のことを好いていてくれたんだな、それでやきもちを焼いたんだろう」

「そうだ、少し席を離れた間にいなくなったから心配したんだ、それなのにお前は他の男と踊ってる、許せるわけが無いだろう」

「だってお前が私を置いていくから、それにあの時は何しにいったんだ?」

「あの子は・・・同じテニスクラブに所属していた子なんだ、ちょっとクラブのことで話があるといわれて」


オスカルはアンドレの言葉に素直に納得したが真相は少し違っていた。


あの頃、オスカルがダンスパーティーにオスカルが他の男子3人に誘われたと聞いたときは、正直焦ったものだ。

オスカルと踊る権利を誰にも取られたくなかった。

でも結局俺を選んでくれたから、うれしかった。

オスカルのドレス姿は素敵だった、普段のお前からは想像もできないほど可愛かったんだ。

そんなオスカルをエスコートしてダンスパーティーに行く気分は最高だった。

普段は兄妹として側にいるだけだが、その日はパートナーとして、まるで恋人同士のように彼女を抱きしめられる。

それが余計に俺の心を弾ませた。

こんなに美しいお前を独り占めできるなんて!俺は胸が高まってしょうがなかったんだ。

オスカルとのダンス、思いを込めて握りしめるオスカルの手、オスカルの細腰、まるで本当の恋人同士になった気分だった。

俺だけのオスカル、妹としてではなく、一人の女性としてずっと見ていたんだお前だけを、どうか気づいてくれ!

心の中でお前に愛を語りかけながら踊り続けた。

しかし、休息したときに、オスカルの質問の女の子がそこへやって来た。

彼女はアレサといって、オスカルがハイスクールに入学する前、つまり俺が一年生の時、一緒にダンスパーティーに行った子だ。

彼女のほうから一緒にダンスパーティーのパートナーになってほしいといわれて、まだオスカルはいなかったから承知したんだ、別に誰でも良かったし。

しかし、オスカルが入学した次の年でも彼女は言って来た。

「ごめん、誘いたい子がいるんだ」といって断ったのだが。

俺がパートナーとして連れてきたのが妹だと知って激怒して俺を誘い出したんだ。

「どういうこと?貴方誘いたい子がいるからっていうからあきらめたのに妹だなんて」

「君と俺は付き合ってもいない、去年はオスカルが入学してなかったからパートナーを承知したんだ」

「おかしいわよ!妹を入学するまで待ってたなんて!」

「周りも言ってるわ、アンドレとオスカルは仲が良すぎるって、兄妹なのに!」

思わず兄妹という言葉に反応してしまった。

「兄妹なんかじゃない!」

「兄妹じゃないんだ!あいつと俺は!血はつながっていない」

「俺は、オスカルが好きなんだ!」

「だ、だけど小さい頃から一緒に育ってきたんでしょう!それなのに妹が好きだなんておかしいわよ!」

アレサは悔し紛れにそういって立ち去っていった。

一人残ったアンドレは考え込んでしまった。


小さい頃から一緒に育っていながらこんな思いを持つのはおかしい、か・・・

だけど・・・好きなんだ、小さい頃からオスカルだけを

いや・・・好きなんてもんじゃない・・・愛している!

オスカルを・・・愛してるんだ・・・どうしようもなく、愛してしまったんだ!


その後オスカルの元へ急いで戻ったら、もう別の男子がオスカルと踊っていた。

オスカルは綺麗だったけど踊りにくそうだった。

俺ならオスカルをもっと素敵に楽しく踊らせてみせる!

ダンスの練習の相手はいつも俺だ、オスカルの癖も踊りやすいリードの仕方も全部俺は知っている。

そこは俺の席だ、オスカルのパートナーは俺だけだ。

俺はどうにも我慢が出来ず、男子の肩を叩いてパートナーチェンジだといってやった。

戻ってきた俺にオスカルは輝くような笑顔で迎えてくれた。

オスカルは「遅いぞアンドレ!」といって少し怒った顔だったが、すぐに笑顔に戻って俺の差し出す手の上に自らの手を置いた。

この笑顔を俺だけのものにしたい

俺だけのオスカルにしたい

周りが何て思ってもかまわない!

いつか・・・いつか、オスカル、

お前を俺の花嫁にするんだ!
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