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うさぎ

半年後の二人⑮

その後アンドレとオスカルは一緒に家に帰った。

家に戻って私は気になったことをアンドレに告げた。

「アンドレ、アレクサンドルの機嫌を損ねてお前のローラン商会での立場は大丈夫だろうか?」

「う~ん、そうだな、良い取引先を失って、社長からクビを言い渡されるくらいかな?」

「そ、そんなにきついお叱りを受けるのか?」

「このご時勢だ、クビになったら他に良い就職先は簡単には見つからないと思う、そうなると田舎で野菜や果物を作る暮らしをするしか方法は無いだろうな」

「しかし、まあ二人で食べるくらいは出来るだろう」

アンドレのふざけていった提案をオスカルは真剣に考えてしまった。

「そうか、そうなると私も今度は畑仕事を覚えないとな、しかし、そういうのも良いな、それなら私も出来そうだ」

「では、覚悟しておけ、俺がクビになったらクロエにもお別れして下宿屋を出て、田舎に引越しだ」

「クロエと別れるのは辛いが、お前と二人なら、何処へでも行くぞ」

オスカルはアンドレの言葉に励まされた気持ちになった。

「では、何も心配することは無い!二人一緒でいられるなら何処でも何をしても最高に俺達は幸せなんだから!」

アンドレはオスカルの両肩に手を置いて力強くいってくれた。

そうだな、アンドレお前はいつもそうだ。

私が持ちきれない荷物を後ろから支えてくれる、そして私の心を癒そうとしてくれる。

私はそんなお前の胸の中で甘えていたい。

そんなお前の胸の中で私はどんどん女に戻っていく。


そして二人は以前の生活に戻った。

アンドレはローラン商会での仕事に行き、オスカルは家で家事をしてアンドレを待つ毎日に。

一度侯爵家のじいのロイスが尋ねてきてオスカルへの失礼をわび、侯爵から直接謝りたいといわれたがオスカルは謝罪は私にではなくアンドレにしていただきたい、と返答した。


そして、アンドレが事務所で書類整理をしているときに、クレマンソー侯爵が尋ねてきた、とジュールが伝えに来た。

そのうち来るだろうとアンドレは覚悟していたが、どうなることだろうと不安もあった。

客間に通されている侯爵のところへアンドレは行ってみると、見る影も無くしょげた侯爵の姿が眼に入った。

アンドレは侯爵に声をかけた。

「今日はどのような御用でしょうか?」

「実は、オスカル嬢からお聞きだと思いますが、先日無礼なことを言ってしまいました。」

「オスカル嬢に謝罪しようにも会っていただけず、貴方に謝罪するべき返答されて、ここまで来ました」

「貴方達を身分違いだと、そしてオスカル嬢に・・・その・・・言い寄ってしまい申し訳ない・・・」

「俺のような平民に謝罪とは、貴方のような貴族がですか?」

侯爵は貴族階級に生きてきた人だ、平民に謝罪するなど有り得ない、それが何でここまでオスカルにこだわるのだ。

「オスカル嬢は私のミューズだった、あの美しい姿を見ればどんな芸術家でも描き出したいと思うだろう、嫌われたくは無い」

「君の婚約者だと知っても惹かれてしまい手に入れたくなってしまった、それは彼女を愛している君にならわかってもらえると思うのだが」

「あの美しさを最高に引き出したいと思うのは当然ではないだろうか、君だって舞踏会での彼女の美しさを見ただろう、あのような美しい人を庶民の生活の中に埋もれさせるのは勿体無いとは思わないのかね?」

この男はオスカルの美しさに魅了されているのだ、だがオスカルは飾り人形には出来ない女性だというのに。・・・

「貴方はオスカルの姿形しか眼に映っていない、俺は彼女があのように美しい女性だから愛してるのではなく、魂ごと愛している」

「軍服を着ているときでも関係なく彼女を愛していた」

「確かに舞踏会でのオスカルは美しかった・・・けれど俺にはいつも家で俺を迎えてくれるオスカルの姿のほうが美しく見える」

「それは、俺のために料理を作り、俺の帰りを迎えてくれる姿だから、どんなに華やかなドレス姿のオスカルよりも俺はあの優しい姿のオスカルのほうがずっと好きだ」

そしてあの姿は俺の妻になろうとしてくれた姿だから・・・

「私には惜しいとしか思えないが、ともかくオスカル嬢の言うとおり君には謝罪した、また会えるときは良しなにお願いする」といって侯爵は出て行こうとした。

しかし、アンドレは素早く侯爵の襟首をつかんで壁に貼り付けた。

侯爵は驚いて

「何をする!」

しかしアンドレは顔色も変えずに侯爵に詰め寄った。

「もうひとつお願いがあります」

「侯爵、もう二度とオスカルに手を出さないでいただきたい」

「無論オスカルを貴方に会わせない、それを許す俺ではないことを覚えておいてほしい」

アンドレの様子が豹変したことに侯爵は恐れを感じ

「手を離したまえ、私は侯爵だ、君達庶民とは違う」

「そうだ、しかしここはパリではない、しかも以前よりも貴族の権力は落ちてきている、あまり無謀なことをすると庶民の反感を買うだけだ」

「それに、俺は軍隊にいたこともあってね、平民だが剣も銃も使いこなせる、もしオスカルにこれ以上しつこくするようなら黙ってはいない」

「そのことでローラン商会にいられなくなっても俺はかまわない、彼女を守るためなら俺は何でも出来る男だということを覚えていたほうがいい」

その言葉に侯爵は思わず冷や汗が出た。

アンドレが侯爵から手を離すと急いで彼は出て行ってしまった。


その後アンドレはいつものように仕事に戻り、何食わぬ顔をしてオスカルの待つクロエの下宿屋の自宅へ帰った。

扉を叩くといつものようにオスカルが笑顔で出迎えてくれた。

「おかえりアンドレ」

オスカルに口付けして抱きしめる。

家に戻って最高に幸せを感じる時間だ。

オスカルのいるこの幸せを守るためなら何でも出来る!

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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 4

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2015/11/13 (Fri) 19:34

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2015/11/13 (Fri) 20:36

うさぎ

Re: No title

N様アンドレがこういうとさまになってカッコいいです!

彼は本当に軍隊にいたからそこいらの男より強いでしょうし、背も高い!(上から見下ろされてしまう)

果樹園の暮らしは似合いそうだなって私も思いました。

いつもありがとうございます。

2015/11/14 (Sat) 21:39

うさぎ

Re: No title

Y様そこは笑うところでは・・・しかし、私も笑ってしまいました(汗)

オスカルとアンドレの夫婦像はまさに理想ですからね~、お互い目指して頑張りましょう!(Y様ガンバ!)

やはりオスカル様の農作業似合うのですね、何でだろう?

ミミズや虫は内心恐いのではないですかね、頑張りやだからこらえながらくわ振ってそう。

2015/11/14 (Sat) 21:44