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うさぎ

ショコラの涙②

セラヴィで音楽の練習をする以外にも俺達は一緒に過ごしていた。

最近では俺の住むアパルトマンにもオスカルは出向いてくるようになった。

ここはアパルトマンというよりアランやベルナールも一緒に住んでいるシェアハウスだ。

俺達は二人で話していたり、昼食を一緒に食べたりして過ごす。

ピザを頼むときもあるが、たまには俺が得意のカルボナーラやシチューを作って一緒に食べる。

オスカルは助手役だ、たまねぎの皮むきをさせたり、芋の皮向きなど横にいて教えてやったりする。

はじめは横で見ているだけだったが「私も手伝いたい」と言い出していつの間にか参加するようになったんだ。

お嬢様で料理などしたことがないオスカルだが、真面目な性格ゆえに覚えは早い。

そのうち一人でもできるようになるだろう。

そして出来上がった料理を一緒に食するのだが、最初はオスカルは俺が食事中でもべらべらと話しかけるのが不思議そうだった。

オスカルの父親は食事中は必要以外の会話はしない人だそうだ、食事する時は静かにしないと行儀が悪いといわれていたのだ。

だから食事というものは腹の中を満たすだけの行為だったのだが、俺と食事するようになって初めて食べる以外でも食事は楽しいものなのだと知ったという。

今ではオスカルも庶民的な食事の仕方になれてきて、自分からも進んで会話するようになった。

二人で食事をして皿を洗うときも二人で一緒だ、俺が洗ってオスカルが皿を拭いていく。

二人でなら片付けしながら今日の料理はどうだった?などと聞いてみるのも楽しい。

こんな風に二人で家事をしていると何だか新婚みたいだ。

俺とオスカルはもう結婚していて、もうすでに赤ん坊もいる。

赤ん坊が眼を覚まし、泣いて俺達を呼ぶのでオスカルが抱っこして俺がその横であやしている、そんな風景を想像してしまった。

俺とオスカルと赤ん坊、俺の家族。・・

いつかそんな日が来れば・・・


俺が家族がいないことをオスカルに告白して以降、オスカルと俺は今まで以上に絆が強くなった気がする。

俺達はお互いが足りないものを補える唯一の相手だ。

だから一緒にいることが自然で幸福なんだ。

互いが唯一無二の存在、俺達はそんな関係だ。・・


そんなある日オスカルがアンドレの家に来ていたときだった。

アンドレが「先日音楽プロダクションから誘いがあった」と伝えてきた。

「!・・」

「音楽プロダクションの人が、俺のステージを見に来てくれたんだ、それでうちと契約しないか?と誘われた」

「アンドレ!すごいじゃないか!いよいよメジャーデビューか!」

「いきなりデビューは出来ないよ、これからボイストレーニングとかピアノのレッスンで忙しくなる」

「しかしお前と合える時間が減ってしまうが、かまわないか?」

アンドレの言葉はオスカルにとってそれはショックだ・・けれど彼のプロへの夢を叶えてほしいと思うのも真実だ。

「アンドレ私ならばお前と少しくらい会えなくても我慢する、お前の夢のためなのだから」

「オスカル、寂しい思いをさせるかもしれないが俺はプロ歌手になってお前に少しでもふさわしくなるよ、それまで待っていてくれ」

「わかっている、私は大丈夫だ」

「それと、今度ミニライブコンサートを開くことになった」

「プロダクションからの提案で、本格的なデビューをする前に事前にファンを増やしていくプランだそうだ、俺はセラヴィでライブは慣れているから丁度いいといわれたんだ」

「小さなホールを借りてのコンサートだから客の人数は知れてるけれど、俺の初コンサートだから、お前も見に来てくれ」

「それはすごい!もちろんだ、お前のコンサートなのだから絶対行くぞ」

アンドレがいよいよプロの道を歩みだしたのだ、それは二人の夢でもある。


しかし、オスカルも屋敷に帰ってエステルから驚くことを聞かされた

エステルは父の秘書の一人でオスカルの女優としてのマネージャーでもある。

「オスカル、お父様が明日アメリカからお戻りになられるわ」

「父上が・・・もう戻ってこられるのか・・」

オスカルの父ジャルジェ氏は、エステルからアンドレとのことをいろいろ聞いているはずだ、だとしたら彼との付き合いを快く思ってはくれないだろう。

父は名門の家の令息を婿に取り、家の跡を継がせるつもりなのだから。

だが、何としてもアンドレとのことを認めてもらわねば、もう彼とは離れて生きられない。・・・

オスカルは不安な気持ちでその夜を過ごした。

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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 3

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2016/02/01 (Mon) 17:29

うさぎ

Re: タイトルなし

P様いよいよです!

最大の難関をどう対応するのかお楽しみに!

2016/02/02 (Tue) 16:04

うさぎ

No title

T様、私は物語をある程度出来てからアップしてます。

それというのも、物語が途中で完結しないで止まっているのは楽しんで読む側にとって辛いので。

このブログを作る際に物語を始めたら出来るだけ最後までやろう、と決めていました。

それに物語を完結してあげたいんです。

私がどの物語にも愛着感じるのは最後までやりきったからだと思えるんです。


他の二次創作作家さん達、本当に素晴らしいです。

文章が美しくて私なんて恥ずかしいです、ライトライトな文章なので。

けど、それでもいいって言ってくださるのでやっていけています。

励ましありがとうございます、頑張ります!

2016/02/02 (Tue) 16:20