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うさぎ

ショコラの涙⑨


アンドレはジャルジェ家からシェアハウスに戻り、アランに連絡を取った。

アランはすぐに出た。

「アンドレか、ジャルジェ卿に会ったのか?」

「ああ、お前の言ったことがわかったよ、時間が無いっていった意味もな」

「上流社会では、娘を持つとどんな男と結婚させるかが最重要だ、若く美しいときに条件の良い家の息子と添わせる、ジャルジェ家のような資産家なら、オスカルが大学を卒業するまでに婿を決めようとするだろう、だからお前が求婚者になるには早急にスターダムにのし上がるしかないんだよ」

「全く金持ちってやつは、自分達を特別な存在だと勘違いしてるからな」

アランのいうことは正論だ、俺はもうなりふりかまってはいられないのだ、オスカルを得るためには。

「わかったのなら、俺のプロデュースどおりにやってもらう、わかっているだろうが、しばらくオスカルとは会えないぞ」

「わかった、・・オスカルに説明する時間をくれ」

辛い決断だが仕方ない。・・・


そしてオスカルもその頃、屋敷で父と夕食の時間だった。

オスカルとしてはアンドレははっきりと父が何を言ったかを告げなかったが、彼の意気消沈ぶりを見ればきつい言葉を言ったに決まってる。

それが気になり、父に質問してみた。

「父上、アンドレと何を話したのですか?」

「やつから聞いておらんのか?」

「アンドレは父上が私達の交際に反対されたとしか言いませんでしたが、私はそれだけではないように思えました」

ジャルジェ卿は、あのアンドレとかいう若者、探偵を雇ったことをオスカルに言わなかったとは、彼はそれだけオスカルのことを考えているのか、と思いながら

「あやつは、アンドレは財産が無いだけでなく両親も兄妹もいない天涯孤独の身だそうだな・・・それを探偵を雇って調べさせた」

「そんな君にはオスカルをやるわけにいかないと伝えた」

オスカルはショックを受けた、まさか父がそこまでするとは・・・

「何ということを!それで彼がどれだけ傷ついたか!」

「いずれわかることだ?それにお前と付き合いたいという男なら身元を調べるのは当然だ」

「オスカル、彼のことはあきらめろ、やつは我がジャルジェ家とはつりあわん、お前の婿は私が決める」

オスカルは父の言葉に耐えられなくなってしまった。

「父上はいつもそうだ・・・私のためのようなことを言って結局ジャルジェ家が大事なだけではないですか」

「私を跡継ぎにしようと屋敷で英才教育をし、しかし所詮女では跡継ぎは無理だとあきらめ、ジャルジェ家の名誉回復のため女優デビューさせた、今度は婿を取って跡継ぎを生ますために婿を取らそうと・・」

「そして今度は私からアンドレまで奪うおつもりか・・・」

そんなオスカルの嘆きも父には届かないようだった。

「お前はこの家に生まれた、贅沢な暮らしもこの家の資産があればこそだ」

そのためにアンドレを傷つけて・・・

オスカルはもうここにはいたくない、いっそ出て行ったほうが自由になれると思った。

「では、この家を出ます、全ての財産も放棄すれば私は自由なのでしょう」

しかしジャルジェ卿は

「だからお前は世間知らずだというのだ、贅沢な暮らしをしてきたお前に何が出来る、彼のところにこのまま行ったところで貧しい暮らしに耐えられるはずがない、」

「お前に比べるとまだ彼は大人だ、彼はお前に貧しい暮らしをさせないために歌手として成功した暁に再び来ると言っていた」

「そしてそのときこそ私も彼を求婚者として迎えようと約束したのだ」

アンドレがそんなことを!


オスカルは父の言葉に傷つき、部屋で考え込んでしまった。

アンドレと話したい・・・彼はどう考えているのだろう?

そんな時、携帯が鳴った、アンドレからだ。

急いで取って「アンドレ、私だ」というと「オスカル・・・話がある」と深刻な声でアンドレが答えた。

アンドレの声の調子で深刻な話だとすぐにわかった。

「明日、公園で待ち合わせしよう、大事な話があるんだ、直接会って話がしたい」
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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 2

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2016/02/08 (Mon) 16:07

うさぎ

Re: タイトルなし

P様がこういう展開が好きで良かったです!

こーいう悩める展開が嫌な人もいますから、何かしら試練が降りかかるこの展開が。

アランのマネージャーぶりお楽しみに。

P様も毎回来てくれてありがたいことです♪

2016/02/09 (Tue) 15:40