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うさぎ

ショコラの涙21

アンドレとオスカルの二人はホテルの最上階の部屋にいた。

公園で会えた二人はそのままホテルに直行した。

もうすっかり日が暮れて窓の外は夜の景色だ。

オスカルは窓の外の景色を眺めていた。

空には星が見えるが、それよりも眼下に見えるネオンの夜景のほうがキラキラと輝いて見える。

この景色は、以前アンドレが連れて行ってくれた山頂遊園地の夜景のようだ。

あの時は、こんな日が来るなど思いもしなかった。

こんなに想いを捧げる相手になるとは、な。・・

「どうした、オスカル何を考えている?」アンドレがオスカルに声をかけた。

「この都会の景色が、あのときの景色のようだなと思って・・・以前お前が連れて行ってくれた山頂遊園地の観覧車の景色だよ」

「そういえば、そうだな、あのときもこんな風に輝いていたな」とアンドレも気がついた。

「お前はあの時愛を告白してくれたんだ、」

「そうだな、もうあれから一年以上経ってしまった」

「あの頃お前はまだ新人女優だったが、もうすっかり主役をはれる有名女優だ」

「そしてアンドレお前は人気アーティストになった」

「まだまだお前の足元にも及ばないさ、いつ人気がなくなってもおかしくは無い」

アンドレは辛そうな顔になり、やがて決意したようにいった。

「オスカル、俺はお前にいわなくてはいけないことがある」

「俺は有名になるためにルックスを売り、そして・・21世紀のディーバと歌われるアリア・グレコとの噂を流して売名行為をした・・」

アンドレのアリアとの関係はオスカルにとって唯一気になることだ。

「アリアとは、どんな関係だったのだ?」

「アリアは・・・動画サイトで俺に興味を覚え、コンサートに出演させてくれた・・そしてその後も何度か食事やパーティーにいった・・」

「有名になるためにアリアと付き合い利用したんだ・・」

「アランがいうにはそれが早く売れる常套手段だそうだ」

「お前の実力なら、地道にやっていけば人気アーティストになれたはずだ、なのに何故?・・・」

やはりオスカルならそう感じるだろうとアンドレは思った。

「お前は女優なだけでなく、国でも有数の資産家の娘だ、そのお前を娶るには一刻も早く俺が売れる必要があった・・」

「上流社会では、資産家同士で婚姻を結ぶ、互いの家を発展させるために」

「お前はいずれ資産家の息子を選ぶように強要されるはずだ、ジャルジェ卿はお前に早く婿を取るよう考えていた」

「俺は資産も家柄もそして家族さえいない!そんな俺がお前を連れ去ったところで苦労をかけるだけだ」

「お前を誰にも奪われたくなかった・・資産家の息子でなくても有名アーティストになればお前に求婚が出来るのだろうか、お前を連れ去っていく権利が出来るのだろうか?」

「せめて俺に金があればお前を連れ出してやれる」

「そのためなら、プライドなんていくらでも捨てられたんだ・・・お前を手に入れるためなら、俺は・・」


彼の行動は私のためだった。・・・

けど、私はいやな女なのかもしれない、アンドレが私のためにプライドまで捨てた彼の行動をうれしいと思ってしまうなんて

そして彼が他の女性に心を移したのではないと知らされこんなに安堵している。

アンドレは心変わりしたのではなかったのだ。・・・

それなのに私は・・・

辛そうに語るアンドレの言葉を止めるようにオスカルは言った。

「アンドレ私のためならお金なんて必要なかったんだ・・・だって私はすでにお前のものだったのだから・・」

オスカルは語り始めた。

「お前がCDデビューして喜んでいたのだ、私を迎えに来てくれる日が近づいてくるようで。」

「それなのにお前とアリアが付き合ってるとエドガーに聞き、それでも信じなかったが雑誌の写真で二人でいるところを見たときは、傷ついてしまった。・・・」

「その後・・・映画人魚姫の撮影で崖から飛び降りるシーンがあった。」

「飛び降りて、これで撮影が終わったと安堵して、緊張の糸が解けた後、お前のことが思い出された。・・・」

「お前が他の女性と付き合っている場面を想像して悲しくなった・・」

「私を忘れて、お前は他の女性を愛したのかと思うと・・生きていけない・・と思った。」

その言葉でアンドレの顔色が変わった。
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Posted byうさぎ

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