FC2ブログ
うさぎ

異世界の恋人⑦

「・・・私はフェンリル国第一皇女だ、国のために生きる!それが使命だ!だから誰のものにもならない!」

「かまわない・・・君の側にいて、君を守れるなら俺の命を君にささげる!」

「君だけを愛し、守り、忠誠を誓う!オスカル、俺は君だけの騎士になる!」

アンドレの真剣な眼差しにオスカルの心は揺れ動く・・・彼を信じてよいのか?・・・いや・・・もう私は信じている・・・彼の心を・・・彼の愛を・・・

初めて女性としての心を揺り動かされ、戸惑うばかりのオスカルだった。


そして・・アンドレはオスカルを守るためフェンリルの兵士となった。

そのため、次の日から体を鍛え、ここでの戦闘機パイロットとなる訓練を行う。

人型兵器のパイロットは並みの兵士ではなく、本来エリートぞろいで、ほとんどが貴族の御曹司かよほどできのよい奴であったから、軍人であったアンドレでも簡単に搭乗はゆるされないのだ。

そこで、普段出撃するときは、装甲車に乗り込み、後ろから重機関銃で援護するなどして戦いに参加する、そうして徐々にフェンリル軍の兵士になっていったのだ。

兵士仲間も出来た、アランとピエールと言う。

アランは優秀で貧乏貴族だ、後ろ盾がいないのにも係わらず、人型兵器のパイロットとして活躍していた。

ピエールのほうは、優しい性格だが、兵士としての才能は平凡で装甲車の運転手に甘んじていた。

彼らはオスカルが指揮する部隊の兵士だ。

彼らとの会話でオスカルがいかに部下に慕われているか、そして彼女の現状がわかってきた。

このフェンリルの国王はオスカルの兄ヴィクトルで、最高権力者だが、必ずしも臣下が一枚岩では無い。

現在はオスカルが軍の多くを引き受けているから、ヴィクトルの力はそがれてはいないが、もしもオスカルが戦闘で、または事故で亡き者になったとすれば、ヴィクトル王の権力は縮小すると見られていた。

国民や軍の兵士に人気のあるオスカルは国民のアイドルのような存在で、彼女が兄のヴィクトルと並んでいるだけで、国民の信頼を深く勝ち取れる。

そしてどうやらヴィクトル王はオルトロスと和解を結ぶつもりらしいのだ。

しかし、戦争を進める考えの臣下も少なくは無い。

国民のことを考えるのなら意味の無い戦いはやめるべきなのだが、貴族とは、自分の領地を少しでも増やすことしか頭に無いらしい。

そこでヴィクトル王の懐刀であるオスカルを亡き者にすれば、形成は一気に戦争賛成派に大きく傾く。

それは何としても食い止めなければ、アンドレはそう心に誓うのだった。・・・

ある日、オスカルがアンドレに言った。

「アンドレ、お前はパイロットだったのだろう?シュバリエのような人型に乗りたくは無いか?」

「それはもちろん乗りたいさ、けど、人型は選ばれたものだけが乗れる機体だ、俺のような異界の人間が乗れるわけが無かろう」

「それが兄上がお前をかってくださってるようで、お前を人型のパイロットとして特別にお認めになってもよい、との許しが出た」

「ヴィクトル王が?」アンドレは意外であった、あのヴィクトル王は、自分を決して気に入ってはいない。

自分がオスカルの側にいるところを何度か王に見られたが、そのたびに王は気に入らぬ眼で見ていた。

多分自分はヴィクトルにとって大事な妹に近づく不振な異界の男としか映っていないのだろう、と感じていたのに?

「お前が乗る気であれば、訓練用の人型で、今日から練習してみるが良い」

「わかった、ヴィクトル王に俺からお礼を申していた、と伝えておいてくれ」

「ああ、今から兄上のところへ行くところだから、伝えておく」
スポンサーサイト



うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 0

There are no comments yet.