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うさぎ

マイリトルレディ22

「一体・・何を言っている?」

俺はようやく口を開いた。


だがオスカルはさらに告白を続けた


「初めてお前とであった瞬間私は予感した、私はお前を愛するだろうと」


「お前の優しげな黒い瞳に最初から不思議なほど魅せられてしまった」


「私の王子様はもうすでに大人の素敵な男性として私の前に現れた・・なのに私は悲しいことにまだ年端もいかない子どもだった」

「だから私は早く大人になろうとした。」


俺は未だに信じられずにいた10歳の頃からオスカルが俺に思いを寄せていたなんて・・


「俺はお前より15も年上だ・・」


「それがどうしたというのだ!お前は他の女性に眼もくれず、わずか10歳の私にあれほどの愛を与えてくれたじゃないか!」


「俺には家柄も資産も無い、お前にふさわしくないんだ」


「お前は私が一番欲しいものを持っている、その優しさと暖かさこそが私の手に入れたかったものだ」


「本当に・・いいのか?」


オスカルは俺の迷いを断ち切るように強く訴えかけて来た。


「ずっとずっと愛してた!」


「いつだって私の心はお前のものだったじゃないか!」


「アンドレ、私がお前以外愛するわけがないではないか!」

「10歳のあの時から私の恋は始まっていたのに」


アンドレ私は早く大人になる・・お前が一緒に歩いて自慢できるような、レディになる

オスカルはずっとあの時の誓いを覚えていてくれた。・・


それは、喜びと驚きを通り越して恐怖にも似た強い感情が胸の中にあふれ出した。

俺は、オスカルの言葉に涙が止まらなかった。

だけど、それでも必至で伝えた。


「オスカル、愛している・・愛していたんだお前を・・」

「ずっと言いたかったんだ、この言葉を・・お前を愛してるって・・」


それは決していえなかった言葉。

ようやく言えた言葉。

俺は堪らずオスカルが差し出した手を取り思い切り抱きしめてしまっていた。


「アンドレ、私はお前に追いつこうとしていたんだ・・」

「お前は・・私よりずっと背が高くて・・足が速くて、手をつないでいないとずっと前に行ってしまった。」

「私は、お前に追いつこうと、走って 走って 追いかけて 追いかけて ・・」

「そして、今やっと捕まえた!・・」


オスカルの言葉は俺への愛の深さを物語っていた。

そして俺達は始めて愛し合う恋人の口付けを交わした。

決して手に入らないと思っていた愛しい人

それが今俺の腕の中にいる

信じられない気持ちでオスカルをしばし抱きしめて幸せな余韻に浸っていた。


しかし、それでも不安が頭をもたげてしまった。

「本当に俺でいいのか?世間の噂の的になるかもしれない」


「なら、このまま二人で何処かへ行くか?」

オスカルはまたよけいな心配をとでも言うように笑顔で答えた。

「お前が気になるならこのまま旅に出たままでもかまわないんだ、私にはジュべルの屋敷はもうそんなに必要ではない」


あまりに自信に満ちて答えるオスカルに俺は驚愕した。


「アンドレ、私は今回コルベール出版社で主催した一般小説部門の新人賞を受賞した」

「・・それは・・おめでとう、オスカルすごいじゃないか!」

これには驚いた、コルベール出版社とはかなり大手の会社だ、そこの新人賞を取ったとなれば、オスカルの作家への道に限りなく近づいたということだ。

「クリスフォードにいたときからいろんな出版社の新人賞に応募して何度も落選していたがようやくだ」

「それに出版社から「マイリトルレディー」の続きを書いてほしい、との要望もあるんだ」

「マイリトルレディー?」

オスカルは少し照れながらも答えてくれた。

「私の受賞作のタイトルだ、以前お前に小さなレディーといわれたのはイヤだったけど、お前のレディーという意味ならかまわないと思ったんだ」


「お前に恋をした私の実際の体験を物語として書いた、アンドレ以前お前が言ってたことは本当だった、思い入れがあるものを描くと人には感じ入るものがあるんだ」


そしてオスカルは改めて真剣な眼差しで俺に訴えかけて来た。

「アンドレ私はもう女流作家として生きていくのだよ、だから紙とペンとお前さえいれば何も要らないんだ」

「社交界にデビューしたからといって私の何が変わるわけではない、誰に何を言われてもかまわない!15歳年上のお前を愛しているこれが私の本心だ」

そういったオスカルの顔は自信にあふれていた。

オスカルは社交界デビューだけでなく、作家としての人生も歩み始めていた。

彼女はお飾りではなく自分の道を切り開く人だった。

オスカルは俺が思っていたよりもずっと強く逞しいレディーに成長していたんだ。


俺がこの美しいレディーにふさわしい男かどうかはまだわからない。

だけどこれだけはいえる。

オスカルを世界一愛しているのは俺だ

その俺の愛をオスカルが求めてくれるのならその思いに答えたい

お前の影になり日向になって支えになって一緒に生きて行きたい

それが俺の生きる喜びでもあるのだから


「お前もオスカル・フランソワの物語を完成させるんだろう?それを私にも手伝わせて欲しい」

「お前と一緒に物語を作ってともに生きていく、それが私の夢だ」

俺は返答の代わりにオスカルに口付けで答えた。


これからも物語の続きを二人で描いていこう


オスカルとアンドレの恋の物語を・・

THE END



マイリトル





改札の前つなぐ手と手 いつものざわめき、新しい風
明るく見送るはずだったのに うまく笑えずに君を見ていた

君が大人になってくその季節が 悲しい歌で溢れないように
最後に何か君に伝えたくて 「さよなら」に代わる言葉を僕は探してた

君の手を引くその役目が僕の使命だなんてそう思ってた
だけど今わかったんだ 僕らならもう重ねた日々がほら、導いてくれる

君が大人になってくその時間が 降り積もる間に僕も変わってく
たとえばそこにこんな歌があればふたりはいつもどんな時もつながっていける

突然ふいに鳴り響くベルの音 焦る僕 解ける手 離れてく君
夢中で呼び止めて 抱き締めたんだ 君がどこに行ったって僕の声で守るよ

君が僕の前に現れた日から 何もかもが違くみえたんだ
朝も光も涙も、歌う声も 君が輝きをくれたんだ

抑えきれない思いをこの声に乗せて 遠く君の街へ届けよう
たとえばそれがこんな歌だったら ぼくらは何処にいたとしてもつながっていける
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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 23

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2016/05/15 (Sun) 16:09

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2016/05/15 (Sun) 18:33

あんぴか

No title

ああ、完結してしまいました・・・。( ;∀;)
正直もう少し・・・この世界の可愛いオスカルに癒されていたかった気持ちはありますが・・・
お二人が幸せでいてくだされば、それで十分ですね・・・
いつも楽しいお話をありがとうございます!
今後も楽しみにお待ちしています!(^^)/

2016/05/15 (Sun) 20:59

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2016/05/15 (Sun) 22:18

0402

オスカル様可愛いで~す

うさぎさん♡ステキな2人を描いてくださってうれしいで~す♡ありがとうございます。このストーリーがオスカルの新人賞なんですね!オスカルがアンドレと初めて出会った時から愛し始めていたという、素直でストレートな気持ちが好きです。またステキなお話、待ってまーす!いつも応援しています!

2016/05/15 (Sun) 23:34

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2016/05/16 (Mon) 00:26

うさぎ

No title

T様想いあってるお二人ですからね、お互いの気持ちがわかった時点で結ばれるのは当然なんです。

T様アップしてない時期どころかアップするようになってからも手直しなどで書いたりしてました。

アップする前には必ず見直しをするのでおかしいな、と思えば変更したりします、だから一話ずつしかアップできないんです。

また新たな物語書きたいですね、でも終わると次のがかけるのか不安になります。

でも書くと思います、結局物語を苦心しながら書いてアップして見ていただいて感想いただけるのが最大の楽しみになってる気がします。

いつも貴重なご意見ありがとうございます。

2016/05/16 (Mon) 09:52

うさぎ

Re: タイトルなし

M様今回も見に来てくれていたんですね(嬉しい)

そうなんですか、年齢がいくたびに差が無くなっていくものなんですね、特にこのお二人の場合は落ち着いたカップルになりそう・・それともアンドレが振り回されるかも・・

私のは全部ハッピーエンドだから、人によっては「またどうせ結ばれるんでしょ」と想われるかもしれないですね・・あはは・・

M様の望む結末でよかったです、また来てくださいね♪

2016/05/16 (Mon) 09:57

うさぎ

Re: No title

N様またもやハッピーエンドでした。

オスカルちゃん、成長著しいお子様でした、それもこれもアンドレからの愛情を一身に受けたからなのでしょうが、その愛に報いるべく成長を果たしたといっていいでしょう。

イラスト素敵だといってもらえてよかったです♪(いつもどんなのにするか悩むんで)

年の差あっても良かったですか?

自分で描いておいてなんですが、アンドレがオスカルちゃんに対する愛情って本当にいいなあって改めて思いました。

物語っていつの間にか勝手に動いていくんです。

N様はいつも心温まるコメントで私の心を癒してくださって本当に感謝です!



2016/05/16 (Mon) 10:05

うさぎ

Re: No title

AN様物語の完結にまさか泣いてくれるなんて(感激)

オスカルちゃん可愛かったですか?最後には大人に育ってましたが。

幸せになるということは最終回に向かっていくことですからね、お二人の幸せを喜んでください。

AN様いつも鋭い解説文ありがとうございました、読んでみて改めてふんふんと納得でした。

とても楽しんで読ませていただいてました、心の癒しです。

またお会いしましょう。

2016/05/16 (Mon) 10:15

うさぎ

Re: Happy end!!!!!!!

KA様素敵なお話といってもらえて感激です!

こんな年の差物語でいいんだろうかと不安な話でしたから。

オスカルちゃんの成長物語でもあるので、最後には驚くほどしっかりとした女性になるという話です。

KA様、ぞ、続編期待ですか?・・

2016/05/16 (Mon) 10:18

うさぎ

Re: オスカル様可愛いで~す

04様そうです、この物語自体がオスカルちゃんの新人賞を取った物語です、けどオスカルちゃん視点になりますが。

今回のオスカルちゃんは非常に素直で聡明なだけあってすぐにアンドレを運命の人と認識しました。

最後には若さでアンドレの不安を取り除いてしまう強い女性に成長しました。

いつも応援と、素直な意見ありがとうございます。

2016/05/16 (Mon) 10:23

うさぎ

Re: もう終わりですか。

AI様そうです、無事終わりました。

いつも楽しみにしていただいてるなんてうれしい限りです、頑張った甲斐があるというものです。

水野英子さんの「セシリア」実は私も読んだことがあります、かなり古い本で偶然眼にしましたが、印象的な不思議な話でしたね。

ラストが悲しかったのでよけい心に残ったのかも・・(悲しいラストって心に残るからたまにやるべきかなと誘惑にも駆られたりして)

小さな女の子が素敵な年上男性に惹かれるってありですもんね、特に今回アンドレは並々ならぬ愛情をオスカルちゃんに注ぐことで彼女の心をわし掴みにしました、その前からもですが。

反対にアンドレの切なさは際立ったかもしれません、15歳差は大きいです。

アンドレの傷心旅行のところは彼のオスカル様への愛情の美しさを描きたいと熱が入りました。

それがAI様に伝わったようでうれしいです。

また新作が出来ましたら来てくださいね♪

2016/05/16 (Mon) 10:34

うさぎ

No title

H・R様もしかして椿姫のようなラストを想像しましたか?(まさかね)

H・R様はオスカルがアンドレに恋していることをかなり初めの頃からわかっていたようですね。

あれを子供の独占欲とみるか運命の恋人への嫉妬と見るかで違いますが。

し、しかし体内GPS機能まで登場するとは!その後は棒でかなりお安くなって(爆笑)

でもそうなんです、探偵やとっても良かったけど、それは見つからなかった場合に置いといて、このオスカル様は愛しい彼に自ら向かっていくんです。

いつも見に来てくれてありがとうございます!

2016/05/17 (Tue) 18:32

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2016/05/18 (Wed) 22:54

うさぎ

Re: No title

S様お久しぶりです、昨年の8月から今まで愛読してくれていたなんてとってもうれしいです!

赤毛のアンの中の「ベティの教育」検索して大体の内容見てみましたが、そんなお話あったんですね。

私赤毛のアンは読んでないんです、冒頭を読んでみたら、そこの人々とか景色とかがずっと流れていく感じでなかなか話が進まないので一巻も読めずに挫折しました。・・(私は次々と展開する話が好きなので、ようするにイラチなんですね)

だから「ベティの教育」も今はじめて知りました。

なのにお母さんの名前もセーラで同じなのにビックリ!いや~、恥ずかしいな~あんな名作と(読んでないけど)

「マイリトルレディ」好きになってくれて本当にうれしいです、これだけ年齢が離れていれば違和感あるのは当然なんです。

だから出来うる限りお二人の心がふれあっていくように描きたかった。

15歳離れていても、こんな二人なら惹かれあってもおかしくない、と感じてもらえるようにしたかったんです。

S様夢シリーズが一番好きだといってもらえたのは感激です、だって現代版だし、原作の片鱗もないオリジナルのストーリーですから。

もちろんオスカルアンドレだからってのはわかってはいてもうれしいです♪

夢シリーズもオリジナルが強すぎるし派手さがないので私は好きだけど、他の人から見ると退屈かもしれないと思っていた物語です。

でも、時間がたつごとにたまに名前をあげる人が出てきてくれました、S様みたいに。

やはり気持ちを込めて作れば通じるものがあるんでしょうか。

また頑張って作りますね。S様ありがとうございます。

2016/05/19 (Thu) 12:54

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2016/05/20 (Fri) 21:47

うさぎ

Re: ありがとうございました

Ch様マイリトルレディーにおなか一杯になってくれましたか。

ジェローデルの名前は偉大ですね、彼が求婚したって聞けばどよめきたちましたもん。

真実味が増すんでしょうね。

結局こうなるだろうと思っていてもハラハラドキドキするもんなんだと皆さんのお話でわかったから安心して書いていけるんです。

しかしCh様、身近に年の差カップルがいたのですね、(笑)

マイリトルレディのお二人もこの年までともに生きて幸せになってもらいたいなあ・・

2016/05/21 (Sat) 02:21

コンパニデサント

マイリトルレデイ、可愛い

こんにちは。マイリトルレデイ、読ませていただきました。最初、設定の意外性におっ、と思いましたが、読み進むにつれ、不自然じゃないんですよね、アンドレのこの優しさ。頑なだったオスカルちゃんがどんどん心開いていく過程がとてもナチュラルですね。ラブシーンはないけど、このゆっくりとした、恋の行方がとてもこの二人にふさわしい。実は私も大人アンドレとリトルオスカルの絵をリクエストされて、描いたことがあって、すごく親しみを感じさせていただきました。なんだかなごむ組み合わせですよね。ゆっくりと育ててあげてください。私も今日やっと一話が完結しました。やれやれ。最後になりますが、挿し絵画もとても合っていると思います。だんだんに子供からレディになってる!私は実はドレスを描くのがすごく苦手。可愛いです!
ゆっくり読むたいぷなので、またひょっこりおじゃましますね

コンパニデサント 拝

2016/06/09 (Thu) 17:07

うさぎ

Re: マイリトルレデイ、可愛い

CO様マイリトルレディ見てくれたんですね、この年の差カップル、はじめは違和感あるかなあ、と散々心配していたんです。

そのため、書いてた2話だけ短編にアップしたところ、意外に続きが読みたいといってくれた人が何人もいてくれて、頑張って続きを書いてみました。

これだけ年の差あるとラブシーンは無理なので、とにかくアンドレの包み込むような愛情の深さで勝負するしかないと思いました。

それを受け入れてもらえたようなので、感激です。

CO様も大人アンドレとリトルオスカルの絵書いたことあるんですか、私もラストの挿絵、これはこれでよかったと思うものの。

何故か、大人アンドレとリトルオスカルが頭に浮かんで二人を書いてみたい衝動があります。

だってこの物語のお二人の愛はオスカルの子供時代にはぐくまれたのですから。

ドレスは確かに大変ですよね、私も苦労しました。

またお待ちしています。

2016/06/10 (Fri) 18:58

コンパニデサント

よろしければ~

コメントありがとうございます。あ、あの~もしよろしければ、pixiv内の私の作品で、
大人OAとチビOA の詰め合わせ
2015年12月12日投稿の作品、見ていただけますか?
本当に、親しみをかんじたんです。

すみません!押し売りみたいですが、うさぎさんに見てほしい。
失礼しました。

コンパニデサント 拝

2016/06/10 (Fri) 21:38

うさぎ

Re: よろしければ~

CO様お誘いありがとうございます。

いずれ観にいかせてもらいますね、今は次の作品に悩み中なので落ち着いたときにまた。

2016/06/11 (Sat) 15:16

うさぎ

No title

MIⅡ様マイリトルレディのアンドレは後見人であり保護者ですから、その立場を逸脱してはいけない想いでした。

しかもオスカル様が15才下となると自分への恋心は幼い頃の幻かと考えてしまうんです。

だからいつもとは違う悩みですね。

2017/01/18 (Wed) 16:44