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うさぎ

いつか何処かでめぐりあう①

①からになっていますが短編の中にある「いつか何処かでめぐりあう」①②③の続きです。

「それで、これからどうしようか?」

「実は観にいきたい絵画展があるんだ、そこへでもいいかな?」

「もちろん」とアンドレが行ってくれたので二人は出かけた。

絵画展はパリの中心街にあるギャラリーで開催されていた。

ギャラリーの中はなかなか盛況でかなりの客がいた。

絵は印象派の画家で見るからに綺麗な絵だ。

「私はたまに絵画展を見に来るのだが、見たいと思うのはいつも印象派だな、モネなど好きなんだ、抽象派は理解できないからな、だからピカソなどは苦手な部類だ」

しかし、アンドレが答えたのは

「確かに抽象派は意味不明なのが多いが、中には圧倒的な存在感を感じられる作品もあるよ、俺も絵画を見るのは好きだからたまにそういうのも出くわす」

「そうなのか?ではお前のホテルで飾る絵画は抽象派ばかりなのだろうな?」

「いや、全て印象派だ、抽象派の困ったところは、見る人によって良さを感じられない人もいるだろう、印象派だと綺麗な景色は誰が見ても綺麗だから便利なんだ」

「何だ、偉そうに抽象派好きを論じるからホテルはさぞかし理解不能な芸術の館なのだろうな、と期待していたのに」

オスカルの言葉に笑ってしまいながらアンドレは答えた

「好みと実益は違うということさ、でも俺も美しい印象派は好きだ、見るからに美しいものは人をひきつけずにはおられない・・・」

そう俺の隣にいる人がまさにそうだ。

美しい横顔美しい金髪、彼女こそ絵画の中に存在する女性のように神秘的だ。

オスカルは沢山あるなかの一枚の絵に注目した。

それはある貴族の館を描いた絵だった実はオスカルは事前にその絵の存在を知り、見たいと思ってここへやってきたのだ。

まるで自分が長年住んでいたように懐かしさを感じる、この屋敷にはそう思わせる何かがあった。

だが、その絵をこうして旅先の男性と見に来ることになるとは。

しかし、その旅先の男性といるのは何故か自然に落ち着くから不思議だ。

しばらく二人でその絵を眺めて、そのほかの絵も一通り見物して落ち着いた頃オスカルはアンドレが退屈してないかが気になった。

「つきあってくれてありがとう、退屈したのではないか?」

「いや、絵を見るのは俺も好きだ、それに君が注目した絵はいい絵だったよ、買わないのかい?」

「いい絵なんだが、どうもためらってしまう・・・」

「では、せっかくパリに出てきたのだから近くの名所を見学しよう」

そういって二人はエッフェル塔、凱旋門、シャンゼリゼ通りを一通り眺めて歩いた。

「ルーブルへは行かないのか、パリに来たなら是非見ておきたいところだろう」

「それはそうだが、ルーブルへ行けば、満足して見学するのに三日はかかると聞いてね、俺としてはせっかくの休暇の多くを美術館通いに使いたくは無い」

「それならこうしてマロニエの並木道を歩いているだけで満足だ、それもこんな美しいモデルが一緒だなんて贅沢もいいところだ」

アンドレの言葉はお世辞なのだと自分に言い聞かせてみるが、彼は本気のようで、見るからに楽しそうなのだ。

「本当にこんなので楽しいのか?」

「ああ、楽しいよ、今最高に楽しい!」

「そんな大声でいうな、人が見る!」

「ああ、悪い悪い!でも本気だよ何でかな?憧れのパリに来たからかな?それとも君に会えたからかも?」

本気で楽しそうに言う彼、真面目そうな彼がはしゃいで言うといわれたこちらのほうが恥ずかしくなる。

「アンドレはしゃぎすぎだ、お前は少し冷静になるべきだ」オスカルは恥ずかしをごまかすように真面目に言ってみた、だけどいつのまにか親しげな言い方に変貌していくのが自分でも感じられた。

「冷静になるには・・・酒を飲むに限る!」

「何でそうなるんだ?君が飲みたいだけじゃないのか?」

「いいから!近くに私のいきつけの店がある、そこで乾杯しよう、憧れのパリに」

オスカルはアンドレと飲んでみたい気持ちになった、彼といると何故か自然な自分になれる、だから一緒に酒を飲んだらもっと楽しくなるのだろうか?いつも私は何処か冷めたところがあるが、彼が相手ならどうなのだろう?


オスカルのいきつけの店は灯りが薄暗くてバーのような店だった。

しかし、食事も出来るし、酒の種類も豊富でお気に入りの店のひとつだったのだ。

まさか、知り合ったばかりの男性を連れてくる気になるとは。・・・

二人はワインを注文して料理も何品か頼んだ。

文句無くおいしい料理と酒のせいで、二人は早くに酔いが回ってきた。

「アンドレお前一人で旅行など来て、彼女などはいないのか?」

「そんな人はいないよ、いれば一緒に来ている、そういえば俺はあまり異性に関心が薄いほうだと思う」

「何でだ?お前は結構いい男なのに女性に関心が無いとは勿体無い」

二人は酒でいささか酔ったせいか、お互いの恋愛の話になった。

「う~ん、そうだな、女性に興味が無いわけではないんだ、出来ればステキな彼女が出来て結婚して一緒にホテルの経営をやっていければいいんだが」

「何故か気になる女性が現れなかったんだ、何度か付き合ったことはあったが好きだと思えなかった・・・」

「オスカルお前こそ、恋愛はどうなんだ?モデルをやっていれば誘惑も多いだろう」

いつの間にか二人はどんどん親しい口調になっていき、お互いの名を気軽に呼び合っていた。

「私か?私も恋人と呼べる人はいないな・・・確かにモデルをやっているからいろんな人の誘いは受けるが・・」

「というか、私にはいつか結ばれるべき人が私の前に現れる、昔からそんな予感がしていた」

いつの間にかオスカルは昔から自分にある予感を話てしまった。

「確信があるわけではないが、運命の人が現れるのを待っていなければいけない気がするんだ」

オスカルはまだあってもいない人に思いをめぐらせていた。

「そうか、君のような人に待ってもらえるなんてその彼はラッキーな男だ」
彼女が待つ男とはどんな男なのだろう、こんなステキな彼女にまだ会わないうちからこんなに思われるとは果報物な男だ。

その後も二人は飲み続けた、楽しい酒は酔うのも早い、いつの間にか二人は意識を失うほど飲んでしまった。

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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 3

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2016/06/12 (Sun) 07:59

うさぎ

Re: 不思議なのですが

SA様違和感ないですか、良かった。

絵画のことは、考えましたがあれだとオスカル様の顔そのものだから、話がややこしくなりそうで。

それと、私はあまりあの絵は好みではないんですよね。(汗)

この先の展開はどうでしょう、気に入ってもらえるかなあ・・

2016/06/12 (Sun) 16:07

うさぎ

No title

T様本当にいつも見に来てくれますねありがたいことです。

もちろん書いていましたよ、妄想が続く限りは。

二人のやり取りが中心の話ですのでこれが楽しめなければ面白くない話になりそうです。

今回ゆっくり書いてたので大丈夫です。

またよろしくお願いします。

2016/06/12 (Sun) 16:11