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うさぎ

いつか何処かでめぐりあう⑥

二人は公園での昼食が終わった後買い物に出かけた。

アンドレは買い物になれていて、市場のおばさんに気軽に話しかけていく。

「マダム、このオレンジとりんごとイチゴとキウイとバナナを買うからレモンをひとつおまけしてくれないか?」

「アンドレそんなに沢山果物を買っても一度に食べられないぞ」

「大丈夫だよジュースにしてやるから、お前モデルなんだから美容と健康のためにビタミンは豊富に取っておくべきだ」

「あんた達新婚さんかい、奥さんの美貌を保つために果物を勧めるなんてお熱いね」

オスカルは新婚といわれて否定しようとしたがアンドレが先に返答した。

「そうだよ、妻の美貌は何より大事だからね、だからおまけしてくれないか」

「若いのに交渉が上手いね、じゃあ、レモンとりんごをおまけしておくよ」

「ありがとう、マダム感謝するよ」

果物屋のおばさんは買った果物をアンドレに渡すと、唖然としているオスカルに話かけた。

「一緒に買い物に来てくれてあんたにジュースまで作ってくれるなんていい旦那さんじゃないか、おまけにいい男だし、お似合いのカップルだね」

「そ、そうだな、感謝せねば・・」

オスカルはアンドレにあわせておばさんの言葉に同意してその場をしのいだ。

他の店に移動しながらオスカルが文句を言った。

「アンドレ、誰が妻なのだ、いつ私達は新婚の夫婦になったのだ」

しかしアンドレは気にするでもなく返答した。

「ああいうときは相手に話を合わせるほうが交渉が上手くいくんだ、おかげでりんごとレモンをおまけしてくれたろう」

「まあ、そうだが・・」

その後も肉や野菜を買う際にも彼はこのような買い物に慣れていると見えて楽しそうに話しかけていく

彼は自然にその場に溶け込む雰囲気があるようだ、誰もが彼と話すと楽しそうに受け答えしてくれる。

肉や野菜やパンも買って二人は買い物袋を下げて歩いた。

「食材も手に入ったから今日は鶏肉の白ワイン煮込みとパスタサラダとオニオングラタンスープでどうかな?」

「そんな手の込んだ料理を作るのか?」

「料理とは少し手間をかけると驚くほど美味くなる、それを味わうのが人生の喜びってものだ」

「お前のやることには何かしら意味があるのだな、」

「少しくらい苦労してもそのあとにお楽しみが待ってるならやりがいがあるじゃないか、最後に幸福が待ってると思うから料理は楽しいんだ」

彼が料理でも掃除でも楽しそうにこなすのは、こういう考えに基づいているからなのか、彼といると私まで影響されてもっと料理を頑張ってみようかなどの考えが浮かんでくる。

いつの間にか彼のペースにはまってしまっている、何だか変だ。

そしてアパルトマンに戻ると彼は買った食材をキッチンに並べて早速料理を始めた。

私はというと、客人が夕食を作ってくれようとしてるのにサボるわけにも行かず、再び彼を手伝った、昨日は食器を並べるだけだったけど今度はもう少し役に立とうと努力した。

しかし、料理初心者の私は野菜の皮をむくのでも彼にいちいち教えてもらってやるしか出来ない。

だからあまり戦力になっている気がしないのだが、それでもアンドレは根気強く教えてくれた。

肉や野菜が刻んだり焼いたりしていくと段々と美味しそうな料理になっていく、不思議なもので少しでも自分が手伝ったと思えば愛着がわき、段々と出来ていく過程が面白くて魅入ってしまった。

それに彼はバナナ とイチゴとキウイとりんごをミキサーにかけて約束どおりフルーツジュースも作ってくれた。

出来上がった鶏肉のワイン煮込みとパスタサラダとオニオングラタンスープとパンとチーズをキッチンテーブルの上に並べていく、自分も手伝ったのだと思うと何だか感動だ。

彼と私は向かい合わせに座り「いただきます」をして一緒に食べることにした。

新鮮なフルーツジュースは飲みやすくてとても美味しい。

「うん、美味しい」

「そうか、良かった、お前二日続けて酒を飲みすぎてるからな、休刊日にしてフルーツジュースで胃を休めるといい」

そうか彼は私の体調を考えてジュースを作ってくれたんだ。

こんなに他人に気遣ってもらうのは初めてだな・・


「今日はお前も手伝ったから昨日のより美味く感じるはずだ」

「お前と俺で作ったのだから美味しく作ろうと思う気持ちは2倍だからな」

彼の言うとおり、料理ももちろん文句無く美味しいのだ、、メイドが作ってくれた料理より一流レストランより美味しく感じるのは彼の言ったとおり一緒に作った料理を食べているせいだろうか?

「しかし、オスカルお前もう少したまねぎを薄く切るようにしろよ、分厚すぎてなかなかたまねぎがいい具合に炒まらなかったぞ」

「仕方ないだろう、私だって必至だったのだから」

「まだまだ修行が足りないな、今度は何を作ろうか?」

「お前はプロヴァンスからわざわざ私に料理を教えに来たのか?少しは旅行者だという自覚を持て」

「そういえばそうだったな、あんまりお前がほっとけないタイプなんで、ついおせっかいを焼いてしまうんだ」

そんな彼の言葉に笑ってしまった。

自分は旅行者なのに、こうして他人のアパルトマンで料理を教えて満足しているなんて変なやつだ。


彼は生活を楽しく過ごす名人なのだろうか、彼といるとこんな楽しみ方もあるんだと気づかされてしまう。

「それにお前は俺の作った料理を本当に美味しそうに食べてくれる、その顔が見たいのかもな・・」

アンドレにそういわれて驚いた、私は普段あまり食べることに執着が無かった、もちろん食事はとるが腹が減るから食す、ある程度の味で満足感を得られればいい、そんな考えだった。

だけど、彼とこうして食事を取るようになってから実に良く食べている。

彼の料理の腕がいいから、ついつい食べてしまうのではあるが、理由はそれだけではないような気がする。

彼とおしゃべりしながら食すと余計に美味しく感じていつもより食欲旺盛になってしまうんだ。

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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 7

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0402

こんな旦那様♡ステキです!

うさぎさん♡こんばんは~&お久しぶりです!相変わらずアンドレはステキデスね♡♡♡♡♡前回のミュージシャンもステキでしたが、今回はホテルのオーナー♪♪青年実業家なんですね♪♪ハンサムで優しくて、背が高くて、料理や家事が出来るなんて、非の打ち所がないです(^ー^)オスカルが深窓の令嬢育ち(なのでしょうか・・)&モデルで、アンドレは青年実業家ならば、難しい障害もなく、静に愛を育めそうですよね(^ー^)
オスカルのお部屋に泊まり、押しかけ女房ならぬ、押しかけ旦那になりそうな感じでしょうか?お泊まり期間は何も色恋なしで、オスカルがプロバンスに追い掛けて行きそうな予感がしてるんですが・・
18世紀か現代か、どちらかで結婚→子育てがあったら良いなぁと願います!
つづき、楽しみにしていまーす!私もこんな旦那様欲しいです(笑)

2016/06/16 (Thu) 22:11

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2016/06/16 (Thu) 22:38

うさぎ

No title

T様いつの間にかアンドレ同居人と化しています。

T様の言うとおり、外国では、特にヨーロッパでは市場がまだ活躍しています。

名所を観光するのも良いですが、地元の市場での買い物は劣らぬほど楽しいです。

オスカル様も勉強になったでしょう。

今回会話が多いので日常会話が退屈したらどうしようと思っていました、安心しました。

2016/06/17 (Fri) 16:00

うさぎ

Re: こんな旦那様♡ステキです!

04様こんにちは、きてくださったんですね、うれしいです。

今回のアンドレ、ホテル業を営んでるだけあって一応何でもこなせる男性です。

しかし、青年実業家までは行きません、ホテルといってもプチホテルでペンションみたいなものと考えてください。

04様いろいろ想像してくれているようで、そんなの聞くとネタばれしそうになります。

無事終われるかどうかも不安なんですが、実は・・・

いつもこんな展開はありなのか無しなのか疑心暗鬼で書いています。(あまりにもおかしい展開だとどうしようとか)

04様の旦那様も何処かアンドレっぽいところありますよ、きっと好きになった部分がアンドレみたいなんですよ(笑)

2016/06/17 (Fri) 16:11

うさぎ

Re: No title

N様お二人の語らい楽しそうに見えたでしょうか?

もしそうなら、安心ですが。

確かにモデルは痩せてないと出来ない職業です、でもアルコールが減った分良しとしましょう。

かっこよくて料理も出来る男性は尊敬~出来ますね、それも押し付けがましくではなく自然体で。

そろそろ変化の兆しがあります、ああ、不安だわ。

N様お仕事忙しい合間の訪問ありがとうございます、N様のコメにもほっとさせられています。

2016/06/17 (Fri) 16:17

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2016/06/17 (Fri) 23:22

うさぎ

Re: 今回もハッピーエンドでお願いしまーす

04様ごめんなさい気にしてくれたんですね、ちゃんと非公開になってますよ、安心してください。

いつも応援ありがとうございます。

体は元気ですから安心してください。

2016/06/18 (Sat) 10:58