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うさぎ

いつか何処かでめぐりあう⑭

ある日オスカルはマネージャーの二コルに連れられてホテルのレストランで食事をすることになった。

それはオスカルが所属するプロダクションの社長との約束のためだ、忙しい社長は昼食を利用して今後のプロジェクトの相談をしようと提案してきたのだった。

早く着き、レストランでマネージャーの二コルと話をしながら社長を待っていた。

今回の話で今後のオスカルのモデルとしての活動をどうするのかが決まる、そう考えると緊張する対談だ。

約束の時間になり、レストランのボーイがお連れ様がいらっしゃいましたと伝えにきてくれた。

そして一人の男性がオスカル達のテーブルに近づいてきた、しかしその姿は社長ではなく子息のジェローデルだった。

「お待たせしました、二コル、そしてオスカル」

「ジェローデル何故貴方が?」二人は同時に驚いた。

「父は夕べから体調が優れず、ですから代わりに私が来るように申し付けられました」

「まさかご子息がこられるとは!それでオスカルの今後の活動の話は決まっているんでしょうか?」

ジェローデルは二人の向かい側の席に座り話を進めた。

「ええ、オスカルの今後については父と私でよく相談して決めていますからご安心を」

「それで早速オスカルの今後の活動は・・少し仕事内容を選ぼうと思います」

「それは、どういう風にですか?」二コルが聞いた。

「今オスカルの仕事のオファーはかなり多い、しかし全てのオファーを受けるよりも仕事を厳選してより良い仕事を選んだほうがモデルとしての地位も上がるし、そのほうが良い仕事が出来る」

「仕事が多いと我がプロダクションにも利益が入ってありがたいことですが、人気を長続きさせるには仕事を選ぶことも必要です、露出は多すぎず、かといって少なすぎて忘れられるのも避けたほうがいい、そうすることで人気を不動のものに出来るというのが我々の出した結論です」

これはかなりオスカルの将来を考えての答えだった。

多分ジェローデルの考えによるものだと思われる、彼はいつもオスカルを思いやる意見を述べてくれる。

マネージャーの二コルとしては上機嫌だ。

「ありがたいお話ですわ、これでオスカルも安心して仕事に打ち込めることでしょう、ねえオスカル」

「ええ、私ごときにこれだけのことを考えていただいて感謝しますジェローデル」オスカルは恐縮しながら答えた。

「ではお二人とも依存は無いと考えてよろしいんですね」

「もちろんですわ」二コルは答えた

「ジェローデル、ではこれからもよろしくお願いします」オスカルも感謝を伝えた。

これで仕事の話は終わった、では食事でもとジェローデルが声をかけると急に二コルが席を立ち「私は他のモデルの現場に行く約束があるので、これで失礼します」と答えた。

「それじゃ、オスカル、ジェローデルさんのお相手をお願いね」そういって二コルはレストランから立ち去ってしまった。

二コルは以前からジェローデルとオスカルの仲を取り持とうとしていた。

次期社長であるジェローデルがオスカルと結ばれればオスカルのモデルとしての地位は約束されたも同然だ。

先日はアンドレという彼氏が出来たのかと思ったが、そうではないらしいと知り、再びチャンスがめぐってきたと思ったのだ。

オスカルとしては二コルの行動は自分を思ってのことだと理解しているが、その気もないのに困ってしまった。

しかし、ジェローデルは二コルの行動の意味を知ってか知らずか、笑顔でオスカルに話しかけてきた。

「ではオスカル私のお相手していただけますか?」

冗談をいうようにオスカルを誘ってくる彼は、確かにアランよりもロマンチックな口説き方をする。

「ええ、私でよろしければ」

「貴方と食事できるなんて光栄の極みです、では今日のお勧めをいただくとしましょうか」

ジェローデルは飲み物はシャンペンにして、シェフのお任せをボーイに注文した。

「ではオスカル貴方のモデル人生を祝して」

「ありがとうジェローデル」

軽くグラスを当ててシャンペンを飲む、そんな姿が彼は実に良く似合う。

だって彼は見るからに品の良い男性だから。

「オスカル、以前に言った私との付き合いを考えていただけましたか?」

やはり彼は以前の交際の申し込みの答えを気にしていたのだ。

「ジェローデル、以前にも言ったように私には貴方のパートナーは務まりそうにない、悪いけれどあきらめてもらえないだろうか」

「そうですか、残念ですよ、今度こそはと思って申し込んでみたんですが・・けれど貴方に決まった人が出来るまではあきらめるつもりはありません」

「何度でも申し込みますよ、貴方が私に振り向いてくれる日まで」

ジェローデルは優しくオスカルに微笑みながらシャンパンをついでくれた。

「貴方は奇特な方だ、だって私は女らしいことは何も出来ない何処がよくて私など・・」

「オスカル自分を卑下するのは良くない、貴方は誰をも魅了する人だ、自分の魅力を知らないのが貴方の欠点です」

ジェローデル・・何度自分自身に言い聞かせただろう、彼はいい人だし十分魅力的な男性だ、彼を選ばないなんてどうかしてる。

それなのに・・どうして愛せないのだ・・彼を愛せたら幸せがすぐ手に届くというのに何故、私は・・

結局地位や条件ではないのだ、彼には私の心を動かせる何かが無いのだ

そこへボーイが料理をワゴンで運んできた。

まず、スープとパンとサラダが運ばれた。

次にメインの料理が並べられるのだが、「今日のシェフのお任せメニューはオマールえびのソテーとトリュフのオムレツです」とボーイが告げてそれぞれテーブルに載せた。

「ここのオムレツは絶品なんです、どうぞ食べてみてください」ジェローデルに進められた。

トリュフのオムレツ・・アンドレがはじめて私に作ってくれた料理だ。

「ではいただきます」

オスカルはオムレツを食べてみた。

一口食べてオスカルは一瞬呆然として、そしてふっと笑った。

ジェローデルはオスカルの異変に気がつき「オスカルどうかしましたか?」と聞いた。

「いえ・・オムレツには思い出があるのですよ・・とても恥ずかしくて人には言えない思い出ですが・・」

オスカルはこみあげる涙をこらえながら答えた。
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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 8

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2016/06/24 (Fri) 16:56

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2016/06/24 (Fri) 18:39

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2016/06/24 (Fri) 22:16

うさぎ

No title

T様現在オスカル様はいなくなって初めて彼がどんな存在だったかわかりはじめています。

あの短い期間に思い出が一杯詰まっていると納得していただければこの話は成功といえるでしょう。

これから物語はクライマックスに向かっていきます!

2016/06/25 (Sat) 12:25

うさぎ

Re: 何度もすみません

はじめましてMI様、全部物語を読破してくれたんですね、うれしい♪

オスカルの選択、去年のだから懐かしいな、あれは苦労しました。(いや、全部苦労してますが)

18世紀で命をかけた恋ですから重さがありますよね、それが伝わったみたいでうれしいです。

そうか!続編が楽しみって考え方もあるんですね、それは新しい意見です。

マイリトルレディは書いてみたいですね、けど頭で想像してしまうのはリトルレディのオスカルちゃんなんです。

あの姿で書いてみたいですね。

応援ありがとうございます、また見に来てくださいね。

2016/06/25 (Sat) 12:33

うさぎ

No title

AN様オスカル様の仕事がモデルはリアリティあるみたいで、他の方にも言われました。

実際雑誌なんかで掲載されましたし。

楽しいバケーションラバーズが終わった後が幻の恋なのか真実の愛なのかがわかるときです、現実でもそうだと思います。

引き出しというか、こんなことばっかり考えてるんですよ、頭の中が暇だから(笑)

2016/06/25 (Sat) 12:37

うさぎ

Re: 年月を経てわかること

SA様ジェローデル登場です、やはりオスカル様を口説いている彼だから出てくるんです。

原作の場合、私なんか彼が出てきてくれたから話が盛り上がったなんて喜んでいました。

だって数少ない恋バナがやっと動き出したって思いましたもん。(あの時も自分の気持ちに気がつかないオスカル様にあきれましたが)

確かに育ちのいい人ってあっさりとしてます、特にベルバラでは、恋に限らず

アンドレは違いましたね、しかしあんな風だから萌えるんですが。

2016/06/25 (Sat) 12:43

うさぎ

Re: 気が付いて欲しいです

04様すっごくストーリーを読んで検証していますね。

お話作るときにはどんな展開にするか想像力をフル回転させて作るんですが、いざ書き始めるとこんなのはおかしいって変更する場合も多いんです。

物語が終わろうとする時にでも変更ありますから、結末は何ともいえません。

ひとつの物語にしようと思ったら点と線をつなぐように作らなくてはいけないので想像通りに動いてくれないんです。

2016/06/25 (Sat) 12:50