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うさぎ

オスカル最後の選択⑯

オスカルは家に戻り、夕食を作りアンドレの帰りを待った。

彼に事実を言うのだ、そう思うと緊張する。

彼はどう思うだろう?

オスカルは考え込みながらアンドレの帰りを静かに待っていると玄関の扉をたたく音が聞こえた。

アンドレだ!

急いで扉を開けようと玄関に飛び出していった。

オスカルが扉をあけるとアンドレが「ただいま」といいながら入ってきた。

「おかえりアンドレ」

オスカルが迎えるとアンドレはそのまま口付けをして抱きしめてきた。

アンドレは話を聞いてもこのように愛情のこもった接し方をしてくれるだろうか?

しかしオスカルは勇気を振りしぼって告白しようとした。

「アンドレ、話しがあるんだ」

だがすぐに切り返された。

「俺も君に話がある」

「先に言ってもいいだろうか、君に喜んでもらいたいことなんだ」

アンドレの言葉にオスカルは出鼻をくじかれてしまった。

「あ、ああもちろん」

アンドレはうれしそうにオスカルに伝えはじめた。

「今日社長に呼び出されてもうすぐ事務所に戻って来いとの辞令が出た」

「店の店員としての仕事は俺が記憶をなくした今でも大丈夫かを見るためだったと言われた」

「しばらく俺の店の切り盛りぶりを見てこれなら再び事務所に戻してもやっていけると判断されたんだ!」

「またもとの位置に戻って働けることになった!」

「そうか、良かったな、お前ががんばったからだ」

オスカルはアンドレの事務所復帰を心から喜んだ。

「いや、オスカル君のおかげだよ、君がいてくれたからここまでこれたんだ」

「君は資産家の娘なのにこんな俺のために屋敷を飛び出してくれた、なのに俺は記憶を失い、君に苦労をかけることになってしまった」

「それでも君は俺に愛想を尽かすわけでもなくそばにいて必死で支えてくれたんだ」

アンドレは真剣な顔でオスカルの両手を握り締めながら告白した。

「そんないとおしい君にずっと言いたかった」

「オスカル、俺と結婚してほしい」

オスカルはアンドレの突然のプロポーズに驚き、そのまま言葉をなくしてしまった。

「君は俺にはもったいないほどの女性だ」

「最初に君を見たとき、なんて綺麗な人なんだと思った、こんな人が俺の婚約者だなんて信じられないほど」

「だが、君の真の美しさは姿かたちではなかった、こんな貧しい生活の中にいながらでも誰かの役に立とうと、惜しみなく愛を注ぐそのやさしい心こそ限りなく美しい」

「俺は君のその美しさにどうしようもなく惹かれていくのがわかった」

「君のためなら何でもしようと思った、生活を元に戻せたら君に求婚できるんだと信じたから必死になれた」

「オスカル愛している、俺が君にふさわしくないのはわかってはいるが、それでも俺を愛してくれるのなら結婚の申し込みを受けてほしい」

アンドレが、私を愛しているという、記憶をなくしながらも再び私を愛していると


記憶をなくした今でもお前は私を愛してくれるのだな・・アンドレ

心が喜びにあふれていく、

「うれしい・・嬉しいぞ・・アンドレ」涙ぐみながらオスカルは答えた。

「では、結婚の申し込みを受けてくれるのか?」

「その前に、お前にいっておかなくてはいけないことがある」

いわなくてはいけない、お前に真実を伝えなければ・・

「そういえば君も俺に話があるんだったな、そのことだろうか?」

「ああ、そうだ」

「落ち着いて聞いてほしい・・アンドレ・・」

「お前は私を平民の資産家の娘だと思っているが、そうではない」

「私は・・・貴族だった・・」

アンドレは言葉を失った。

貴族・・?オスカルが・・?

「私の父はレニエ・ド・ジャルジェという伯爵将軍だ、私はその娘でオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ」

「そしてアンドレお前は私のばあやの孫にあたる、両親をなくしてお前は私の遊び相手の従者として屋敷に引き取られたのだ」


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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 3

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2016/08/14 (Sun) 21:48

うさぎ

No title

T様、すみません、せっかくのプロポーズだからややこしい話は後日にして、いい感じにしときたかったんです!

オスカル様の美貌と性格のよさにアンドレはメロメロですが、問題はこの時代の身分の重さ。

平民と結婚させるくらいなら血のつながった伯父とさせるくらいと聞きました。

過去の記憶の無いアンドレに耐えられるのか・・・

T様がどうか落ち着いてみていてください。

2016/08/15 (Mon) 11:18

うさぎ

Re: 初めまして

TM様はじめまして、とはいえ永遠のラブストーリーの時代から見ていてくれたんですね!(感激!)

しかも毎日チェックしてくれていたなんて!(こんな下手な文章力なのに)

TM様気がついていましたか、アンドレが記憶をなくしてから「お前」と呼ばずに「君」になってるの。

私としては記憶の無いアンドレの特徴でした。

出会って間もない関係だとお前とは呼べませんからね。

う~ん愛情に関しては、現在のアンドレも負けてないようですが、夫婦でも長年連れ添ってこそ離れられない関係になっていきます。

その関係にまでなっていないのが現在の過去の記憶の無いアンドレだと思ってもらえればうれしいです。

そうですね、アンドレとオスカルの関係はお互いが「お前」と呼び合うのが愛情の表現のようなものですから。

身体の心配していただいてありがとうございます。

TM様もご自愛ください。

2016/08/15 (Mon) 11:30