FC2ブログ
うさぎ

再会の物語⑨

俺はオスカルを見たとたんに勝手に足が動いて、彼女に近寄り、いつの間にか激しく抱きしめていた。

「会いたかった・・・」

するとオスカルも俺の抱擁を拒むことなく受け入れてきた。

しばらく抱きしめあったままでいたが、オスカルのほうから声をかけた。


「先日は、すまない、取り乱してしまって」

「今日は、お前に話がある」

深刻なオスカルの声に俺は緊張した。

「・・話とは?」

その時オスカルは苦しそうな顔をした、けれど、決意するように語った。

「アンドレ・・・お別れだ・・・」


俺は激しく動揺した、オスカルの別れの言葉に俺は打ちのめされてしまった。

「何故だ!そんな急にお別れだなんて!」




これが俺への返答なのか?

「俺がお前のアンドレになれなかったからか?・・俺を愛せないからか?」

「違う・・違うんだ・・」

俺はオスカルを揺さぶるようにして興奮して怒鳴りつけていた。

「では!何でお別れなんだ!突然何度も現れていながら今度はいきなりお別れか!」

「それなら、何で俺の目の前に突然現れたんだ・・・」


オスカルは俺の怒りにひるむことなく答えた。

「お前の傍に、いたかったんだ」


そして俺の眼を見つめ、告白した。

「アンドレ・・お前は私のアンドレだ!・・・」


俺が・・・オスカルのアンドレ・・・?

その後オスカルはポツリポツリと語るように話しはじめた。


「・・・お前に会いたかったんだ・・・」

「お前のことだけ考えていた」

「お前に会いたい、そのことだけ考えていたら、お前の姿が見えた」

「私が見たのは小さな姿のお前・・・私の知ってる姿ではなかったけど間違いなく私のアンドレだと一目でわかった」

「現世に関与してはいけない、それはわかってはいたけれど、我慢なんて出来なかった」

「一人で泣いているお前が愛しくて、傍に行って慰めてやりたかった・・」

「その後もお前にもう一度会いたくて眠っているお前の傍に行った」

「お前はやはり私のアンドレだった、その姿も声も考え方も・・・見ているだけなんて我慢できなかったんだ・・・」

「お前が寂しくないように傍にいていつも見守っていたかった」

「お前が私のアンドレになっていくのが嬉しくて、辛くて・・離れたくなかった・・・」

「お前の人生を邪魔するつもりなんて無かった、私の許される時間だけでもお前といたかった・・・それだけなんだよアンドレ」

オスカルはうつむいて、顔は見えないけど泣いてるのがわかった。、震えるような声で彼女は話を続けた。


「私には天国なんていらなかったんだ・・・」

「ずっと二人だけでいたかった」

「お前の傍にいて、声を聞き、触れられる・・・それこそが私の願う世界・・」

「お前の腕の中だけが私の・・・」

もう後の言葉は声にならなかった。


俺はオスカルが何者でも良かった。

俺の傍にいて愛してくれるなら、それだけで何もいらなかった。

俺はオスカルを強く抱きしめながら促すように言った。


「一緒にいよう・・」

「俺がお前のアンドレならば、俺たちは一緒にいなければならないはずだ」

「愛しているよ、オスカルお前が何者であってもかまわない・・」


俺はオスカルの頬を捉え口付けしていた。

夢にまで見たオスカルとの口付け

最初は片恋の口付け、そして今は心が通じ合った本当の恋人の口付けを俺たちは交わした。

「アンドレ・・・アンドレ・・・」

オスカルは喜びの表情を浮かべ、幸せそうに俺の腕の中でじっとしていた。


だが、幸せなときは長くは続かず、オスカルは再び悲しげに別れの言葉を述べた。

「もう思い残すことは無い・・・」

「アンドレ・・わかっているだろう・・私たちが結ばれることは無い・・・」

「いやだ!お前と別れるなど!」

その時再び風が吹いた。

長い金髪の髪をなびかせて、出会ったときと同じ姿のオスカル、やはり彼女はこの世の人ではないのか。・・


「私はお前を求める心が生み出した幻影・・いつまでもここにとどまることは出来ないんだ」


俺はオスカルを離すまいとしっかりと抱きしめたが、彼女の身体は次第に透けていく。


「アンドレ・・幸せになれ!」

オスカルは悲しみを吹き飛ばすように強く言った。


「何で幸せになれる・・・」

「お前がいなくなって幸せになんかなれない、生涯愛する人はお前だけなのに・・・」


「なれるさ、だってお前は私を忘れるんだ!」

力強い口調とは言葉とは裏腹に瞳からはいくつもの涙が零れ落ちている

俺のためのオスカルの決意!


「いやだ!オスカルお前を忘れるなんて!」

この想いを消すなど・・・絶対に・・・


これが俺たちの運命なのか!ようやくめぐり合い愛し合いながらも再び別れるのが、俺たちの・・・


「アンドレ・・心から・・」

「・・・愛してる」


オスカルは泣いている顔のまま笑顔を見せた。

それは俺への最後の思いやりだったのかもしれない。

オスカルは俺に手をさし伸ばした。

消えかけてるオスカルの手を掴もうと手を伸ばし、触れ合う瞬間、・・・、そこには何も存在しなかった。・・・


風の音だったのだろうか。

悲しく心に響く声が聞こえたような気がする。



生まれ変われるとしたら、今度こそお前と愛し合い結ばれる人生を送りたい

それこそが私の願い

どんな悲惨な世界でもお前と一緒にいることを私は選ぶ

最後の瞬間までアンドレお前といられるなら、私は幸せなんだよ・・・



アンドレは木の幹の根元で眠っていた。

そして、ふと目覚めた。

辺りを見回し、ここは・・森の中か・・・

散歩に来て木陰で休んでいたところ、眠ってしまったらしい。・・・

夢でもみたのかな?

覚えていないが、どうやら悲しい夢を見ていたようだ。

大事な何かを無くしたような、まるでぽっかり心の中に穴が出来たように心が痛い。

まるで、愛する人を失ったかのように悲しくて切ない・・・

そして何故こんなにも・・・

涙が・・・
スポンサーサイト



うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 10

There are no comments yet.

-

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2016/10/01 (Sat) 15:30

-

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2016/10/01 (Sat) 18:11

-

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2016/10/01 (Sat) 21:38

-

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2016/10/01 (Sat) 22:37

うさぎ

No title

T様本当ですね、何でこの二人の別れはこんなに悲しくなるのか?(ファンだからか)

この二人は結ばれる場面も別れの場面も絵になるから、いろんなシーンをやってほしくなるんです。

今回の展開よかったでしょうか、それならとてもうれしいです。

オスカル様がこの世の人ではないとか、消えていなくなるとか、それもアンドレの記憶を消して、

大胆な展開ばかりですから、これって私だけが感動したり興奮してるのでは?と不安でしたから。


2016/10/02 (Sun) 08:28

うさぎ

No title

AM様心のままのコメントありがとうございます。

しかし、この場合、想いあっていても叶わないんです、死んだ人間とこの世の人間とでは・・・

というか、オスカル様の場合、死んでアンドレを求める心が形になった存在というほうがふさわしいです。

2016/10/02 (Sun) 08:32

うさぎ

Re: 哀しい別れ…

MI様オスカル様は亡くなる前から、そしてなくなってもアンドレに会いたいと思ってたらアンドレが見えたという話です。

最初のせりふは死ぬ間際の言葉で。・・・

死んでそのまま天国にはいかないでここに来たんです。(天国があるかは謎です、せりふで天国というのは言葉のあやです)

アンドレはもう生まれ変わり新しい人生を送っていました。

うまく説明できませんが。

2016/10/02 (Sun) 08:43

うさぎ

Re: タイトルなし

L様お久しぶりです!

再会の物語いいでしょうか?良かった良かった!これ書いてるときは、変わってていい!て思ってましたがいざ、アップしはじめるといい!と思ってるのは私だけ?なんて考えてしまいました。
(独りよがりは相当恥ずかしいのです)

特にお二人のふれあいのシーンが気に入ってもらえたのがすごくうれしいです!

二人がふれあいシーンはとても重要だと考えていました。

話には関係ないと思われるかもしれませんが、このふれあいがあるからこそ互いの愛情が育つ、幼馴染が大事な存在なのはこれがあるからです。

L様、私もお二人が遊ぶのを思い浮かべると幻想的だなって思いましたよ♪

ああ、絵になるわ・・・

年下アンドレからの愛の告白はオスカル様にとってうれしくて悲しいって感じです。

これも思い浮かべると、また絵になる。

しかし、オスカル様の正体がわかった時点でお別れなのです。(悲)

アンドレを求める心で存在していたオスカル様では、結ばれることはありえない。

彼が自分を愛してしまい、今後の彼のためにはその想いを封印するしかない、そのための選択です。

しかし、記憶が消えても、L様のいうとおり、心のどこかに残ってるんですね、あの触れ合う日々の思い出が。

それはその後の彼の人生を左右します。

ただの青年時代の思い出になるのか、運命の人との想いを全うするのか今回はそれを描きます。

L様、いつも明るいコメントありがとうございます。

すごい励みになってます、私にとっては、ああ切ないって思いながら作成してますが、周りから見て、何書いてるんだ?って思われないかと不安なんです。

実写映画かあ、いいなあ・・・て思いましたが、L様残念なことにお二人を演じるのにふさわしい人がいません。

やはり漫画でやってほしい・・・(マジに考えてしまった)



2016/10/02 (Sun) 09:10

うさぎ

Re: No title

N様そうです、オスカル様アンドレの今後の人生が闇にならぬように、自分との思い出の記憶を消しました。

これが自分に出来る唯一の愛だと信じて。

N様いつも同調していただけるので、また泣かせてしまうかな?と危惧しましたがやはりですか、でもありがとうございます、うれしいです、本当に。

2016/10/02 (Sun) 09:13

うさぎ

Re: No title

CHI様今回の展開に哀しんでくれたのですね、申し訳ないけれどうれしいです。

今の感じだと完全に悲劇ですよね。

オスカル様消えたし、アンドレは記憶が無いし。

今回はアンドレのその後の人生を描きます。

また哀しませてしまうかも・・・

2016/10/02 (Sun) 09:17