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うさぎ

リトルレディの恋⑦

しばらく一人で泣いた後、もう帰ろうと立ち上がった。


いつもこうして一人で耐えてきたのだから、きっとこれからもやっていける・・・

少し落ち着いた、哀しみは消えなくとも・・・それでも・・・

一人ぼっちは慣れている。

再び馬に乗り込み屋敷に向かって馬を走らせた。

もう夕暮れだ、少し長居してしまった・・、まだアンドレは小説を書いているだろう。

やがてジュベルの屋敷が見えてきた。

だが、門の前に誰か立っているではないか?

あれは・・・アンドレ!

オスカルは急いで馬の走りをとめて歩かせ、アンドレの前で立ち止まるようにした。

アンドレは声を荒げてオスカルの傍に来た、顔は心配そのものだ

「オスカル!お前一人でどこへいってたんだ!」

「ポールに聞いたらお前が一人で馬に乗って森のほうに出かけたというから心配していたんだぞ!」


馬を下りてオスカルは急いで返答した。

「お前が忙しそうだから一人で遠乗りに出かけていた」

オスカルの返答を聞いてもまだアンドレの心配の色は消えてはいない

「一人で遠乗りなぞ危ないじゃないか、俺のように落馬したらどうする?」

「私の乗馬の腕前はおじい様からお墨付きだ、一人で馬に乗るのは慣れている、私は自分の身は自分で守れる」

オスカルの強い反論にアンドレは切れた。

「自信過剰になるんじゃない!いつどんな事故が起こるかわからないんだぞ!」

「森の中で道に迷ったらどうする!獣に出くわすこともあるんだ!」

「お前この間いったことを忘れたのか!」

「危険を伴う行動をするときはちゃんと教えを守るんだ、俺が足の怪我をしたのを忘れたのか!」

「一人で遠乗りするなど危険きわまる行為だ、森に一人で行くなど俺は許さない!」

「お前の身に何かあれば俺はどうすればいい!」


アンドレはよほど興奮している様子でオスカルは反論の余地もなく黙って聞いているしかない。

そして言い終えた後、突如オスカルを抱きしめてきた

「どれだけ心配したか!」

「もう一人でなどいくな・・」

「アンドレ・・・」オスカルはこんなに興奮したアンドレを見るのは初めてだ、彼がこんなに心配していたなんて・・

「俺がお前を寂しくさせたから、お前は一人で気晴らししたんだな・・・」

「すまなかった・・」

アンドレは、私がいなくなったのに気がついて探してくれていたんだ、大事な仕事をほうっておいて・・・

彼の腕の中はいつも私を暖かく包んでくれる、この腕の中にいると悩みも辛いことも消えてなくなってしまう・・・

「ごめん、アンドレ・・・心配かけて」

オスカルは心から素直な言葉が出た。


アンドレはオスカルの言葉にほっとした顔をした。

「今度は一緒に行こうな」

オスカルはアンドレの言葉に驚いた。

「だってお前落馬してから馬に乗っていないだろう?」

するとアンドレはふっと笑って答えた。

「いや、大分乗れるようになったよ」

オスカルはアンドレのいってる意味がわからなかった。

「実はな、お前が勉強している間、俺は馬に乗る練習をずっとしていたんだ」

「もう足の痛みは無くなったからポールに頼んで教えてもらってた、お前、もう馬に乗らなくてもいい、と言って心配するし、それにお前を驚かせたかった」

あっけにとられた顔のオスカルを尻目にアンドレはさらに言葉を続けた。

「午前中は乗馬の練習をして、その後に仕事をしてたからお前とすごす暇がなくなっていたんだ」

「だからお前に寂しい思いをさせてしまった、お前を喜ばすつもりだったんだが」

アンドレは内緒で乗馬の練習をしていたという、しかもその練習のために仕事までおろそかになって、。・・・

私のために・・・

「何で言ってくれなかった?」

「だから内緒にしてお前を驚かせたかったんだ」

「私が邪魔になったのかと思ったぞ、私がいると仕事が進まないんだと」

「まさか!お前は俺の相棒だろう?俺が疲れたとき癒してくれるし、相談にも乗ってくれる」

「お前が傍にいると心地いいんだ」


「だって、だって・・・」

お前は大人の男性だ、そして私はこんな小さな子供・・・


「どうした?オスカル・・・」

それでも、こんな私でも彼はこんなに大事にしてくれて愛してくれる

オスカルは再び涙が出て、そのままアンドレに抱きついていった。

「なんでもない・・・お前と馬に乗れるのが楽しみだ」

彼はオスカルを再びやさしく抱きとめて「そうか、喜んでくれてよかったよ、早速明日お前の秘密の場所に一緒に行こう、仕事も人心地ついた」


「うん・・・一緒に行こう・・・」オスカルは素直な気持ちで答えた。

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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 5

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2016/10/24 (Mon) 17:31

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2016/10/24 (Mon) 19:56

うさぎ

No title

T様コメント書くときの操作って今でも誤作動起こしやすいんですね、私も経験あります。

アンドレの叱りはきつめですが、愛情の裏返しと理解してもらえて安心しました。

オスカルのような普段誰も本音で叱ってくれる人がいなかった子は、それも愛情からの叱りはむしろうれしいときもあります。

T様のうなずきがとってもうれしかったです♪

さて、このまま何事もなくお話が終わりますでしょうか(笑)

2016/10/25 (Tue) 13:57

うさぎ

Re: ツンデレじゃないけど…

MI様、アンドレにこんなふうに叱られれば、反対にうれしくなりますね♪

聴きようによっては、どれだけ自分のこと想ってるか言われてるみたいで・・・

しかし、そうか心配されて怒られて、抱きしめられてサプライズ・・・結構盛りだくさんなアンドレですね。

こんな風に接してくれた人はほかにいなかったからオスカルちゃん、よほどれしかったのでしょう。

2016/10/25 (Tue) 14:00

うさぎ

Re: No title

N様、アンドレ、お前のためならなんでもするよって言葉のとおりの行動です。

少しでもオスカルちゃんの夢をかなえてやりたかった、まだ恋人の感情はなくとも一番大事な存在であることには変わりない

あまりにも年の差がありすぎて、周りからすれば奇妙に見られたりもする、こんな悩みもあるんです。

しかもオスカルちゃんからすれば、彼にいつ恋人ができてもおかしくない、自分は子供だから恋人になれない、これって現実的にきついです。

この悩みを解消してくれるのがやはりアンドレの愛情なんですね。

N様のいうとおり二人は恋人未満、だからもう少しオスカルちゃんの悩みは続きます。

2016/10/25 (Tue) 14:10