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うさぎ

リトルレディの後見人⑭

獣道が見えてきた!

「あれは・・オスカル!」

アンドレがようやくこの場所にたどり着いた時、倒れて気を失っているオスカルを発見した

「オスカル!」

「やはりここにいたか」

オスカルを抱き起こしてみると喘息の症状が出ている。

顔が土気色だ、体も冷え切っている

早く、早く医者に見せなければ!

オスカルは消え入りそうな意識の中でアンドレが助けに来てくれたことがわかった。

「アンドレ・・・」

来てくれたんだ・・・やはり、お前は私のために・・・

「オスカル、しっかりしろ!今つれて帰ってやるからな」

アンドレはオスカルを抱きあげて馬に乗せ屋敷を目指していった。

オスカル・・・何でこんな馬鹿なことを・・・

「アンドレ・・・ごめん・・・また、お前に迷惑をかけてしまったな・・」

「苦しいだろう、しゃべるんじゃない!」

「お前・・・ベルナデットと・・付き合うんだってな、あの人を忘れられて・・・良かったな・・」

やはりオスカルは俺とベルナデットのことを聞いていたんだ!それでショックを受けて屋敷を飛び出したのか!


なんてことだ・・・あんな茶番を演じたためにお前は・・・


雨の中アンドレはオスカルを抱いたまま必死に馬を走らせていく。

馬脚が乱れるのを恐れ、あまり速くに走らせられないのがいらだたしい。

屋敷に戻るまでアンドレはオスカルがこのまま死んでしまったら・・アンドレはオスカルを失う恐怖におびえながら馬を走らせ続けた。

やがてジュベルの屋敷が見えてきた。

「オスカル屋敷が見えてきたぞ、頑張れ」

苦しさに耐えながらアンドレの胸に手を置いているオスカル、このしがみつく手は生きている証拠!

オスカル死ぬな、死ぬんじゃない!


屋敷の門をくぐり、玄関の扉の前まで馬を走らせた。

心配していたのだろうマロンさんがすぐに飛び出してきて扉を開いてくれた。

ポールも一緒に出てきてくれたので馬を止めてすぐにオスカルを受け止めてもらい、アンドレも馬から下りながらマロンに伝えた。

「マロンさん、早く医者を呼んでくれ!オスカルが雨にぬれて喘息の発作が出た、肺炎になる恐れもあるんだ急いでくれ!」

それを聞いてマロンはわかりましたといってすぐに近くにいるミリアに医師に電話するように指示をした。

そしてアンドレはポールに「俺が連れて行く」と伝えオスカルを再び抱きあげ屋敷の中に入っていった。

濡れ鼠な姿なのもかまわずアンドレは屋敷の中を進んでいくとオスカルの部屋に向かう途中、ベルナデットと出くわした。

ベルナデットはアンドレの姿に驚き声をかけてきた。

「アンドレ!どうしたの?びしょぬれじゃないの!オスカルも!」

思わず駆け寄ったベルナデットにアンドレは強い口調で返した。

「どいてくれ!急いでるんだ」

ベルナデットはアンドレの傍に寄せ付けない雰囲気を感じて思わず止まってしまったが、アンドレはそのままオスカルの部屋に急いでいった。

部屋に着きオスカルをベッドにおろすとすぐにマロンがタオルとシーツを持参して追いついてきた。

マロンはオスカルの世話をしながら

「私がオスカル様のお世話をしますから、アンドレ貴方もお着替えになって、あちらで休んでください」


「俺はいい!オスカルの傍にいる!」

「一緒にいてやるんだ、オスカル俺が傍にいてやるぞ、絶対にもう離れないから・・」

われを忘れたようにオスカルから離れようとしないアンドレ。


それほどまでにオスカル様のことを・・・マロンは感じ入ってしまった。

ではせめてお着替えだけでもとアンドレに服の着替えを進めるにとどまった。

暖炉に火をくべて部屋を暖めていく、オスカルの苦しそうな顔を見ながらアンドレは祈るようにしっかりと手を握っていた。


何であんなことをしてしまったのか・・・

わかっていたはずなのに、お前の心の傷を癒すにはお前だけを限りなく愛してやることなのに

お前と引き離される恐れで見えなくなっていたんだ・・・



「アンドレ、お医者様がいらっしゃいました」

マロンが医師が来たことを伝えにきた。

医師がすぐに入ってきてオスカルの様子を見るなり、心配そうに述べた。「これは、肺炎を起こしているかもしれない!」

「オスカルを助けてください!どうか先生助けて!」

アンドレは必死で医師に訴えるが、「できるだけ手を尽くす」とだけいわれこれから詳しく診察するので部屋の外に出ているように諭されたアンドレはためらいながらも医師の言葉に従い廊下に出て行った。


廊下の外に出てみると、そこには大叔母とベルナデットの姿があった。

憔悴しきったアンドレの様子でオスカルがどのように悪いかがわかる、さすがに大叔母も心配そうにしていた。

「フランシスが雨に降られて倒れたとマロンから聞いたのだけどフランシスの容態はどうなの?」

「まだ詳しいことはわかりませんが、医師のみたてでは肺炎を起こしている可能性があると」

「肺炎!まさか命の危険もあるというの?」

大叔母の言葉にアンドレは激しく反論した。

「そんなことがあってたまるか!」

「オスカルが死ぬわけがないんだ!」

まる自分自身に言い聞かせるようにオスカルが死ぬわけがない、そう叫ぶアンドレ。

だがオスカルの命は風前の灯火・・・

「落ち着いて!アンドレ」

アンドレを落ち着かせようとベルナデットが静止した。

ベルナデット・・・

アンドレはあらためて彼女の顔を見た。

そうだ、こうなったのは大叔母をだましてお前の後見人の立場を守ろうとした俺への罰

間違いは正さなければいけない・・・そうだろうオスカル


「ごめんベルナデット、君の好意を無駄にするよ」

アンドレはベルナデットの横を通り過ぎながら伝え、そして大叔母の前に立った。


アンドレは決意した態度で大叔母に臨んだ。

「ブリジット様」

「俺は貴方に詫びねばならない」


「俺とベルナデットは愛し合ってなどいない、オスカルの後見人の立場を守るために貴方に嘘をついたんだ」

「何ですって!」

「本当なの?ベルナデット」

「ごめんなさいおばあ様、本当よ」ベルナデットも観念したように真実を述べた。

「私がアンドレに付き合うことにしようと誘ったの、だってそうしないとおばあ様はオスカルとアンドレを引き離す所存だったでしょう、」

「アンドレのオスカルを思う姿を見ていると黙ってられなかったのよ、あんなにオスカルのことだけ考えてるのに・・・」

「なんてことを・・・貴方は」まさか孫が自分に嘘を、大叔母はショックを受けた。


「確かに今回のことを相談してくれたのはベルナデットからだった、でも決めたのは俺自身だ、責任は俺にある」

「けど、そうしないと貴方は俺をオスカルから引き離しただろう、それだけはなんとしても阻止したかった」

「ブリジット様・・・あらためて頼む、俺をオスカルの後見人として認めてほしい」

「アンドレ、そんなこと認められるはずないでしょう、貴方は私を騙したのよ」頭を抑えながら大叔母は切り替えした。

けれどアンドレはあきらめようとはしない。

「お願いだ、俺たちをどうか引き離さないでほしい!貴方を騙したことは幾重にも詫びる」

「オスカルにはおれが必要なんだ、オスカルは全部じゃないとだめなんだ、オスカルだけの愛でないと」

「それを決めるのは貴方ではないわフランシスはジュベル家の大事な跡取り娘なのよ」


オスカルよりもジュベル家が大事とでもいうのか!アンドレは大叔母の言葉に我を忘れて反論した。


「オスカルが大事だと言うのなら、何で今までオスカルをほうっておいたんだ、おじいさんが生きていた頃からずっとだ!」

「オスカルをあんなふうに寂しい子にしたのは貴方達親族の責任でもあるんだ!」

「俺の物語に救いを求めるほどオスカルは孤独だったのに!何で誰も気がついてやらなかったんだ!あの子の気持ちを誰も!」

「貴方にも親族の誰にもオスカルの孤独は癒せない、オスカル以上に愛する人がいる貴方らでは!」


「だが俺ならできる、オスカルを誰よりも愛して守ってやれる」

「オスカルが望むだけ傍にいて、誰よりも幸せにしてやるんだ、今まで寂しい思いをした分誰よりも幸せに!」

「それのどこがいけない!」


心の中を吐き出すように訴えるアンドレ、しかし次第に落ち着きを取り戻し、静かに語っていった。

「お願いだ・・オスカルが俺を必要としなくなったら、俺はすぐにここを出て行くよ・・何一つ望まない」

「俺はオスカルを決して傷つけたりしない、傍にいて愛してやるだけだ、妹のように、娘のように・・」


「オスカルに対する愛は・・・妹への愛だ」

「決して男女の愛などではない」
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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 6

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2016/11/16 (Wed) 18:38

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2016/11/16 (Wed) 19:12

うさぎ

No title

AMA様

アンドレの気持ちが伝わってうれしいです。

今のところ男女の愛にはなれないですが、それ以上の愛は十分持っています。

今回はリトルオスカルがアンドレへの愛情を見せます。

2016/11/17 (Thu) 17:07

うさぎ

Re: 言葉が素敵過ぎます~

MI様このシリーズのアンドレの魅力を感じてもらえて感激です。

そうなんです、彼は大人だからリトルオスカルをすべてにおいて守り、そして心の傷も癒す存在。

そのためには、愛情のこもった言葉でリトルオスカルに伝えていきます。

MI様身体に穴開いちゃいましたか!(笑)

娘は、もうすっかり直りましたよ、小児喘息は成長すると治ることが多いんです。

ご心配ありがとうございます。

リトルオスカルも成長とともに直って、やがて外の世界に出て行くんです。

2016/11/17 (Thu) 17:15

うさぎ

Re: No title

N様肺炎は最後は自己治癒能力が強ければ直ります。

だからリトルオスカルも生きる気力を強く持てば大丈夫なのです。

アンドレの言葉がN様の心に届いて良かったです!

とかく金持ちはうるさいですからね、でもアンドレが頼りになるから大丈夫です。

今回オスカルちゃんがアンドレのために考えました。

2016/11/17 (Thu) 17:21

うさぎ

No title

T様申し訳ありません、私コメントお返ししたはずなのに、出ていませんでしたね。

T様いつも来てくださるので、寂しいなって思ってたんですけど、もしかしてお返事が出来てないのでは?と確認してみれば案の定でした。(こういう言い方も押し付けがましくて駄目なんですけど)

すみません、いぜんも一度こういうことがあって気をつけるようにしてたんですけど、また失敗してしまいました。

(何故だろう?)

その時、書いたの出しておきます。

『そうなんです、まだオスカルは10歳で恋愛の対象にならないんです。

アンドレにしても大事な存在ではあるけど、そんな感情を持ってはいけないと理性がありますから。

ベルナデットとの付き合いは、アンドレ本当のことを言いました。

自分の嘘がオスカルを傷つけ、このような結果にしたと考えて。

今回はアンドレのオスカルを思う気持ちが満載ですからそれを感じてもらえたと思います』

T様の心のこもったコメント無視したみたいで、本当に申し訳ありません、心から反省しています。

まさか、コメントがアップされてないとは考えても見なかったので・・・

2016/11/22 (Tue) 16:24