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うさぎ

リトルレディの後見人⑮

こんな想いがあるなんて・・・


彼はなんと言う情熱を胸に秘めているのだろう。

彼はどれだけオスカルを愛せるのだろう


彼は、いつかこの想いに耐えられなくなる

それを予期しているのにNonといえない

だって彼の告白はあまりにも哀しくて切なくて・・オスカルへの愛に満ち溢れている

大叔母とベルナデットはアンドレのオスカルを思うあまりの真剣さにシンとしていた。



張り詰めた空気の中、オスカルの部屋の扉が開き医師が出てきた。

どうやら診察は終わったようだ。

アンドレも大叔母もベルナデットもいっせいに医師に注目した。

「先生!オスカルは?」

緊張した面持ちで医師が皆に継げた。


「雨にぬれて肺炎を起こしている、早めに発見されたから何とか命に別状はなさそうだが、それでも予断を許してはいけない」

オスカルは助かる、オスカルが・・死ぬわけがないんだ。

「アンドレとは貴方ですか?」

その言葉にアンドレは急いで返答した。

「俺がアンドレです!」

「では部屋の中へどうぞ、オスカルが貴方を呼んでいます」

医師はアンドレの傍に近寄り伝えてきた。

「肺炎は、自己治癒で直すもの、特に本人の生きる意志の強さで決まる」

「どうかその意思を持つよう伝えてやってください」

アンドレは医師の言葉にうなずき一人オスカルの待つ部屋に入っていった。

オスカルに何をいえば・・・何をいえばお前は生きられる・・


オスカルは苦しそうな息の中部屋に入ってきたアンドレを見つけ手を差し伸べてきた。

「アンドレ・・」

「苦しいのか、オスカル苦しいのならしゃべらなくてもいい!」

急いでオスカルに近づき話すのを止めようとしたアンドレだがオスカルはかまわず続けて話し出した。

「お前に・・話しておきたいことがある・・」

アンドレはすぐにオスカルのベッドの傍によりオスカルの手を握ってやった。


「もしも・・私がこのまま亡くなったとしても心残りがないように・・」

「お前は死んだりなどしない!」

アンドレはすぐに言い返したがオスカルはアンドレの口元に手を置いて止めた。

「もしも、と言っている、・・焦るな」

不思議なくらい落ち着いたオスカル、一体何を言おうとしているのか?・・

「何だ?話したいことって・・」

祝福しなくては・・

アンドレお前が幸せになるのだから、お前の幸せが私の幸せ


「アンドレ、お前が私の願いを聞いて後見人になってくれて・・・うれしかったよ・・」

「お前と暮らせて楽しかった お前は私を幸せにしてくれた」

「だから、今度はお前が幸せになる番だ」


「アンドレ・・・お前は愛する人を見つけたんだな・・どうかベルナデットと幸せになって・・」


俺のためのオスカルの告白、俺の幸せを願い、祝福すると・・あれほど俺を独占したがったオスカルが・・・

オスカルお前ってやつは・・・

アンドレは目頭が熱くなるのに耐えながら急いでオスカルの話を否定した。

「オスカル、違うんだ!俺とベルナデットは愛し合ってなどいない」

「あれは嘘なんだ」

「嘘?」

「大叔母を説得するためにベルナデットと愛し合うふりをした」

「俺は大叔母を騙した・・・お前の後見人として認められたいばかりに・・・そのせいでお前を失うところだった」


嘘・・・アンドレが・・後見人の立場を守るために・・・大叔母に嘘を言った?・・


私のために・・・

ああ・・私は、・・嫌な人間だな・・アンドレに幸せになれと言ったのに、ベルナデットと愛し合っていないと聞いて、こんなにも安堵している。

そして私のためだと聞いて・・こんなに、うれしくてたまらない・・


・・私が彼に嘘をつかせてしまったのに・・


私が彼に傍にいてほしいと願ったから

私が彼をどこにもやりたくなかったから

やさしい彼は私の願いを叶えるために必死で茶番を演じたのだ

彼は私のために家名と財産目当てだと疑われ、そして今度は私の姿かたち目当ての連中と同じ疑いをかけられ、そしてどうしようもなくなり嘘をついた。・・・

何もかも、私のためだ・・・

私がお前を後見人に望まなければ、こんな眼にあうことはなかった

私がお前に執着しなければ・・・お前が嘘をつくことなど・・なかったのだ

私は誰よりも清らかなお前の人生を汚してしまった・・・


「どうしたオスカル?」

突然黙ってしまったオスカルにアンドレは不安を覚えた。


これが唯一私に出来る、彼のために出来ること

「ごめんよ、アンドレ」

「こんな私の後見人になったばかりに・・お前は・・・」

「でも、もうそんなことをしなくてもいいんだよ」


オスカルの頬に涙が零れ落ちた


「アンドレ・・・もう十分だ」


これが私のお前への愛の形・・


「私の後見人を・・降りてくれ」


「オスカル・・お前一体何を?・・」

アンドレには今オスカルが言った言葉が信じられない


オスカルが、アンドレを後見人の座から降りろ、という。


決してオスカルが望まない言葉をオスカル自身が口にするなど


アンドレのために私が出来ること・・それは・・・私がお前を自由にすること


「お前といると楽しくて・・お前は私に優しくて・・、時には厳しい時もあったが・・・でもそれも私にはうれしかった・・」


「アンドレ好きだよ、大好きだ」

「お前は私を幸せにしてくれた」

「でも、お前はこんなところにいるべき人じゃないんだ」

「だから・・・もう自由になっていいんだ」


「お前の・・オスカルを、愛する人を、探しに行くがいい」


笑って言うつもりだったが、やはり私には・・無理だ・・


さよなら、私のアンドレ・・・



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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 6

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2016/11/17 (Thu) 21:02

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2016/11/17 (Thu) 21:17

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2016/11/17 (Thu) 23:52

うさぎ

Re: No title

N様オスカルちゃんの気持ちが伝わったみたいでうれしいです。

アンドレがこれ以上自分のために傷つかないための選択です。

これも自分が運命の相手だと確信できない二人だからこそ答えですが。

今回は明るい気持ちになれるかもです。

2016/11/18 (Fri) 17:14

うさぎ

Re: No title

Y様お久しぶりです!

今回のお話見てくれていたんですね、うれしい!

オスカルちゃん、今まで絶対に口にしなかったアンドレとの別れを切り出しました。

気持ちがわかるだけに哀しいですね。

先日の死にそうなオスカルちゃんもアンドレのことだけ考えての行動です。

今日は、明るい展開を見ていただけます、やっとこさ。

2016/11/18 (Fri) 17:19

うさぎ

Re: お互いに相手を思い合う…

MI様の言い方で、かなりのショックを受けたことが想像できます。

もしもと言っている、焦るな、に感銘してくれましたか!

あれは何故だかふっと頭に浮かんだんですよね、別に特に必要だとは思わなかったですが、何でだか、入れたほうがいいように思い、取り入れてみました。

私もMI様と同じく、アンドレの口元を手で押さえるオスカルちゃんが想像できました。

気に入ってもらえてよかった♪

2016/11/18 (Fri) 17:22