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うさぎ

その後の婚約者殿⑰

アンドレの運命の人は私ではないと・・

クリスティーヌはアンドレの拒絶の台詞に言葉を失っていた。


「オスカルが俺を愛したのではない・・俺がオスカルを愛しているんだ!」


「だから、君にも、他の誰であっても俺達の仲を邪魔してほしくない」


アンドレはクリスティーヌの考えを否定する言葉を次々に声にしていった。


「君は俺が貴族の称号目当てで求婚する男だと思うのか?」

「貴族で美しい女性なら誰でも簡単に心を移す男だと俺を思っていたのか?」

「そう思っていたならお笑いだ、俺ほど一人の女性に心奪われてしまった男はいない」


これまで見たことの無いアンドレの冷たい台詞

まさかアンドレがこんな冷たい言葉を・・

いつもと違うアンドレの突き放すような言葉にクリスティーヌは驚きを禁じ得なかった。


「クリスティーヌ・・もしも君が俺の運命の相手なら、たとえ君が幼い頃でも気づいたはずだ」

「きっとわかる、愛する人にめぐり合えたら、この人だと」

「何故なら、俺はオスカルに出会ってすぐに心惹かれた」

「出会って・・すぐに・・!」

それは胸が痛む言葉

あれほどの歳月をともにした私には感じなかった想いをオスカル様には感じたと・・・


「俺は8歳のときおじいちゃんにパリに連れていかれ、そこでオスカルと出逢い、オスカルの、気高さと愛情深さに強く惹かれ、生涯の妻にしたいと望んだ」

「仕事に打ち込んだのも彼女に求婚するための財産がほしかったからだ」


「そんな!信じられない、たった8歳で?」

クリスティーヌは思っても見なかったアンドレの告白に動揺したが、驚く様子もかまわずアンドレは話し続けた。


「人を愛するのに、年齢とか条件とか、関係ない」


「子供であっても、身分が違っても俺はオスカルを愛した」

「俺は君が想ってくれた年月よりも長くオスカルを愛し続けたんだ!」


「オスカルは・・すぐには気づいてくれなかったが、いつの間にか俺の想いに答えてくれた」

「伯爵に反対されて、離れた時期もあったが、、彼女は俺の許に戻ってきてくれた」

「貴族の身分も名誉も全てを捨てても俺を愛していると彼女が言ってくれたんだ・・」


「俺にとってそれは奇跡のような出来事だった」


感慨深い表情で高揚するようにアンドレは語った。


「クリスティーヌ・・運命の女神に愛された喜びが君にわかるだろうか?」


「決して手に入らない、叶えられない願いをこの手にした喜びが・・」


「オスカルが側にいて愛してくれる、これ以上の望みなどない」


「オスカルを幸せにするためなら何でもする、何だって出来る」


「こんなにも愛しいと思えるのは、俺をこんな幸せな気持ちにさせるのは、オスカルだけ」


「オスカルだけなんだよ」


「決して・・クリスティーヌ、君ではないんだ」



アンドレはオスカル様を愛するのが運命、彼女に愛されることが幸せだと・・

それは決別の言葉、もうアンドレはあの優しい彼ではない


アンドレが・・・彼がこんな激しく、人を愛するなんて・・

そんなにも長くオスカル様をずっと想い続けていたなんて・・


そしてこんなにも残酷に私を傷つけてまでオスカル様を守ろうとする

オスカル様が・・うらやましくて妬ましい・・こんなにまで彼に愛されるなんて・・


クリスティーヌは知らず知らずのうちに涙を溢れさせていた。

哀しくて悔しくて・・・それなのに、何故なのだろう?

アンドレのこんなにも深い想いに感動すら覚えている自分がいる・・


クリスティーヌはアンドレの顔を見ることも出来ず、顔を伏せて声を漏らしながら哀しげに泣いた。

その様子はアンドレの心を締め付けた。

だがこれは彼女の心を知ろうとしなかった自分への罰なのだ。


「クリスティーヌ・・いつか君の運命の人に会えるよ」


それはアンドレの慰めの言葉、だが彼が遠くに思える言葉でもあった。


「でも・・それは貴方では、ないのね」

クリスティーヌは涙する顔を上げた。


「そうだ・・君の気持ちには答えられない、・・ごめんよ」

「だけど、どうか幸せになってほしい」


アンドレは辛い気持ちでクリスティーヌに詫びた。


クリスティーヌは絶望的な気持ちになった。

結局・・私の独り相撲・・

アンドレの愛はオスカル様のもの

私の入れる隙は一片もない

アンドレの愛は手に入らない、彼の心は変えられないのだから



「では、もう行くよ」


やがてアンドレは部屋の外に歩き出そうとした。

「待って!」

クリスティーヌに呼び止められ、振り向くと彼女がまっすぐに背を伸ばし手を差し出していた。

せめて・・どうか・・

「私のお願いは」


「どうか最後に・・レディーとしての、キスを・・」


それは彼女の最後の願い

彼には妹ではなく一人の女性としてみてほしかった。

せめて、最後だけでも・・・


アンドレはクリスティーヌの願いを聞き届け、彼女の前にひざまずき彼女の手を取り甲に口付けをする。

そして顔を上げ彼女を見つめ最後の言葉を告げた。

「では、マドモアゼルクリスティーヌ、お元気で」


彼は最後の一瞬をレディーとして見てくれた。

アンドレやはり私は貴方を嫌いになれない

さよなら、私の初恋、貴方の運命の人になりたかった。

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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 8

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2017/02/17 (Fri) 20:57

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2017/02/17 (Fri) 23:37

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2017/02/18 (Sat) 07:40

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2017/02/18 (Sat) 10:54

うさぎ

Re: No title

AN様アンドレはもう自分は昔の優しい彼ではないのをクリスティーヌに教えたのです。

もちろん心中は辛いのですが、中途半端な態度はオスカル様に、そしてクリスティーヌ自身にも良くないとの判断です。

それには自分の心の全てをさらけ出す、これがクリスティーヌへの礼儀だと考えました。

以前オスカル様がアランに何故アンドレなのかを告げたのと同じです。

クリスティーヌは、真実アンドレが好きだったのです。

大事な思い出だし、やはりアンドレが嫌いになれない、このほうが切なくて好きです♪

2017/02/18 (Sat) 15:48

うさぎ

Re: 出来過ぎなくらい、いい人だ~

MI様出来すぎなくらいいい人だ~の文字でこれはクリスティーヌ?それともアンドレ?と悩みましたが。

アンドレのほうだったのですね、良かった良かった。

愛しているって言ってくれる女性にこんな言い方はきつく思われる場合もありますからね。

でもアンドレの真意が伝わってよかったです。

クリスティーヌにあきらめてもらいオスカル様を不安にさせないには自分がきっぱりとした態度で臨むべき。

そして彼女への最後の礼儀として自分の本心を飾ることなく伝える。

今まで幼馴染で妹のようにしか扱ってこなかった彼女に大人の女性として別れを伝えたのです。

アンドレの別れ方の全てを理解してくれてありがとうございます。

2017/02/18 (Sat) 15:58

うさぎ

Re: スッキリ爽快!

TM様こんにちは!

最近インターネットがおかしくなりますね?私もブログに入りにくい時あります。

アンドレの説得良かったですか!良かった、うれしい!

アンドレは知っておられるでしょうが、原作でも、これほどまでに!と思うほどオスカル様を愛してました。

そんな彼だし、あのかっこよさで、このようなキザな台詞を言っても似合うんです。

だから、出来るだけ情熱的な言葉にしています。(恥ずかしいけど)

でも、やはり女なら言われてみたいですよねやっぱりそうですよね、特にアンドレに言われたら卒倒するでしょう。(無いけど)

ああ、そうそうルイーズですね「オスカルの選択」の。

あれは軽い調子でアンドレ断りましたが、TM様のおっしゃるとおりクリスティーヌは本気だし可愛がってた女の子だから、真剣に伝えなくてはね。

アンドレはオスカル様に甘いですから忘れているってわかったときも、仕方ないって思ってしまうんです、(いじらしいわ)

オスカル様は原作でもアンドレにひどかった・・

ジェローデルに結婚の話断るときに、恋愛の対象としてみたこと無かったみたいなこと言った時はひきました。

だってその前にさんざん愛しているって迫られた後にまだ異性として意識してない?(ちょっとオスカル様が嫌いになってしまいました、ひどいなって、しかも、心の中では愛しているのにまだ気がつかない鈍いもいいとこ)

まあ原作へのいじりはこの辺にして今回の婚約者殿はその後の様子とオスカル様のやきもちが爆発した話です(笑)

コネタみたいですが、結構長くなりました。

いつもありがとうございます。

2017/02/18 (Sat) 16:19

うさぎ

Re: もしや。

TM様よくこんなの見つけましたね!(すっかり忘れてました)

ごまかすのが下手なので正直にいいます。

くわしいことはいえませんが記事は私です、しかしサイトは私のではないのです。

2017/02/18 (Sat) 16:23