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うさぎ

恋しい婚約者殿①

オスカルが朝目覚めると、いつものグランディエの屋敷のベッドの上なのだが。

いつもと違うのは、自分の横にはアンドレが眠っていること。

しかもお互い服を着ていないではないか!

一瞬戸惑ったが、すぐに思い出した。

そうか・・・夕べ私達は・・・

思わず恥ずかしくなったが、うれしくもなった。

だって私達は結ばれたのだから・・・

まだ眼が開いていない彼をじっと見つめてみる。

一緒にシーツにくるまれて眠るなんて夢みたいだな。

私の黒い太陽、私のアンドレ・・

幸せな気分でいると、時間は早く経つものだ。

ではいつもの儀式を始めよう

彼の寝顔に顔を近づけてそっと唇を重ねていく。

少し触れた時点で、もう彼の黒い瞳が動き出した。

ああ、やはりお前はすぐに気がついてしまうんだな。


そして彼の両手が伸びてきて顔を捕らえられてしまい、そのまま深く口付けされてしまった。

彼のやわらかいぬくもりが唇から伝わってくる。

ようやく彼が両手の力を弱めたので唇を離す事が出来た。

私が照れながら「おはよう」というと

彼は笑顔で「おはよう」と返してくれた。

そして今度は裸のまま突然ガバッと起き出したかと思うと突然抱きしめてきた。

「お前!まっまだ服を着ていない!」

焦って一言叫ぶと

「何をいまさら!夕べから二人とも裸じゃないか!」

と返されてしまった。

「そ、それは・・・服を・・脱がないと・・・」

「出来ないから・・・」

何でこんなこと説明しなくてはいけないんだ

朝っぱらから

再び恥ずかしさのあまり口ごもるオスカルをアンドレは笑い顔のまま抱きしめていた。

「そうだよ、夕べ愛し合ったから、そのままの姿なんだ、」

「だから、もうお互い恥ずかしがる間ではないだろう?」

そういわれればそうなのだが、やはり恥ずかしい

「あ、あれは夜暗いから恥ずかしくないが、今は明るい朝だ!」

オスカルはアンドレの胸元から離れシーツに身をくるみ、ついたての向こうに移動して服を着替えを始めた。

アンドレも仕方ないとベッドから立ち上がり自分も着替えを始めた。

「オスカル」

「何だ?」

「夕べお前に話したバラを見に行かないか?」

「え!いいのか」オスカルは急いでついたてから顔を出した。

「もちろんじゃないか、お前のためのバラなんだから」

「朝食を済ませた後二人でバラ園に出かけよう」

「うれしいぞアンドレ!」

オスカルはまだシャツしか着替え終えてない状態でついたてから飛び出しアンドレに抱きついてきた。

食堂ではおばあ様とロザリーが二人を待ちかねていた。

「おばあ様、朝食に来るのがあまりにも遅いわ、二人を起こしにいきましょうか?」

「ほうっておきなさい、夕べは二人とも遅かったのよ、きっと・・」

おばあ様は含み笑いしながら答えた。


その後二人は何食わぬ顔で食堂に着いたが、おばあ様とロザリーはニコニコしながら二人を見つめるのだった。


そして約束どおりにバラ園に二人で出かけた。

アンドレとオスカルを見つけバラ園で働く人たちが声をかけてきた。


「アンドレ様、オスカル様もおはようございます」

二人はおはようと返した。すると小作人達は夕べのパーティーの話を始めた。

「夕べのワインパーティーはかなり盛況だったようですね」

「手伝いに行った子達が言ってました、旦那様の主催者ぶりはいつもながら見事だったそうですが、パートナーのクリスティーヌ様も素晴らしいお働きだったとかで・・・」

「やはり、美しいパートナーであればパーティーは盛り上がると評判でした」

「これでグランディエのワインもバラも、より世間の注目を浴びることでしょう」

バラ園で働く人たちにも夕べのワインパーティーの盛況ぶりはわかっているようだ。

それは喜ばしいことなのだが、それがオスカルと並んでのパーティーならば、なおいっそう良かったのだがとアンドレは思う。

「ありがとう、みんな、今回クリスティーヌには世話になってしまった、これでうちの農園の評判がひろまればいいのだが」

「だが良い評判を広める一番の方法は良い品を作ることだ、だからみんなにはこれからも精進してもらいたい、頼むよ」

オスカルはこういう場面をみるとアンドレは農園主としての責務があるのだとつくづく感じる。

常にワインとバラを売る努力をしていかねばならないのだ。

貴族であれば、そんなことは人任せだが、真の実業とはこのようなもの、自分の力のみで資産を増やしていくのだ。

だからこそ、やりがいもあるに違いない。

それにいまだ協力できない自分が歯がゆくもある・・

「オスカル、待たせたな、お前に見せるバラはこっちだ」

アンドレがオスカルの許に戻ってきた。

そしてオスカルの手を引いてバラ園の奥に連れて行く。

そのバラは、バラ園の最も奥に咲いていた。
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Posted byうさぎ

Comments 5

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2017/03/09 (Thu) 22:27

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2017/03/10 (Fri) 00:24

うさぎ

No title

AM様こんにちは、待っていてくれたんですね♪

この物語は前回の続きなので、無事結ばれた直後です。

だからラブな始まりとなりました~。

ロザリーの幸せですか~、、今回もロザリーは脇役として活躍します。。

ロザリーの恋が思いつけばそのうちに~。

2017/03/10 (Fri) 15:49

うさぎ

Re: ヽ(^o^)/わーい♪

MI様早くも見つけてくれたんですね!

そうです、前回の直後から物語りが始まります。

愛し合った直後だからラブな展開♪

恋人同士が結ばれた後ってうれしくてふざけあったりしますよね。

アンドレに恥ずかしがること無いって言われてついたてに隠れたけど、やはり二人の距離は縮まっています。

今回も結ばれるために頑張る二人です。

2017/03/10 (Fri) 15:54

うさぎ

Re: お待ちしていました!

TM様いつもチェックしてくれてありがとうございます。

早かったですか!そーか20日も経ってないんだ。

悩む箇所があって進まない、どーしよーって苦悩してたから長く感じたのか?

他の作品も考えてみたんですが、今のところいい案が思いつかず、「婚約者殿」の続きなら何だか浮かびそうなので三度の登場です。

前回の続きだから、どーしてもいちゃいちゃしてる二人になってしまうんです(笑)

おばあ様もロザリーも二人は大人だし、愛し合ってるし、試練を乗り越えた二人だから幸せになってほしい気持ちが大きいのです。

おばあ様たちの頭の中では結婚してるも同じな関係なんでしょう(笑)

しかしTM様は先のこと見通していますね、もちろん試練はあります。

試練があるからさらに愛し合う二人だから(笑)

2017/03/10 (Fri) 16:07