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うさぎ

夢見るロザリー④

練習が終わり、私はオスカル様と一緒に帰るとき聞いてみました。

「あの、小耳に挟んだんですけど、今日の練習でオスカル様に話しかけてきた男子は、オスカル様のお兄様なんですか?」

「見ていたのか?そうだよ、アンドレは私の兄なんだ」

そうか本当だったんだ。

私は内心ほっとしました。

もしかして二人は好きあってるのかもしれない、と思っていたのですから。

「あ、そうだ今度、私の家でバーベキューパーティーを開くんだけど、ロザリーも来ないか?」

「バーベキューパーティーだなんて楽しそう、是非お伺いします」

ほっと安心した後のオスカル様からの思わぬ自宅へのお誘いに私の胸は弾みました。


当日初めての訪問に胸をドキドキさせながら教えていただいたお家の地図を頼りに私は尋ねていきました。

オスカル様のおうちは会社を経営しているというだけあってお屋敷のように広いおうちでした。

インターホンを鳴らすと迎えてくれたのは、何とお兄様のアンドレでした。

「やあ、いらっしゃい」

「オスカル、友達が来たぞ」

「やあ、ロザリー待ってたよ」

すぐにオスカル様が来てくれて、早速お兄様のアンドレを私に紹介してくださいました。

「こちらは、私の兄のアンドレだ、アンドレ、こちらは私の親しくしている友達のロザリー」

「はじめまして、オスカル様のお兄様、ロザリーといいます」

「はじめまして、ロザリー、でも俺のことはアンドレって呼んでくれ」

「そうだな、アンドレはお兄様って柄ではない」

「お前がいつになってもアンドレって呼び捨てにするから、そのほうがしっくり来るようになったんだよ!」

「わかったよ、お兄様」

こんな風に笑ってふざけるオスカル様はめずらしいです。

よほどアンドレとは仲のいい兄妹なのでしょう。

その後お母様にも紹介していただきました。

お父様はお仕事が忙しくてお留守でしたが。

「今日はお招きいただいてありがとうございます」

「こんにちは、楽しんでいらしてねロザリーさん」

綺麗でやさしそうなお母様でした。

でもオスカル様とは全く似ておらず、黒髪で黒い瞳、どちらかというとアンドレに似ている。・・

それにしてもオスカル様のご家族は美形ぞろいです。

お母様も、アンドレも・・・


バーベキュー会場はお庭でした。

私のほかにも数人のお友達を呼んでいてすでにコンロの前で集まっている状態でした。

「紹介するよ、アンソニーとポーラとロジーヌとジャコブだ」

「はじめましてロザリーさん」

「よろしく、可愛い子じゃないか」

「本当、オスカルが気に入るのも無理は無いわ」

「めずらしいな、オスカルが自宅に呼ぶほど気に入るなんて」

「皆さん、今日はよろしくお願いします」

私は急いで挨拶を返していきました。

皆さん上級生の方ばかりで、アンドレの友達のようです。

考えてみればオスカル様はそのカリスマ性で上級生にも一目置かれていますが

それは、アンドレによる影響も大きかったのです。

コンロの上ではもう串にさしたバーベキューのお肉が焼かれていて美味しそうな匂いが漂っています。

「ロザリー、遠慮せずに食べてくれ」

オスカル様はお肉を焼く係りを担当していて私にもくしに刺したお肉をお皿に入れてくれました。

「ありがとうございます、ではいただきますね」

お庭でいただくお料理は美味しいし、オスカル様と並んでお話が出来るから最高に満足でした。

「炭焼きって余分な油が落ちて美味しいですね」

「炭をもう少し増やしたほうが火のとおりがよくなりそうだ」

オスカル様はコンロの中の炭を敷き詰めた場所に新たな炭をトングで増やしていきました。

その時でした、いこった炭が爆ぜ、コンロから飛び出し、オスカル様の手に命中してしまいました。

「痛っ!」

「オスカル様大丈夫ですか!」

心配して駆け寄ろうとしたとき、私の横を通り抜けていく影が見えました。

「オスカル大丈夫か、見せてみろ」

先程まで友人と談笑していたアンドレがオスカル様の叫び声を聞きつけていち早くかけつけてきたのです。

そしてオスカル様に駆け寄り介抱しはじめました。

「ちょっと炭が爆ぜて手に当たっただけだ」

「やけどしてる、早く水で冷やさないと」

アンドレはオスカル様の腕を取り、肩を抱くようにしてそのままおうちの中に連れて行ってしまいました。

私は二人の後姿をハラハラしながら眺めていましたが、その横でお友達の会話が聞こえてきました。

「全くアンドレはオスカルの世話係だな」

「ほんと、いつでもオスカルが最優先なんだから」

「昔っからそうだ」

確かに先程のアンドレの心配そうな顔は尋常ではありませんでした。・・

私はオスカル様がなかなか戻らないので心配になり、中にいる二人の様子を見に行きました。

二人はキッチンにいました。

オスカル様は椅子に座りボールにためた水にやけどした手を浸してじっとして、それをアンドレは心配そうに見守っていました。

「痛むか?」

「だいぶん、痛みは引いてきたよ、もうしばらくすれば何ともなくなる」

「アンドレ、友達を待たせるのは悪いよ、私のことはいいから、庭に戻って」

「余計な心配をするな、このまま側にいてやるよ」

「本当に心配性だな、お前は私なら大丈夫だよ」

「痛みが引いたら薬を塗ったほうがいいな、出しておくよ」

オスカル様を心配して離れようとはしないアンドレ。

こんなに妹思いのお兄さんっているのでしょうか?

間に入ってはいけない雰囲気でしたが、それでも勇気を振り絞り話しかけていきました。

「あの・・・オスカル様大丈夫ですか?」

「ああ、ロザリー途中でいなくなってすまなかったね」

オスカル様は私がいるのに気が付きすまなそうな顔で答えてくれました。

「いえ、お怪我をされたのですから当然です、それよりオスカル様のお側についていてもよろしいでしょうか?」

「そうだな、アンドレ私はロザリーについていてもらうよ」

「しかし・・」

「いいから、お前は友達のところに戻るべきだ、私はロザリーに相手してもらうから」

「私が見ていますから安心してくださいな」

「そうだな・・では、任せるよ」

アンドレはまだ心配そうでしたが、庭のバーベキュー会場に戻っていきました。

「あの、私、お邪魔してしまったでしょうか?」

「いや、気にするな、アンドレは私をかまいすぎるところがあるからな」

「本当に妹思いのお兄様なんですね」

私はオスカル様の横に座りながら言いました。

それに対してオスカル様は心配そうに言うのです。

「あの・・ロザリー」

「はい?」

「アンドレのこと変だなんて思わないでほしいんだ」

「え?」

「アンドレはあのように私に対して心配をしすぎるところがある」

「でも、それには訳があるんだ」

「訳?」

「私とアンドレは血のつながりが無い」

「アンドレの母と私の父は再婚同士で結婚した、アンドレは母の連れ子なんだ」

それは私にとって驚きの事実でした。

「アンドレとの出会いは私が7歳でアンドレが8歳の時だ、私は新しい母と上手くいくか不安で一杯だったけど、その不安を払拭してくれたのがアンドレだ。」

「彼は最初から私に優しく話しかけてくれて、母とも上手くいくよう間を取り持ってくれた」

「一緒にいると楽しくていつも優しくしてくれた、そんな彼を私はすぐに好きになったよ」

「彼は私と仲良くなれば家族が幸せに暮らせると子供心に考えたのだろう、一緒に暮らすようになってからも彼はずっと私の面倒を見てくれた。」

「そのお陰で私は寂しい思いをすることなく今までこれた、だけど、大きくなった今でも彼はあの通り私を心配する癖が直らなくて周りからはシスコンだなんていわれる始末だ。」

「私もアンドレをいつまでも頼っていてはいけないのだがな、結局いつもこうなってしまう」

オスカル様はやけどした手を私に見せながら言いました。


二人は血がつながっていないけれどお互いを深く思いあうことで家族になれた。

私はアンドレが何故オスカル様をあのように気遣うのかオスカル様の話でわかったような気がしました。

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Posted byうさぎ

Comments 14

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2017/06/26 (Mon) 16:33

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2017/06/26 (Mon) 18:23

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2017/06/26 (Mon) 19:22

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2017/06/27 (Tue) 08:57

うさぎ

Re: タイトルなし

TO様、驚かせてしまいましたね。

お知らせに書くべきか悩んだんですが、最初からわかれば面白くないだろうか?なんて思えたもので。



2017/06/27 (Tue) 14:54

うさぎ

Re: No title

AN様再び「夢であえたら」読了ご苦労様です。

いまさらですが「夢であえたら」を少し前からのお話にしてロザリー目線で書きました。

「夢であえたら」は、意外とお二人の親しい時期は描かれてません。

だから、その時期も含めて描けば面白くなりそうに思えました。



2017/06/27 (Tue) 15:03

うさぎ

Re: 失礼しました(汗)

OO様本当に楽しんでくれていたのですね、ありがとうございます、とてもうれしいです♪

ロザリー目線だとお二人の感情が描けないので、つまらないと感じる人もいるはずですからね。

「夢」シリーズだとわからないのは当然かもしれません。

ロザリー目線という初の試みとオスカル様が王子様のように登場しましたし。

本当にロザリーの恋物語だけか、と思いそうですもんね。

2017/06/27 (Tue) 15:09

うさぎ

Re: No title

YA様ただいま帰りました。

YA様、カテゴリの作品見直してくれただけに、「夢であえたら」だっておわかりになったんですね。

「夢であえたら」のラストはね~、ブログサイトから削除されたんですよ、いきなり。

何が駄目だったのかはっきり書かれてなくて、それも最終回だけ。

サイト側に聞いたけど連絡無しだし、いまだに謎です。

だから、ある日ブログ自体がなくなることもあるのかなあって不安もあります。

2017/06/27 (Tue) 15:15

うさぎ

Re: 初恋

MI様そうです「夢」シリーズでした♪

そーか、MI様はベルばらをリアルタイムで見ていたわけじゃないから、男性っぽいオスカル様への萌えをしらないんですね。

それが今回のロザリーの立場で見て理解できたんですね、良かった、良かった。

原作もロザリーの切ない場面がありましたが、今回のは、違う意味で切ないです。

同性だから結ばれないのは原作と同じだけれど、今回はアンドレが側にいるのも切ない感情の理由のひとつ。

このロザリーのオスカル様への切ない感情が今回のテーマにもなっています。

2017/06/27 (Tue) 15:22

うさぎ

Re: No title

KO様、やっぱりわかりませんよね、「夢」シリーズだったなんて。

私もロザリー目線にして、ロザリーから見たオスカル様にしたら、全く違う雰囲気になって驚きでしたもん。

KO様!超能力者ですか!今回はまさにダンスパーティーの回です。

しかもロザちゃんが、ちょっと辛いし。

2017/06/27 (Tue) 15:25

うさぎ

Re: 再掲載、ありがとうございます!

TM様こんにちは「夢であえたら」最終回アップしてみました。

最終回はアンドレの手術を行う前にプロポーズ、でした。

そうですか、そういえば他のはアンドレ失明なしだから、安心できますが、「夢であえたら」は現代版なのに失明アンドレですから

TM様は連載のとき、それはかなり辛かったでしょうね。(また再燃させてしまうかな?)

バーベキューのときのアンドレの様子。

他人がみれば、どれだけシスコンなんだって思われるくらいの心配ぶりです。

でもそれは、もうこの時点でアンドレがはっきりとオスカル様への愛を認識しているからです。

そのことにオスカル様を必死で見つめるロザリーが気がつかないわけありません。

今回の「夢見るロザリー」は一回目と二回目を見る限りでは、単なるロザリーの初恋物語と見れますが、実はロザリーから見るお二人の物語なんです。

「夢であえたら」では後押しの役もしながら、深くは描かれなかったロザリーの役目

でも「ロザリーの夢」では、オスカル様に思慕を持っていたロザリーは、この時点でお二人のことをどう考えていたのか?

自分の気持ちをどう完結させたのかを描いていきたいです。







2017/06/27 (Tue) 16:08