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うさぎ

夢見るロザリー⑲

「アンドレはオスカル様が自分の眼のことを知れば決して側を離れず一生面倒を見ようとする、といいました」

「アンドレは、オスカル様を眼の見えない自分に縛り付けたくないから立ち去ったんです」

「オスカル様を不幸にするなど出来ないと、・・そして」

「眼の見えない自分をオスカル様はいつかきっと・・・嫌になると・・」

こんな大事なことを秘密にしていた私をオスカル様は許すことなど出来ない

きっと嫌われてしまう!

わかってはいましたが、それでも私は言わずにはいられませんでした。

愛する人が自分のせいで不幸になる、そしていずれ心まで離れていくアンドレの辛さと苦しみが

あの時、私にはわかってしまったのです。

「ごめんなさい、オスカル様、私どうしてもいえなかった」

私は泣きながら許しを請いました。

「アンドレはオスカル様との思い出を綺麗なまま胸にしまいこんでおきたかったんです」

「一緒にいたとしてもオスカル様の心が離れていく、彼にとってそれがどれだけ耐え難いことか、私にはわかったんです」

「ごめんなさい、オスカル様、ごめんなさい・・・」

私には心から謝るしかできない、だって許されないことをしたのだから。

何も言わないオスカル様は私を許せないのだろうと思っていました。

オスカル様からの信頼も友情も失う!

私にはとても耐え難く、そしてふさわしい罪の報いです。


でも、その時でした。

「ロザリー、かわいそうに、辛かっただろうね」

「私のためにずっと胸を痛めてくれてたんだ」

「・・悪かったね」


思っても見なかったオスカル様からのいたわりの言葉・・


信じられない気持ちで私はオスカル様の顔を見上げるとオスカル様は再び涙を流していました。

「でも安心して、君が思い悩むことは無いんだ」

「わかっているんだよ、もうアンドレの眼がもう私を写さないことも」

「もう以前のアンドレではないことも」

その時のオスカル様の言葉は私には、まるで罪人を許す神の声のように聞こえたのです。


「だけどね、ロザリー、君は間違っているよ」

「いや、君だけじゃない、アンドレもだ」

「アンドレは・・バカだ、彼は両目だけでなく、心の眼まで見えなくなっているんだ」

「何で、私にも苦しみを分けてはくれなかったんだ、私達は喜びも悲しみも分かち合って生きてきたのに・・」


「私・・アンドレがいなくなってから、ずっと辛かった。」

「何が一番辛かったってアンドレが私を愛していないって言われたことだ」

「アンドレが私を愛していないのだから・・彼をあきらめなくちゃいけないって、じっと耐えて我慢してた。」

「だから、彼が私を想って去っていったってことを知ったときは、うれしくてたまらなくて・・」

「だって、・・私とアンドレって変だろう?兄妹としてずっと一緒に暮らしてきたのに」

「アンドレじゃないと駄目で、いつも側にいたくて、離れたくなくて」

「でも、そう思ってたのは私だけで、アンドレは違っているといわれたのが私には、何より辛かった」


「ロザリー・・人は一人では生きていけないよ」

「だからこそ、神は対の相手を作られたんだと思う。」

「それは、どんなに離れていても心が結ばれていて、何があっても愛せるただ一人の人だ」

「その人といれば、どんな厳しい現実でも力強く生きていける、そのために神は結ばれるべき相手をお作りになった」

「私の対の相手は、アンドレだ」


「私は彼を嫌になんてならない、嫌になるわけがないんだ」


「彼の眼が見えなくても、私を見ることが出来なくても、一緒にいたい」


「だって・・心が求めてしまうんだよ、会いたくて会いたくて、胸が張り裂けそうなほど痛くてどうしようもないほどに・・恋しい」

「こんな想い他の誰に感じろというの!」


泣き顔で熱く叫んだオスカル様を見て私は思いました。


オスカル様は・・・一人で耐えていた

失った対の相手を想って、必死で耐えていたんだ。・・・


しかしその後オスカル様は涙をぬぐい、思っても見なかったことを口にしました。


「でも、ロザリー心配しないで、私は不幸になんてならないから」

「私が彼の眼を治す」


オスカル様の突然の言葉に私は驚きながら再びオスカル様の顔を見上げました。

私にオスカル様は笑顔を向けて再び告げるのです


「私は医者になるよ」

「そしてアンドレの眼の光を取り戻す」

「人生をかける目標が出来たのだから、私は決して不幸ではないんだ」

「約束する、きっと二人で幸せになるから・・安心してロザリー」


その時のオスカル様は強く誇らしげで自信に満ち溢れていて

私の恋した時のままの姿でした。

でもこの姿はアンドレがいるからこその姿・・


私は・・・今まで、何を見ていたのでしょう

あれほどの結びつきを目の前で見ていながら、まだ私はお二人の関係をわかってはいなかった。

貴方はその愛情で彼の心を救う

そして、たとえ彼の眼に光が戻ることが無くとも、変わらぬ愛で彼を包んでいくでしょう、貴方なら・・

オスカル様とアンドレの二人の愛は私が思っていたよりもずっとずっと強いものだったのです!


私は、返答する代わりに見送りの言葉を言いました。

「オスカル様・・いってらっしゃい、お気をつけて」

「アンドレと一緒に戻ってきてくださいね」

オスカル様は明るい笑顔になり、スーツケースを片手に持ち、もう片方の手を軽く振りながら私に別れを言いました。

「うん、では行ってくる、戻るときはアンドレも一緒だ」

そして、背を向けて走り出したのです。

朝日を受けて金色に輝く髪をなびかせて。

愛する人をその手に取り戻すために、あの方は雄雄しく旅立っていかれました。


その姿は、まぶしくて美しく誇り高く、私が恋したとおりの夢の国の王子様そのものでした。


オスカル様 私は貴方に恋をしました

最初からかなわぬ恋ではあったけど、

それでも、私はこんなにも美しく誇り高く高貴な貴方に恋をした、そのことが私の誇りです。

貴方に恋したことこそが、私の・・・

この瞬間に私のオスカル様への恋が終わったのです。


オスカル様、ロザリーは貴方に恋をして・・・良かった。



オスカルはドイツに渡り、目的の病院に駆けつけた。

ナースセンターで聞いたところ彼は庭に出ているといわれ、病院の庭に出て行った。

木陰のベンチのすぐ側に車椅子が止まっている

そしてベンチに、彼がいた。

懐かしさと愛しさで涙が出た。

側に行くと彼が気配を感じて声をかけてきた。

「看護師さん?」


「アンドレ、私が見えないのか?」

「オ・・・オスカル」

「ようやく、見つけた」

 もうはなさない・・・

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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 6

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2017/07/11 (Tue) 18:43

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2017/07/11 (Tue) 21:24

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2017/07/12 (Wed) 08:09

うさぎ

Re: No title

AN様、そうです、ロザリーはアンドレの失明のことを言わなかったことを責められるものと考えてました。

けど、オスカル様にとって、今はもういいんです。

それよりも自分をわかっていない二人がもどかしい。

AN様そろそろクライマックスだってわかってますね、お話がもうすぐ終わるのはいつも寂しくて気持ちがしんとなります。

いつも応援してくれてありがとうございます。

2017/07/12 (Wed) 13:37

うさぎ

Re: 輝くオスカル様!

TM様、ロザリー頑張りましたが、最後にはやはり泣いてしまいました。

これまで憧れ恋したオスカル様を裏切るような行為をしたから許されないと思うのは当然のことで。

憧れのお姉さまと妹の関係でもありますから二人は。

TM様私も「夢であえたら」で気に入ってるところは、オスカル様が医者になってアンドレの眼を治すところです。

現代であれば、視覚がよみがえることも可能です。

それもオスカル様自身が医師となりアンドレの眼を治すという。

誰もが出来るわけではないけど、それでも可能性としてある現代だからこそ出来る内容。

これこそが過去の苦しみを清算できる方法と考えました。

今回の最後にオスカル様が走っていく姿は想像できると思うんです。

朝日を浴びて波打つ金髪が輝き、小さくなっていく姿を。

TM様月日は流れてってほどではないですが、アンドレフランスの我が家に戻ってきました。

サービスカットまでいえるのかわかりませんが、出来るだけ幸せに終わらせたいものです(汗)



2017/07/12 (Wed) 13:51

うさぎ

Re: タイトルなし

KO様お嬢様、アンドレからすればお嬢様がこの世で一番可愛いJKなんです♪

衛兵隊転属のときくらいの決意ですね、でも目的はもっと大きいかと。

今日って7月12日のことでしょうか?

それならまだです、明日まで、の予定です。

最初思ってたより結構長くなったんですよ。

2017/07/12 (Wed) 13:56