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うさぎ

真実の恋人④

二人が再会して初めての休日の日。

オスカルはアンドレと二人でトゥールーズの街を観光することにした。

アンドレはトゥールーズに来て間もないので有名なトゥールーズ市庁舎をまだ見てはいないというのだ。

ここは絶対に見ておくべき場所だ壁にも天井にも素晴らしい絵が描かれていて、画家を目指す彼には興味深い作りなのだ。

二人は市庁舎を目指して歩いていくとあちこちにトゥールーズ特有の赤煉瓦の建物が眼に映る。


「本当に赤煉瓦の建物が多いんだな」

アンドレが感心するようにいうのでオスカルは最近知った知識を披露してみた。

「今ではトゥールーズの赤煉瓦は観光の目玉だが、もともと赤煉瓦が安いから多く使われたのだ、それが広まり街のカラーとなり、その赤い色ゆえにトゥールーズはバラ色の街と呼ばれるようになったのだ。」

「このキャピトル広場を抜けると市庁舎が見えてくるんだ、このキャピトル広場にはよく市が開かれて、本や洋服なんか安く販売される、私のこの服もここで買ったんだ」

自慢するように服を見せ付けるオスカルにアンドレはからかうように言う。

「お前も、いっぱしのトゥールーズっ子になったわけだ」


やがて市庁舎に着き、二人は中に入っていった。

市庁舎は外観の建物だけでもすごいが中の景色はそれをさらに上回るものだった。

まるで宮殿のような装飾を施してあり、見る場所の全てが豪華で素晴らしくこれが市庁舎とは思えないほどの豪華さだ。

特に回廊はまるでベルサイユ宮殿の鏡の間を思わせるほどに美しい

あまりの素晴らしさにアンドレは感動した。


「すごいな!思っていたよりも豪華な素晴らしい建物だ」

そして奥の間にアンリ・マルタン作トゥールーズの四季の絵が壁にそれぞれ飾られているのにもアンドレは注目した。

マルタンの絵は市庁舎内のほかの絵と比べ華やかさにかけるが、そこに描かれた景色や人々は優しく息づいて見るものを感動させるに十分であった。

感動してじっと絵を見ているアンドレの横でオスカルはアンドレのその様子を見つめた。

まるで子供のように夢中になってみている彼。

彼は、本当に絵が好きなのだ。

そして、私はそんな彼が・・好き。


そろそろお昼だ。

市庁舎やキャピタル広場の周りには良いカフェが並んでいる。

しかしオスカルはそのようなおしゃれなカフェに行くのではなく、近くの公園に行こうという。

あいているベンチに二人で腰掛けて、「ホットドックを買ってくる」といい、オスカルは二人分のホットドックとコーヒーを買って戻ってきた。


「お前、こんなので良かったのか?綺麗なカフェが沢山並んでいたじゃないか?」

女性ならそっちのほうを好むものなのに、アンドレは不思議に思った。


「いいんだ、これで」

オスカルは気にするそぶりも見せずにホットドックを口に入れ満足そうだった。

「うん、美味しい、思ったとおりだ」

「アンドレ、覚えているか?初めて公園でデートしたとき、お前は昼食にホットドックとコーヒーを買ってきた」

大学時代にアンドレと付き合い始めた頃のことをオスカルは思い出すように話し出した。

「そうだったな」

「公園で食事するなど初めてだったから驚いたが、あまりに美味しかったのでよく覚えている」

「トゥールーズに来てからも一人の昼食時は公園に来てホットドックを食べていたんだ」

「そうか、よほど気に入ったんだな」

しかしそれまで明るく話していたオスカルの声のトーンがいささか落ちた。


「だけど・・不思議なんだ、何度食べてもあの時お前と一緒に食べたときほど美味しく感じない」

「それが、先日あの時の私達と同じようにカップルが公園でホットドックを仲良く食べていて、」

「見るからに幸せそうで楽しそうな二人を見て気づいた」

「アンドレあの時お前が横にいたから最高に美味しく食べれたんだって」

「だから・・またこうしてお前とホットドックを食べて見たかった」

「だから・・・今最高に幸せだ!」

照れながらもうれしそうな顔をアンドレに向けるオスカル

その顔を見てアンドレは黙りこんでしまった。

「・・・・」

「アンドレ・・?」

「どうした?」

オスカルはアンドレが黙っているので気になった。

せっかく勇気を出していってみたのに

オスカルは内心不満に思いながら再びホットドックを食べ始めた。


しかしアンドレの答えは意外なもので

「いや・・・ちょっと・・・」

「お前があんまりうれしいことを言ってくれたから・・」

アンドレは自分と一緒にいて最高に幸せだといってくれたオスカルの言葉に感激していた。

「それに・・あんまりお前が可愛いから・・つい見蕩れた」

アンドレの言葉に今度はオスカルが驚いてしまった。

可愛い?

美人とか美形とかはあるが可愛いなど言われたことがない!


「お、お前の眼はどうなってるのだ、私のどこが可愛く見える?」

「そうかな?今俺の前にいるお前はすごく可愛く見えるんだが」

「だって、私はこのように冷たくみえるし」

「おまけに気が強いし、決して守ってあげたくなるタイプでもないのに、おかしいぞ」

可愛いといわれうれしいものの、ついつい強がりを言ってしまうオスカルだが

それでもアンドレの意見は変わらなかった。


「俺からすればお前はこの世で一番ほっとけなくて守ってやりたいやつだ」

「そして俺にはお前が世界一可愛く見えるんだよ」

アンドレに優しく言われ、オスカルは何もいえなくなってしまった。

しかし気持ちはうれしさで一杯だ。

そして口で言えない代わりに心の中でつぶやいた。


アンドレ、こんな私を可愛いと言ってくれるなら

私はお前のために世界一可愛い女性にだって、なってみせるよ

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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 8

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2017/08/26 (Sat) 16:12

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2017/08/26 (Sat) 23:53

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2017/08/27 (Sun) 09:03

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2017/08/27 (Sun) 10:32

うさぎ

Re: No title

AN様、こんにちは。

そーなんですよね、まだ再会して何とも初々しいお二人のデートです。

AN様もちろん過去のセクハラとアンドレの愛情表現とは雲泥の差ですわ、(同じこと言われたとしてもアンドレなら超うれしい、セクハラおやじなら腹が立ちます)

お二人のデートは豪華ではないけど、お互いを想う愛情一杯のデートでした。

アンドレのお誕生日に良い感じのお二人に出来てよかったです。

パリも良いけどトゥールーズもなかなかオスカル様に会いますよね。

調べてみたらすごくいい街なんです。









2017/08/27 (Sun) 13:52

うさぎ

Re: No title

おばあちゃん直伝のスープを食しておばあちゃんの話をして懐かしむ二人。

お二人にとっておばあちゃんは二人のおばあちゃんです。

しかし、オスカル様最初から大姑がいるんですね。

お二人のトゥールーズでの初めてのデートはかなり庶民的です。

それでも二人でいるってことに最高に幸せを感じているオスカル様でした。

アンドレのお誕生日が楽しいデートになり、私もうれしいです♪

2017/08/27 (Sun) 13:58

うさぎ

Re: ホットドッグは何故美味しい?

TM様こんにちは。

トゥールーズの街調べてみてくれたのですね、ここはパリほどではないですがフランスではかなり大きな街にあたります。

いろいろ調べていくと、バラ色の街っていわれてるし市庁舎は豪華絢爛だし、サン・ピエール大聖堂やサン・セルナン・バジリカ聖堂のような有名な建物もある非常にも応えのある観光都市なんですよね。

ここならオスカル様が住んでみたいって思うでしょうし、画家志望のアンドレがやってきてもおかしくない街だと思い採用しました。

ホットドックのくだりは、アンドレ主導の初めてのデートの再現をしたかったオスカル様です。

あの時はまだ心が通じ合ってなかったけど、それでもはじめての記念するデートだから、何度も思い出してたんです。

TM様、現在の難問に気がつきましたね、アンドレは内弟子、師匠の側で働き絵を描いていくお仕事です。

いつもいつもオスカル様に合わせられないのです。(忙しい仕事は大体そうですが)

TM様師匠の娘さんが出て行くなんて発想よく出てきましたね、私も爆笑です。

しかし、いずれはパリに戻るってのがお二人の最終目的かなあ?

だってパリには一人で待つおばあちゃんがいるから、パリはふるさとみたいなものです。

今日は、デートシーンはないものの、現実を考えてしまうくだりとなっています。

2017/08/27 (Sun) 14:24

うさぎ

Re: タイトルなし

KOA先生、「潤いのある生活のために。感じよう、人の気持ち。気がつこう、自分の心」なんて、よく思いつきましたね。

良いキャッチコピーじゃないですか、素晴らしいです(拍手)

今回のお嬢様の成績は優ですか、ありがとうございます。(アンドレは特優とか(笑))

アンドレ、さすがに外では押し倒せません(爆笑)

今のところ可能なのはオスカル様の階段無しのアパルトマンしかないですね。

でも、今のところ、ここがお二人の愛の棲家みたい♪

今日お邪魔虫のような存在は出てきますが、気にするほどではないのでご安心を。

2017/08/27 (Sun) 14:29