FC2ブログ
うさぎ

真実の恋人⑩

オスカルは仕事帰り、夕食の買い物をするために、スーパーに立ち寄った。

今日の夕飯はスパゲティカルボナーラと野菜サラダの予定だ。

生クリームを買うために乳製品売り場にいたとき、どこからか聞きなれた声が聞こえるではないか。

「クリスティーヌ、オリーブオイルはピュアではなくエキストラバージンの方でいいのかな?」


まさか!と思って振り向くとやはり彼だ。

向こうのほうでアンドレがいた。

彼とスーパーで出会うなんて!

アンドレはまだオスカルに気づいていないので、こちらから彼のほうに向かおうとした。

「ええ、そうよ」

「スモークサーモンのマリネを作るからピュアだと香りと風味が物足りないのよ」

だが、彼の隣で親しそうに話をしている相手がいることに気がつき、動きが止まってしまった。


「牛ヒレ肉も買ったことだし、買い物はこれだけ?」

「ええ、これで終わりよ、ご苦労様」

アンドレがクリスティーヌと買い物に・・

そういえば、買い物するときには一緒に行くといってたな。

「アンドレ、せっかく街に出てきたんだし、近くにおしゃれなカフェがオープンしたの、喉も渇いたし、そこで休憩しましょう」

「そうだな、買い物めぐりでお互い疲れたし、カフェで休憩しようか」

アンドレとクリスティーヌはオスカルに気づきもせずにカートを押して、会話しながらレジに向かった。


アンドレとクリスティーヌが一緒にカフェに・・・

オスカルはスーパーを出て住まいのアパルトマンへの帰り道を歩きながら考えていた。

考えてみればアンドレはクリスティーヌと同じ家で暮らしているのだ。

おまけに食事も作ってくれているのだから、買い物くらい付いていくし、誘われればカフェくらい行くこともある。

だってお世話になっているのだし、一緒に暮らしていれば親しくもなって当然だ。

クリスティーヌは、師匠の娘だから、弟子とすれば、心配りしなければいけない

だからといって二人はそれ以上の関係ではないのだから私が心配することは無いんだ。

アンドレの恋人は私なのだから。


自分に言い聞かせるように考えてみるものの、仲良さそうな二人の姿を直接見てしまうと胸が痛む・・


翌日職場仲間のルシアがオスカルに話しかけてきた。

「オスカル、今日お店が終わったら久々に飲みに行かない?」

今日はアンドレとの約束は無い

それに気晴らしすればこのモヤモヤも消えるかもしれない。

「わかった、行くよ」

オスカルは飲み会に行くのを了承した。


飲みに行く場所は最近ルシアが発掘した「モン・ローズ」という店。

ここは最近「エクレール」の近くに出来た店で、おしゃれな店でありながら値段も安くて料理も美味しいという。

オスカルはイレーヌとルシアとまず乾杯してワインを飲み始めた。

料理を何種類か注文してお腹を膨らませてはワインを飲んでいく。

「やっぱり仕事後のお酒は最高ね」

「全くだわ、疲れた後はアルコールが一番」

イレーヌとルシアはご機嫌で飲んでいくのだが、オスカルはいくら飲んでも酔えない気分だ。

「オスカル、どうしたの?やけに静かじゃない?」

ルシアがそれに気がつき話しかけてきた。

「片思いの彼と両思いになったんだから幸せ一杯でしょうに」

ルシアにもアンドレと再会して恋人同士になった話を伝えた。

そして彼は今画家の弟子をしていることも。

ルシアはアンドレの話を振ってきた。


「そういえば、彼レオン・ブランシュに弟子入りしてるんでしょ、画家って神経質な人が多いと聞くから苦労してるんじゃないの?」

「いや・・私が見たところ、とてもいい環境を与えられているよ」

「そうなの?でも気を使ってたりしないの?師匠の家族と暮らして上手くやっていけてるの?」

「ブランシュ氏は温厚そうな紳士だったよ、アンドレが来てくれて助かっていると言ってる、家族は娘さん一人で、師匠とも娘さんとも仲良くやっていってる様子だった」

「娘さんがいるの?どんな人だった?」

「そうだな・・綺麗だし、女らしい、毎日の夕食にフルコースを出すほどの料理上手だ」

「アンドレはその娘さんにも好意をもたれていて一緒に買い物に行ったり、散歩したりもするんだ」

「先日スーパーで二人を見かけたんだけど買い物しながらその後カフェに行こうって話しをして楽しそうだった」

いつの間にかオスカルは自分の不安な気持ちを二人に話していた。


「そうだったの、オスカル、彼が取られないか心配なのね」

 シリアだけでなくイレーヌも話を聞いて心配してくれた。 

「わかるわ、せっかく再会した彼が先生の娘さんとはいえ、綺麗な女性と暮らしていて、おまけに料理が抜群に上手で、しかも彼に好意を抱いているなんて」

シリアとイレーヌはオスカルの元気の無い様子の意味を理解した。

「私はそんなつもりでは・・」

オスカルはお酒の勢いもあって自分が本音を明かしていたのに気がついた。


シリアとイレーヌは代わる代わるにオスカルを説得し始めた。

「心配して当然よ」

「オスカル、貴方はもっと彼に甘えていくべきよ」

「甘える?」

「そうよ、貴方のことだから、くっついていったりしないんでしょう?」

「そんなんじゃ彼を師匠の娘に取られてしまうわよ」

「男っていうのはね、可愛く甘えてくる女性を好むのよ」

私が甘えるのが下手だから・・

言われてみれば、そうかもしれない、再会した後キスは何度もしたが、それ以外は大学時代の時と同じで進展は無い


「しかし、甘えるといってもどうやって?」

「決まってるじゃないの、愛してるとかそばにいてほしいとか正直に言って迫っていくのよ」

「そ、そんな恥ずかしいこと出来るか!」

「オスカル、そんなこといってていいの?」

「ブランシュ氏の令嬢は綺麗で女らしくて料理上手な人、そんな女性と彼は一つ屋根の下で暮らしてるのよ」

「もし彼女が本当に貴方の彼のことが好きだったら、そして彼に愛の告白でもしたら、師匠の娘でもある彼女を彼はきっぱりと拒否できるかしら?」


シリアとイレーヌの言葉はオスカルの不安をさらに煽る結果になってしまった。

しかも二人のいうことはいちいち当たっているのだ。


クリスティーヌは世間の男性から見れば、かなり魅力的な女性だ、その彼女が毎日美味しい料理を作ってくれて、同じ屋根の下で暮らしているなんて。

普通の男性なら心惹かれて当然だ。

美しいクリスティーヌにアンドレが心を奪われない保証など無いのだ。

スポンサーサイト



うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 10

There are no comments yet.

-

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/09/01 (Fri) 18:30

-

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/09/01 (Fri) 19:00

-

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/09/01 (Fri) 19:22

-

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/09/02 (Sat) 08:47

うさぎ

Re: タイトルなし

KO様スーパーでアンドレ見かけたオスカル様は駆け寄ろうとしたらアンドレとクリスティーヌとの語らい聞いてしまいショックを受けてるなんてとこ撮影されてたら、そりゃーアンドレうれしいでしょう♪

でも反面、何でこんなこと気にするのかわからないでしょうね、やきもち焼くほうと焼かれるほうとでは受け止め方がぜんぜん違うから。

KO様の妄想ではアンドレお嬢様可愛すぎて監禁しちゃうとは!

反対にアンドレが独占したくなるってことかな。

スモークサーモンマリネを半身って!私スモークサーモンはうすーいのしか食したことがないので、贅沢に思えます。(さすがお嬢様)

KO様アンドレもやきもち焼いたら収拾がつかなくなります。

どっちも独占欲強そうだから。

2017/09/02 (Sat) 14:10

うさぎ

Re: No title

AN様シリアとイレーヌ要らんこといい、に一票ですか、確かにオスカル様煽るだけ煽って収拾がつかなくなる恐れもあるのに。(汗)

でも、そうです、これまで嫉妬なんてしたことがない彼女にとってはじめての恋人が出来て、その恋人は他の女性と一つ屋根の下で暮らしている。

初めてのお買い物ではなく初めての嫉妬です。

人生経験が乏しい彼女は他の女性よりも戸惑いが大きいのです。

でも、その割にはきょうもいい感じのお二人ですよ。

2017/09/02 (Sat) 14:17

うさぎ

Re: No title

M・A様こんにちは。

毎日アップするのも楽しみの一つなんですよ。(ドキドキするけど)

オスカル様の嫉妬心ご理解いただけてよかったです。

彼のことを信じてはいても、仲良さそうな二人を見てしまうと心が折れるものです。

しかも、そうそうアンドレは誰が見てもかっこいいし。

友達のアドバイスは甘えていけってことだから、今日はオスカル様少し頑張りますよ♪

2017/09/02 (Sat) 14:24

うさぎ

Re: 不安は尽きない。。

TM様ステーキサンド知ってるかもしれないな、とは思ったものの意外にサンドってカツにして揚げるものと考えてる人多いので言ってみました。

そうそう、それに男性ってがっつりなお料理好むじゃないですか。

女性は見た目も重視するけど、男性はボリュームあるほうが食欲がそそるものです。

TM様も他の皆さんも旦那様にお食事作る方が多いからわかると思うんです。

(中には小食の旦那様もいるでしょうけど)

カルボナーラ、そうですね、自分でソース作りするのは偉いですか。

私自身がいまだに市販のソースに満足できないので作ってしまうほうなので、(かといってめったに作りません面倒だから)美味しいもの食べさせてあげようって考えるオスカル様は作るべきかと。

TM様再び鬱陶しいクリスティーヌ復活ですね。

多分、アンドレに言い寄る女性は全て鬱陶しいがつくと思われますが、クリスティーヌの場合、存在感があるからでしょうね、実際に原作でいたから。

TM様お料理に詳しい!私はネットで調べるまでオリーブオイルが2種類あることも知りませんでした。

(私のお料理知識なんてこんなものなんですよ、分量だって全て味見だけでOKですもん)




2017/09/02 (Sat) 14:44

-

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/09/02 (Sat) 18:49

うさぎ

Re: No title

N様オスカル様かなり落ち込みました。

だって彼氏が他の女性と買い物にいったりカフェに行ったりするのを直接の眼で見てしまったわけですから。

それも師匠の娘ということで文句も言えない。

けれど、アンドレとのお家デートでかなり気持ちがアップしました。

彼はオスカル様の扱いが上手いから♪

そして今日はその続きです。

2017/09/03 (Sun) 11:18