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うさぎ

真実の恋人24

オスカルが仕事から戻ってアパルトマンに戻ったときに電話が鳴った。

アンドレからかな?

しかし、出てみたところ、それはクリスティーヌだった。

「あの、クリスティーヌ・ブランシュですが」

「クリスティーヌさん?」

クリスティーヌからは以前手作り石鹸をプレゼントした後お礼の電話をいただいたが、それ以来だ。


「突然申し訳ないのですが、直接会ってお話がしたいのです、会って頂けませんか?」

「話?」

「ええ、アンドレのことです」

クリスティーヌの思いつめたような声

アンドレのこととは?

「わかりました、お会いします」


クリスティーヌとの約束の場所は公園の中にある木々に囲まれたカフェ。

クリスティーナは会ってすぐにテラスのほうでお話しましょうと言った。

オスカルはそれだけで深刻な話なのだと気づいた。

コーヒーを前に、二人向かい合わせに座る。

「あの、お話とは?」

オスカルが話を切り出し、クリスティーヌは深刻そうに話しだした。

「オスカルさんは、アンドレが今度コンクールに出展することをご存知ですか?」

「ええ、アンドレから聞いています」

「それならアンドレの絵が上手くいってない状態にあるのもご存知でしょうか?」

「アンドレの絵が上手くいってない?・・」

オスカルにとってそれは考えても見なかった出来事だった、あの絵を愛してやまないアンドレが・・


「彼は今スランプに陥っています、それもかなり重症の、父も私も彼を心配しているのです」

「アンドレはそんなこと私には一言も・・」

「彼が言ったわけではありません、でも絵を見ればわかる、彼本来の絵では無いですから」

「彼がスランプだなんて一体どうしてそんなことに・・」

先日様子がおかしかったのはまさか、そのせい・・・?


しかしクリスティーヌの次の言葉はオスカルを打ちのめした。

「はっきりといいます、原因はオスカルさん貴方ですわ」

「私?・・」


「貴方と再会するまでのアンドレは絵に情熱をもっていてのびのびと描いていました。」

「それが、貴方が現れてからのアンドレは絵に対してやる気が出ず、まるで人が変わったようだわ」


「それが私が原因だと」

「オスカルさん、貴方は有名な資産家のジャルジェ家の令嬢だそうですね、そしてパリ社交界にデビューし、クレメンスでも憧れの存在だった人」

「そんな貴方とアンドレは釣り合いが取れないのを気にしたのですわ」

「父とも話をしました、父もアンドレのことを心配しています。」


クリスティーヌは父、ブランシュ氏にアンドレのことを相談したときのことをオスカルに伝えた。


「お父様アンドレはまたオスカルさんのところへ行ってしまいましたわ。」

「コンクール受賞を目指しているのに、彼の頭の中はオスカルさんのことで一杯です」


「お父様、何故アンドレに意見しないのですか?」

ブランシュ氏はクリスティーヌの質問に冷静に答えた。

「クリスティーヌ、言ったところで彼は聞くまいよ」

「探していた憧れの人を手にいれて、彼は今彼女のことしか考えられなくなり絵に集中できなくなっている」

「しかもアンドレの恋の相手はあのジャルジェ家の令嬢だ、簡単に両親が二人の仲を許すとは思えない、・・悩みはつきないだろう」

ブランシュ氏の言うとおりアンドレはオスカルとのことで絵に集中できなくなっている

「けど、このままではコンクール受賞は危ぶまれますわ」

「そうだな、これが一時の熱病であればいいのだが」

ジャルジェ家の令嬢であるオスカルに求婚するには一流の画家を目指すしか無い。

そのためにはコンクールに受賞していくのが一番の近道

コンクール受賞への焦りが彼をスランプに陥らせた。

「画家にとって絵への情熱こそが何より大事だ、私はアンドレにその情熱を感じたからこそ弟子にした」


「もし、一時の熱病でなく、彼が画家としての本文を見失い、情熱までもが失われるようであれば、彼の画家としての将来には期待できない」

「その時、彼の将来のために区切りをつけてやるのも師となったものの勤めだ」

クリスティーヌはブランシュ氏の声に決意の程を感じた。

お父様は、アンドレがこのままであれば画家としての彼に見切りをつけようとしている。

オスカルさんのためにアンドレは・・・


クリスティーヌの話はオスカルを驚愕させるに十分だった

まさか、そんな事態に陥っているなんて・・


「オスカルさん、シャルロットをご存知ですね、同じクレメンスにいた」

「あ、ああ・・知っているが・・」

オスカルは突然シャルロットの名前が出て驚いた、何故彼女の名前が?

「私と彼女は親しい友人です、シャルロットから大学時代のアンドレと貴方との交際を聞きました」

「彼女の話ではアンドレは貴方に合わせようと必死で付き合っていたのに、貴方は外国に留学してしまったと聞きました」

大学時代のアンドレとの恋人を偽った関係の時期を知ってるシャルロット、彼女から見た私達はまさに遊びの恋に映ったのだろう。

あの頃の自分の行動を聞かされるのはオスカルにとって胸が痛くなる話だ。

「オスカルさん、貴方はジャルジェの名前を継ぐ方、いつかは家名にふさわしい方を選ばれるんでしょう」

「アンドレとのことは一時の遊びならば彼との付き合いはやめていただけないでしょうか」

「遊びではない!私は真剣に」


「もしこのままアンドレが以前のように描けないのなら父は彼を破門にする考えです」


オスカルは必死で反論しようとしたが、クリスティーヌの言葉に絶句してしまった。


クリスティーヌの言葉はオスカルに衝撃を与えた。

アンドレが・・・

私のために画家としての将来を駄目にするかもしれない

私の愛したあの絵の才能を私自身が台無しにしてしまうのか?

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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 10

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2017/09/15 (Fri) 19:32

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2017/09/15 (Fri) 22:20

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2017/09/15 (Fri) 22:37

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2017/09/16 (Sat) 06:32

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2017/09/16 (Sat) 09:55

うさぎ

Re: No title

H様クリスティーヌとうとうでしゃばってしまいました。

確かに他人の人生に(恋路)口出しするのは最悪ですね。

ただ、クリスティーヌの肩を持つわけではないけど、アンドレに言っても聞き入れない、父親にいっても無駄だといわれ、しかも破門する気までちらりといわれ。

これは自分しか彼を救えないって思ってるのがクリスティーヌの心境。

ある意味彼女も追い詰められての行動でした。

オスカル様さえいなければってのは思ってるでしょうね、オスカル様がクリスティーヌに同じような感情持つように。

恋愛に関しては誰もが自分勝手ですから、全部アンドレのため、とは言いがたいです。

今回お二人はまっすぐに相手に心が向かいすぎました。

周りからすれば、危ない恋心に見えたんでしょう。

想像できるでしょうけど、この先オスカル様さらに試練なんです~(汗)

2017/09/16 (Sat) 14:09

うさぎ

Re: No title

AN様、やはり想像してましたね、クリスティーヌの行動。

そうそう、クリスティーヌの話はオスカル様には耳の痛い話で。

これまで真面目に取り組んでいたアンドレが絵をかけなくなった、それは

オスカル様と釣り合いがとれないことを悩んでる

コンクール受賞を目指してるのにオスカル様に会ってしまうから

しかも過去のことで、遊びだといわれる。

こう並べてみるときつい話ばかり(汗)

こんなきついこと言うのはクリスティーヌのアンドレへの恋心のせい

すいません、それがアンドレがまたやらかしてしまいます。

漢字ありがとうございます♪

2017/09/16 (Sat) 14:16

うさぎ

Re: タイトルなし

KO様、女同士の戦いの火蓋!みたいでしたね(今のところオスカル様不利だわ)

大河ドラマの「槍ドン」が出てくるとは・・調べてみるとすごい話ですね(もう何年も見てないなあ、大河ドラマ・・)

お嬢様、もう立ち直れないくらいめげています。

無理も無いです、恋人同士になって身も心も結ばれ、後は彼が画家となり迎えに来るだけって盛り上がってたのに、

貴方が現れたせいでアンドレは!なんていわれたら立ち直れません(可哀想なお嬢様)

KO様、アンドレが師匠屋敷から出て行く想像なんですね、しかしことはもっと複雑で・・

「君の名は」はまだ見てないのです、私。

なんか昔見た「転校生」に似て、もっと複雑な話のようですね。

歌詞までありがとうございます、生まれ変わって彼女を探すあたりなんか酷似してますね。



2017/09/16 (Sat) 14:32

うさぎ

Re: オスカル様、衝撃!?

MI様、オスカル様のショックを受けた顔想像しちゃいますよね、顔面蒼白な縦線顔を。

そーですね恋のライバル(?)からの指摘は堪えます。

MI様お二人が心行くまでべったり過ごせばキリがないです。(ずっといちゃついてる結果に)

しかも、オスカル様にはうるさいジャルジェ家の両親がいるのです。

それもアンドレの悩みの元で、結局オスカル様がいるから描けないってクリスティーヌの言ったとうりになってるんです。

どうすればいいか考えるオスカル様ですが、アンドレの言ったことばでとうとう決意します。



2017/09/16 (Sat) 14:47

うさぎ

Re: ついに嵐全開!

TM様、こんにちは。

クリスティーヌ今回たまりにたまったものを吐き出すようにオスカル様に暴露しました。

しかもアンドレのスランプの原因はオスカル様を寂しくないよう会って絵を描いてないから。

そのうちコンクールに出すのが決まり、今度は集中できない

コンクールどころか絵がかけなければ画家にもなれず、オスカル様の両親にも認めてもらえない。

今の自分は養うことも出来ない

これだけ条件が並べばスランプに陥るのも当然なんです。

TM様の言われたとおり、オスカル様は上流階級に自分が所属している重さをわかっていません。

イレーヌに紹介されたマティスさんにアンドレが画家の弟子だといって「それは大変ですね」といわれたり、イレーヌにも「画家の恋人は考えられない」って言われてもぴんと来ないのが、お金に困るとか世間の常識をまだよく理解してない証拠なんです。

だからこそ、クリスティーヌから聞かされたアンドレの今の現状はオスカル様に大きなショックを与えました。

そして一番堪えたのは、そうです、ブランシュ氏からアンドレが破門されるかもしれないというクリスティーヌからの言葉。

あのアルバイトもせずに絵に没頭できて食べて寝る場所も確保で、しかも、そう!タダ(笑)

破門のレッテルも大きいはず、画家への道は立たれるかも。・・

悩み続けるオスカル様ですが、アンドレの言葉で決意します。

彼のために自分が出来ること、それは

2017/09/16 (Sat) 15:10