FC2ブログ
うさぎ

真実の恋人34

アンドレはパリから、トゥールーズの屋敷に戻った。

パリから戻った次の日、アンドレは自室で考えていた。

コンクール受賞で知名度は上がったが、また新たなコンクールを目指して頑張っていかねばならない。

一人前の画家となるために。

だが、その前に、やるべきことがある。

そして、確かめておきたいことも・・


しばらくしてクリスティーヌが部屋にやってきた。

「アンドレ、話って?」

アンドレはクリスティーヌを部屋に呼んでいた。

そして部屋に入るなり重い口調で問いただしてきた。


「クリスティーヌ、君に聞きたいことがあるんだ」


突然アンドレに言われてクリスティーヌは思わず顔を上げた。

「突然どうしたの?」

アンドレはその質問には答えず、そのまま問い続けた。


「君はオスカルに俺が絵が描けなくなったのを教えたのか?」

「オスカルとの恋に溺れ絵に対する情熱をなくした俺を先生は破門する気でいた」

「それを君はオスカルに告げたのか?」

クリスティーヌはアンドレの言葉にぎくりとした。

「ずっと疑問だったんだ」

「別れを言い出したオスカルの態度はあまりにも不自然だった」

「しかし、俺が先生から破門されると聞けば、オスカルなら別れようと言い出しかねない」

「しかも、君は俺からオスカルの連絡先を聞いていた」


クリスティーヌは観念するように答えた。

「ええ、・・そう」

「貴方がオスカルさんに会い続けるのならお父様は貴方を破門する考えだと教えたわ」

やはり!ではオスカルは・・

それを聞いたアンドレは怒りに任せてクリスティーヌを追い詰めた。

「君はどんな権利があってそんなことを!」

「オスカルに勝手に告げるなんて・・」


「勝手に言ってしまったのは悪かったわ、でもあのままだと貴方はだめになると思ったの」

「絵に情熱を注いでいた以前の貴方に戻ってほしかったのよ」

必死になってアンドレにわかってもらおうと言葉を尽くすクリスティーヌ

「ごめんなさい、アンドレ、どうしても見ていられなかった」


アンドレはかっとなったものの、クリスティーヌの涙であらためて自分がどれほど回りに迷惑をかけたか気がついていった。


クリスティーヌは何度も俺に忠告をしてくれた、それを聞かずに勝手な行いをしたのは俺だ。

ためいきをついて、その気持ちを口にした。

「いや・・君を攻めるのはお門違いだった、君にも先生にも心配をかけた」

「俺が悪いんだ、全て俺の責任だ」

「オスカルにもっと早く俺の今の状態を詳しく伝えて、お互い納得がいくよう話し合うべきだった」

そしたらこんなことにはならなかったのに。・・

オスカルお前はどれだけ傷ついただろう

そして立ち上がり、上着を手にして出かけていく様子だ。

まさか、アンドレは?

急いでクリスティーヌは聞いた。


「どこへ行くの?」


「約束があるんだ」

決意するようにアンドレが返答した。


「オスカルさんのところに行くのね」

「どうして?」

興奮気味にアンドレを説得しようとするクリスティーヌだがアンドレはそれを静かにきいていた。

「オスカルさんは、貴方が絵が描けなくなったから別れるといったんでしょう?」

「あの人のわがままにまだ付き合うつもり?」

「あの人にとって貴方は遊びの相手に過ぎなかったのよ」


苦笑するように答えた。

「やはり、みんなそんな風にオスカルを見るんだな」

「え?」


アンドレはもう何にも心を動かされることはなかった。


「みんなそうだ、オスカルのあの誰も寄せ付けない印象のままの彼女しか見ようとしない」

「だけど・・そうだな、確かに以前のオスカルは、人を寄せ付けないオーラに包まれてまさに氷の姫って感じだったよ」

「しかし俺が最初知り合ってオスカルに感じたのは、あいつのどうしようもない孤独だ」

「資産家令嬢であれほどの美貌を持ちながら、あいつはいつも一人だった」

「両親がいながら、愛情を与えてもらえず、心を許せる友人もいない、何が幸せかも知らないで生きてきた」

「あいつは、他の誰もがほしいものを全部もっていながら、他のみんなが持ってるものを何にも持っていないやつだった」

「オスカルは誰にも心を開かずに、自分ひとりで生きていこうとするそんなやつだったんだ」

いつの間にか心が昂ぶり口調は激しくなっていた。


「けどあいつ、俺の前なら笑うんだ」

アンドレは机の引き出しの中から数枚の写真を取り出しクリスティーヌに見せ付けた。

「こんな風に、笑顔を見せてくれるんだ俺の前だけ」

クリスティーヌは写真を眺め驚いた。

これがオスカルさん?

それはサン・シル・ラポピーで写したオスカルの写真

景色を眺めながら楽しそうに笑うオスカル

花に魅入っているオスカル

すねた表情でサンドイッチを食べているオスカル

そして、アンドレに肩を抱かれているオスカルは恥ずかしそうでうれしそうで、まさに恋をしている女性の顔

それは全て幸せに輝いていているオスカルの顔ばかりだ。

オスカルさんはアンドレを・・

やはりオスカルさんは、アンドレを愛していたの?

愛してながらアンドレのために別れを告げたの?



「オスカルは俺を愛してくれていた」

「クリスティーヌ、オスカルはもう氷の鎧を纏ってはいない、ただの心優しい女性だ」


「オスカルの氷を溶かしたのは俺だ、俺だけがオスカルを幸せに出来る」

「そして、俺は、オスカルをこの手で幸せにしたい、他の男じゃなく俺自身の手でオスカルを幸せにしたいんだ」


「どんなに周りから不釣合いだといわれても俺達は真実愛し合っている恋人なんだ」

スポンサーサイト



うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 13

There are no comments yet.

ひろぴー

いいですねー

いいですねー
うんうん素敵です♡
理想のカップルです。オスカル、アンドレはこうでなければー!
胸がすっきりしてあたたかくなりました。
顔がほころび、にしゃにしゃが止まりません。
ありがとうございます

2017/09/25 (Mon) 19:19

-

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/09/25 (Mon) 20:25

-

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/09/26 (Tue) 00:14

-

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/09/26 (Tue) 09:18

-

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/09/26 (Tue) 11:13

-

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/09/26 (Tue) 11:22

うさぎ

Re: いいですねー

HI様、こんにちは。

やはりお二人はステキですね♪

胸がほころびにしゃにしゃがとまらないとは最高の賛辞です♪

でも、とうとう最終回となりました、ありがとうございます。

2017/09/26 (Tue) 14:28

うさぎ

No title

AMA様、こんにちは。

お二人が結ばれること信じてくれていたのですね。

しかし、そうですか、ドキドキしましたか、それは良かったです♪

書き手には何にも感じませんって言われるのがショックですからね。

けれど、とうとう最終回となりました。

私も寂しいです。

ありがとうございました。

2017/09/26 (Tue) 14:29

うさぎ

Re: No title

AN様こんにちは。

そうです、アンドレオスカル様の言動がやはり信じられず、ずっと悩んでいました。

しかし、絵を描いてからでないと、オスカル様に会うことも出来ない。

師匠から破門する気でいたと聞いて、もしかして、と感づいたのです。

そしてクリスティーヌに行き当たった。

後はオスカル様の許に・・・お待たせしました。

AN様いつもありがとうございました。

2017/09/26 (Tue) 14:36

うさぎ

Re: No title

YAMA様こんにちは。

心穏やかになれましたでしょうか(笑)YAMA様にはさんざんハラハラさせてしまいましたから。

ざわつかせるクリ嬢は、ある意味大活躍でしたね。

オスカル様にやきもちを焼かせ、ついには二人の仲を引き裂くまでをやってのけたのですから。

今回(いや、いつもか)一番の憎まれ役でした。

クリスティーヌが祝福ですか、う~ん、そこまで考えてませんでした。

(いつもだけど、本当に私ってお二人以外興味がないんですね)

アンドレこれで心置きなくオスカル様のところにいけます。

最終回です。

YAMA様忙しい中ありがとうございました。

2017/09/26 (Tue) 14:44

うさぎ

Re: アンドレ激白ステキ!

TM様こんにちは。

スッキリさわやかになれましたか。

オスカル様の別れの話はクリスティーヌからの破門話によってだと知ったアンドレ。

そうなんです、おかしいとは思ってはいたけど、コンクールが終わってから出ないと会いに行くことも出来ない苦しい思いをしていたんです。

その気持ちをこらえさせたのが彼女に捧げる絵の存在でした。

しかしTM様、すごいロジックですね!アンドレの心理を見事解いている。

そしていよいよオスカル様のところへ行こう、としたら鬱陶しいクリスティーヌ(笑)が止めて、しかもまだオスカル様を悪い女だと決め付けている。

その誤解を解くのはやはりアンドレでした。

偽りの恋人時代のオスカル様を知ればわかります。

孤独で冷たいオスカル様がアンドレによって心開かれていき、愛を知っていく。

アンドレとしては、自分に心を開いてくれた彼女を愛しいと思うのは当然。

彼女には自分しかいない、男の人はこれに弱いです。

そして女性はに「俺だけが君を幸せに出来る」発言に弱いのです(笑)

TM様、またもやその後のお二人の心配してますね。

師匠邸で暮らすとかクリスティーヌと家事分担とか、かなり無理が・・(どっちの料理を食べるんだってアンドレに迫りそう)

でも、TM様悲しいお知らせが。

いよいよ最終回です。

いつも熱いコメントありがとうございます、おかげさまでやる気維持できました、感謝にたえません。



2017/09/26 (Tue) 15:09

うさぎ

Re: アンドレ、すごいなぁ~

MI様こんにちは。

オスカル様の絵に登場の仕方気に入ってくださったみたいでうれしいです♪

アンドレはあの優しい画風をいかしてオスカル様を中心とした幸せな風景を描きました。

その絵が見る人の心をそして師匠の心をつかまない訳がないんです。

クリスに対してアンドレが怒りを感じるのは当然のことですが、これまでの自分の行動、そしていかに師匠親子に迷惑をかけたのかを考えると反省するしかないアンドレです。

そして、そうです、いよいよオスカル様との再会です。

それはお話が終わりでもあるのが寂しいかもです。

MI様ありがとうございました。

2017/09/26 (Tue) 15:15

うさぎ

Re: タイトルなし

KO様、クリちゃん撃沈です。

半熟画家、また一歩成長できたのは、KO様のいうとおりお嬢様酵素によるものです。

アンドレの画家としての成長はいつもお嬢様と山あり谷ありを越えた後。

お嬢様から刺激を受けた後にやる気になるのはもう恒例なんですよ(笑)

今日お二人は感動の再会です。

でもこれでお二人ともお別れなんです、そうです、最終回なんです。

KO様いつもありがとうございました。

2017/09/26 (Tue) 15:21