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うさぎ

夜のフェアリー25

肥料も与えたし水もやったので、オスカルはそろそろ屋敷に戻る準備をしていた。

その様子を見ながらアンドレはジャルジェ氏に言ったことを、実際にオスカルに告げるべきか悩んでいた。

簡単に触れ合えるのも友情の証か・・

オスカルはこんなにも俺に心を開いてくれている

以前よりももっと親しげになったのがわかる

だが・・オスカルは俺の秘密を知っても変わらずにいてくれるだろうか?

俺に失望して離れていったりはしないだろうか?

たまらなく不安だが。

それでも俺はお前に隠さず事実を言いたい。

俺はジャルジェ氏の援助のためにお前の友になったのではないと、お前に知ってもらいたい。

お前とこうして過ごす時間が俺にとってどれだけ大事かお前にわかってもらいたい

アンドレはオスカルに事実を告げようと決意する。

「オスカル、お前に話があるんだ」

突然様子が変わった彼の声にオスカルは驚いた。


「何だいきなり?」


「以前俺は援助してくれる人のお陰でオーランドに入学したとお前に伝えた」

「ああ、村の有力者に援助してもらったと聞いたが・・」

何故今頃そんな話を?


「そうだ・・・しかしあえてお前に名前を言ったことはなかった、それは言いたくてもいえなかったんだ。」


「いえなかった?」


アンドレはゴクリと喉を鳴らし、思い切って言った。

「俺の支援者、それはお前の父親であるジャルジェ様だ」

「!?」

アンドレの言葉を聴いてオスカルはピタリと動きを止めた。

アンドレの支援者が・・お父様!!


表情が止まったオスカルを見つめながらアンドレは話を続けた。

「母さんが亡くなり、叔父の家に引き取られるところ、神父様や学校の先生が俺のためにお前の父であるジャルジェ様に学費の援助をお願いに上がったのが、ことのはじまりだ」

「ジャルジェ様は承知してくれて、俺さえ、その気であればオーランドに行かせようといってくれた」

「俺は学校に行きたかった、パリに行ってもっと学んでいろんな世界を見たかった、何より 死んだ母さんもそれを望んでいたから」

「援助の話はすんなり決まったよ、しかしジャルジェ様はその代わりに頼みごとをしてきた」


「・・息子オスカルの・友達になってほしいと」

僕の?

オスカルはわが耳を疑った

アンドレはオスカルがショックを受けているのがわかったが、それでも話を止めるわけにはいかなかった。

「ジャルジェ様はお前のオーランドでの学校生活を心配して、俺をオーランドに送り込んだんだ」

「ジャルジェ様が言うには息子は誇り高い性格だ、だから自分が選んだ友だとわかれば、きっと拒否するだろう、だから援助のことは秘密にするよう、口止めされた」

「こうして俺はオーランドに来たんだ」

オスカルはアンドレのいった話を頭の中で整理した。

父がアンドレの支援者で、そのことを僕に内密にしていた。

問題なのは・・

オスカルは恐る恐る聞いた。

「お前は・・父に頼まれたから僕と友達になったのか?」

「支援者の父のいうことだから、僕と・・」

「いや、違う!」

アンドレは違うといってしまってから、すぐに気が付き言いなおした。

「いや・・・そうだな」

「最初は・そう思っていたよ、お前に話しかけてクラスメイトとして上手くやっていこうとした」

突然、吹っ切れたような気がした。

オスカルと出会った頃を思い出すと、あの時の感情が甦り、なんだか懐かしいとさえ思えたのだ。

「けど・・・すぐに無理だとわかった」

「だってお前はジャルジェ様の言うとおり、他人に心を許さないやつだし、それに俺を避けてるようだった」

「あの時の俺はオーランドになじむので精一杯だったから、無理にお前に近づこうとするなんて そんな余裕は無かった」

「他人の人生に関わるってことは、相手にそれだけの関心を持つからこそ出来る芸当なんだ 並大抵の気持ちでは出来ない」

「ジャルジェ様はお前に危険が無いか見守るだけでもいいとのことだったから、俺はそれに徹しようと思った」


「だから、あの時 お前が俺と友達になりたいなんていってくれるなど夢にも思わなかったんだ」

オスカルの言葉はアンドレには今でもはっきりと思い出せるほど強烈な印象だった。

「お前にわかるだろうか?あの時の俺の感動を」

「誰より美しく聡明で誇り高いお前が俺を友に選んだ」

「それも俺の生い立ちに同情してなどではなく、俺の人となりを認め その上でお前は友達になろうといってくれた」


「お前に選ばれたこと、その感動は俺の心を突き動かしお前に向かっていった」

「あの時俺はお前の崇高な精神に惹かれた」

「ジャルジェ様に言われたからではなく 俺自身の意思でお前と友達になりたいと強く願ったんだ」


「今でもその気持ちに変わりは無い」


アンドレはオスカルに自分の偽らざる本心を伝えようとした。

まぎれもない友情の証として事実を伝え、その上でわかってもらおうとしたのだ。


「いきなり事実を告げらてもすぐには納得できないだろうが・」

「それでも、信じてほしい、俺はお前を」

オスカルの両肩を握り締め必死で説得しようとするアンドレだった。


しかし、それまで黙って話を聞いていたオスカルが口を開いた。


「わかった・アンドレお前を信じるよ」


思いもしなかったオスカルの反応


アンドレは耳を疑った。

「俺を・信じる?」

「そうだ、そういっただろう、お前を信じるよ」

「お前の僕への友情に偽りなど無いことを」

オスカルは明るく答えた。


あまりに物分りが良いオスカルにいまだ信じられぬといった顔のアンドレだが

オスカルはその顔を見ながら感慨深げに答えていった。


「アンドレ・僕はお前の話を聞いていると 今までお前が僕のためにしてくれたことが思い出された」

「僕を上級生から助けてくれたり、家督のことで悩んでいるとき励ましてくれたり、僕のためにケンカしてひどい怪我までしたお前を」

「怪我をした後でも僕を思いやって・お前はどんな時でも僕の味方でいてくれた」

オスカルにとってアンドレの自分に対する優しさも思いやりも全て忘れられない出来事だ

「いつでもお前は僕のために自分の身をなげうって 必死になってくれたじゃないか!」

「そんなお前の友情をどうして疑ったり出来るのだろう」

オスカルの言葉にアンドレは目が覚める思いがした。

アンドレが今までしてきたこと全てオスカルの心には届いていた。

「確かにお前の話にショックを受けたのは事実だ、僕が関わる話なのにお父様とお前だけで秘密にされていたのだからな」

「お父様の計画通りにことが運んだようで腹立たしい思いなのも事実だ」

いかにも気落ちしたような顔のオスカルを見ながらアンドレは申し訳なく思った。

オスカルがそう思うのも無理は無い オスカルであれば本来は与えられた友人など徹底して拒否しただろう

それなのに・・


「だけど・・・それでも・・」

すがるような瞳で見つめてくるオスカル

「それでも僕は、お前を失いたくは無い」

「もう二度と、お前を失う恐怖を味わいたくは無いんだ」


オスカルが俺を信じ、失いたくはないといってくれた。

それは何にも勝る喜びだ。

うれしくて情けなく笑えた。

「俺もお前を失わずにすんだよ」


愛しい想いに駆られて、手を伸ばしてオスカルを抱きしめていた。

オスカルも安堵したかのように拒否せずされるがままにしている。

俺の大事なオスカル

お前が俺から離れなかったのがこんなにもうれしい


何故、こんなに心が動くのだろう?

何故こんなにお前にだけ執着してしまうのか?

俺たちの間は友情のはずなのに

それなのに・どうしてもお前に惹かれてしまう

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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 5

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2018/05/09 (Wed) 22:13

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2018/05/10 (Thu) 13:44
うさぎ

うさぎ

No title

AMA様こんにちは。

もどかしいながらも、どんどんと惹かれあっています。

結局アンドレにとってはオスカル様が男であろうと惹かれてしまう運命(笑)

でも、男だと思ってることが気持ちのセーブになっているのが皮肉です。

オスカル様の本当の姿を知るのは、まだ先のこと・ですね。

いつもありがとうございます♪

2018/05/10 (Thu) 16:54
うさぎ

うさぎ

Re: No title

AN様こんにちは。

アンドレの告白、真摯な感じが出ていて良かったですか♪

秘密といっても、アンドレが悪いわけではないし、大きな問題ってわけでもないんです。

オスカル様が、それを理解するかどうかでした。

しかし、アンドレの話と今までのアンドレの行動で考えれば、彼の友情に嘘はない、とオスカル様ならわかるのです。

またもや抱き合うお二人はもう本当の恋人のよう♪

でもまだ先は長いんです、男同士、彼には好きな人、これだけでもかなり大きな障害です。

気長に楽しんでいってくださいね。

2018/05/10 (Thu) 17:02
うさぎ

うさぎ

Re: 固く結ばれた♡ん?男同士の友情??

TMO様こんにちは。

今日は朝が寒かったですね、でも昼になると丁度良かったかも。

TMO様も朝は上着を持参でお出かけくださいね。

TMO様の妄想、かなりありうる展開が多いので、よけいにドキドキしてしまうんですよ。

アンドレ ジャルパパに援助されてることオスカル様に打ち明けました。

「いや・そうだな」は本心を言おうとするアンドレの気持ちの現れです。

頼まれたから友達になったのではないけれど、それでも最初はパパに言われてその気になったわけで。

それをも言って、その上でオスカル様にわかってもらおうとする真面目なアンドレです。

オスカル様は女だとばれないため(周りの男子生徒にひっつかれないためでもありますが)周囲の人を避けてもいました。

それはアンドレも例外ではなかったのです。

今回お二人ともTMO様のお説教は逃れましたようで(笑)

何とか合格点はいただけたようですね♪

今日はいよいよロアンヌ村にお二人とも行くことに。

あちらで会う約束ですが、どうなりますことやら・・・

2018/05/10 (Thu) 17:15