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うさぎ

アンドレの願い24

「最終章 死が二人を分かつとも」


そして、カロリーヌに縁談が来た。

相手は近くに住む伯爵家の次男坊であった、クロードといって以前からカロリーヌに好意を持っていて人を介して申し込んできたのだ。

男爵は良い縁談だとカロリーヌに進め、カロリーヌもこれを受けた。

それを聞いたアンドレは「父さん、カロリーヌ話があるんだ」といった。

「今回のカロリーヌの縁談だが、お相手は次男坊だと聞いた、もしカロリーヌが嫁ぐことになれば、領地の分配でもめることになるかもしれない、悪くすれば伯爵家の居候のような生活になる可能性もある」

「何が言いたいんだアンドレ?せっかくのカロリーヌの縁談にケチをつけてはいけない」

「俺が言いたいのは、お相手のクロードに、エドモンドを名乗っていただく、つまり婿になっていただくようお願いしてほしいってことさ」

アンドレの提案に男爵もカロリーヌも仰天した!

「アンドレ!エドモンド男爵はお前だ!何を言っている!」

「そうよ!居候は覚悟の上よ、心配はご無用だわ!」

だがアンドレは「父さん、カロリーヌ、これは以前から考えていたことなんだ・・・俺には跡継ぎが出来ない、オスカルは、死んだのだから・・・」

アンドレがオスカルの死を口にする、これは初めてのことだった、彼にとってオスカルの死は現実と認めたくは無い事実だったから、それを口にするのは相当の決意の表れであろう。

「カロリーヌは最初から婿を取って跡継ぎになるはずだった、その当初の計画に戻っただけだ、使用人奉公人もカロリーヌが当主なら納得する!」

「しかし・・・しかし、アンドレお前はどうするんだ?」

「俺は屋敷のことも葡萄園からも引退して一人になって静かに暮らしたいと思う」

それを聞いて男爵は考え込んでしまった。

「叔父様!納得してはダメよ!せっかく見つけた息子なのに、再び手放すなんてことはしては絶対ダメよ!」

「・・・カロリーヌ、私は、アンリエットとアンドレを見捨てた男だ、本当なら憎まれても仕方が無かった、それでもここへ来て一緒に働いてくれて父と呼んでくれたんだ、これ以上望むのは贅沢な話だ」

「アンドレが望むようにしよう、カロリーヌお前にも申し訳ないと思ってたんだ、お前を養女にしていながら、何もしてやらずに・・・」

「叔父様!」

「伯爵家には私から伝えよう、エドモンドの領地はカロリーヌのものだと」

「アンドレ、やはりお前は私の息子だ、お前は嫌かもしれないが私と同じ 生涯ただ一人の人を愛した、ただ違っていたのは私はお前と違い、アンリエットをあきらめてしまった。

私はそのことを深く後悔している、愛する人をあきらめてはいけなかったんだ、その時点で私は幸せを失ってしまった、地位や身分や財産の全てを捨ててでも彼女を取るべきだった。

アンリエットこそが私の運命の女性だったのに」

「ありがとう、父さん」アンドレはエドモンドが母を本当に愛してくれていたのを分かっていた、愛する人を幸福に出来なかった分、アンドレに注ぎたかったに違いない。

「アンドレ、私の土地のどこかに家を建てるが良い、そこで自由に暮らせばいい」そういって、腰をあげ、部屋から立ち去った。

「アンドレ!いいの?これまでの努力を無にしても?」

「いいんだ、爵位がほしかったのは、オスカルのためだ、しかし彼女はもういない・・・」

「静かに暮らしたいんだ・・・君が後を継いでくれたら安心だよ」

「・・・わかった・・・」ようやくカロリーヌは納得した。

「つくづく幸せな人ね、オスカル様は、貴方にこんなに愛されて」

「どうかな、普通に貴族の娘として育っていれば、今頃何の苦労もせずに大貴族の奥方になり、守られて暮らせたものを、それが何の因果か男として軍人に仕立てられ、その上、一緒になったのは元従僕の俺とだ、」

「あのように激しく情熱的に愛されて幸せじゃない女なんていない、アンドレ貴方の愛は本物だわ」

「私、うらやましかったのよ、オスカル様を・・・」

「カロリーヌ、君には感謝してるんだ」

カロリーヌは涙ぐみそうになったが、気を取り直して言った。

「私きっと幸せになって見せるわ!」

「ああ・・・君ならきっとなれるよ、カロリーヌ、君は過去に縛られない強い人だ」

「じゃあ、行くわ、いとしの婚約者が待っているの」カロリーヌは想いを振り切るように立ち去っていった。
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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 1

There are no comments yet.

みか

ついに最終章ですね

毎日更新ありがとうございます!
いよいよ、最終章ですね
章のタイトルにもありますが、、、たとえ死が二人を分かつとも、、お二人の愛は永遠ということですね
アンドレはオスカル様だけをこれからも思い続け、天国で再開できる日をひたすら待ち続けるのでしょうか、、、やはり切ないですね

2015/04/16 (Thu) 12:33