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うさぎ

夜のフェアリー66

「お前・俺の心を疑うのか?」

「そうではない、だが普通に女性を愛したほうがお前は幸せになれる」

アンドレはオスカルの話を聞き絶望的な気持ちになっていった。


「本気で・・言ってるのか?」

「ああ、本気だ」


冷めた返事にとどめをさされた気持ちになった。

オスカルお前はまたもや心を閉ざし、俺の前から離れていこうとするのか?

どんなに俺が想ってもお前は・・


アンドレは絶望するとともにオスカルの勝手な言い分に怒りを感じていった。


そしてオスカルの肩を掴んだかと思うと

いまだ自分の気持ちをわかろうとしないオスカルに向かって怒りをぶつけた。


「オスカル!それなら・・!!」

「俺がサンドラを愛してもいいのか?!」

「!!・・」

「俺がサンドラと結ばれてもお前は平気だと・・」

「お前を忘れ、目の前から立ち去っても、お前はかまわないというのか?!」


初めて聞くアンドレからの別離とも取れる台詞


突然別れの選択を問われ、オスカルは自分でも思っても見なかった衝撃を受けた。


「本当に・・それでいいんだな?」


突きつけるような冷たい言葉に心乱れた

オスカルの胸は早鐘のように鳴っていく。


もし・・ここで僕が平気だと言えばお前は僕から立ち去っていくのか?・・・

僕から離れてサンドラの許に行ってしまうのか?

そう言えば、何もかもが終わる


何をためらっているんだ、僕は・・

彼の幸せのためなのに

どうして一言がいえない・・


何も言わないオスカルからアンドレはあきらめるような顔になり、腕を離した。

「わかった・・もういい」

そして後ろを向いて、扉のほうに向かおうとした。

彼の後姿を見た時、目の前が真っ暗になった。


彼は別れを決めたのだと思った。


その瞬間周りの景色が揺らいだ。

アンドレが・行ってしまう・・

アンドレが・僕の前から・・・


僕を忘れて

僕で無い女性と愛し合い、離れていく

あの笑顔も優しさも 暖かさも全て失ってしまう・・


彼を失うその現実に、まるで心臓を刃で突き立てられたように胸が痛んだ。

失いたくない・・

お前を誰にも奪われたくは無い

絶対に誰にも渡したく無い!


思わず声が出た。

「いや・だ・・」


「・・いかないで・・」


同時にアンドレが向かおうとする方向に身体が動いた。

オスカルの声にアンドレが振り向いた次の瞬間胸の中に飛び込んできた。

その瞬間涙が溢れ出た。


僕は・・馬鹿だ・今頃になって

覚悟していたのではないのか?

いつかお前が僕から立ち去っていく日を、承知していたのではないのか!

なのに・・目の前の彼がいなくなると考えただけでこのざまだ


傷つくのが怖くて・本心を隠してきた


僕の心はすでにお前に捕らわれていたというのに・・


誰にも渡したくて、僕だけのものにしたいたった一人の人

こんなにもお前のことを・・愛しているのに

「行かないで・アンドレ」

「何処にも行かないで・・・」


涙ながらに願うその様子にアンドレは安堵し、オスカルを抱きしめた。

安心させるように伝える。

「何処へも行かない」

「俺はお前の側にいるよ」


「俺はお前のことしか考えていないのに」


「俺はお前と一緒に・・・いたいんだ」


「一緒にいるだけで、いいんだよ・オスカル」


抱きしめられた瞬間に胸の痛みが消えた。

彼の暖かい胸と優しい心だけが僕を癒す

僕の悩みも戸惑いも溶かしていく


アンドレ僕はお前を・・・

「愛してる・・」

それは封印していた想い

絶対に口にしてはいけないと禁じていた言葉


アンドレは信じられぬ思いで今一度確かめるべくオスカルを見入った。

オスカルはもう涙を隠そうとはせず、見つめ返し


もう一度愛の言葉を繰り返した。

「アンドレ・お前を愛している・・」


アンドレはオスカルを凝視したままでいたが

しかし、やがて情けなく笑った。


「お前・・・やっと・言ったな」

「俺を、愛していると」

そして自然と涙が出てきた。

「お前が、俺を愛している」

「その言葉をどれだけ待っていたか」

「どれだけ・願っていたか」


彼の涙は僕を想う愛に溢れている これこそが僕のほしかったもの

「俺も・愛している」

「オスカル・お前を愛している」

ああ・アンドレ・・


オスカルはアンドレのその胸に強く抱きしめられ

上から覆いかぶさるように口付けされた

本当の恋人としてはじめての口付け

それは僕達が初めて心が通じ合えた瞬間だった

愛し愛される喜びに心が溢れた


ただただ愛しいと思えるこの時

その時僕は皮肉な運命から逃れられた、そんな気がした。

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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 4

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2018/08/10 (Fri) 21:34

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2018/08/11 (Sat) 10:29
うさぎ

うさぎ

Re: No title

AN様こんにちは。

ようやくオスカル様アンドレへの愛を確信しました。

そして二人は真実の恋人に。・・

彼が目の前からいなくなる、これまで決意していたはずの別れですが、いざ現実になれば、心が動くのはどうしようもないこと。

結局は綺麗ごとで生きられない、自分のほしいものを求めてしまうんです。

そして二人は楽しみにしていた水族館デートに足を運びます♪

そこで、思わぬ話が展開していくのです!

2018/08/11 (Sat) 14:02
うさぎ

うさぎ

Re: 萌えます!やっと2人は。。

TMO様こんにちは。

アンドレ今回は、押してもだめなら引いて見ました。

アンドレにすれば、これまでオスカル様への愛を捧げつくしているのに、いまだオスカル様は心を開かない。

しかもなんとなくいい感じになってきていたのに、いきなり拒絶されれば怒り心頭です。

もうここは何を言ってもオスカル様には届かないと半分やけくそで言ったことば、それがオスカル様には効きました。

本当にアンドレを愛していれば、このように言われ心が動かないわけがありません、しかも一番ショックな言い方でしょう。

TMO様、情けなく笑うって苦笑に近いですね。

さんざんお預けをくらって手に入れたとき、ため息と喜びを安堵感と疲れが入り混じる。

喜びだけでは足りないんです♪

さて、今日は水族館デートです。

楽しく過ごすお二人ですが、久しぶりに聞く名前が飛び出し、話は意外な展開に。



2018/08/11 (Sat) 14:16