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うさぎ

夜のフェアリー69

「ダメだ・・アンドレ」

「僕は・お前にこの肌を見られたくは無いんだ」

「見てしまうと、お前は僕を・いやになるかも・・」

オスカルの戸惑う様子にアンドレはなおも説得を試みる。


「俺はお前にどんなひどいやけどの跡があろうとかまわない」

「お前への愛は変わらないと誓うよ」

「だから・・お前の全てを、俺に見せてほしい」


お前を騙しうそをついてきた僕をお前は許してくれるか?

しかも僕が女だと知れば、秘密を共有することになる。

僕の嘘で固めた人生の片棒をお前に担がせて本当にいいのか?

「ごめん・・・」

「それだけは・出来ない」

女だとばれないことこそが家族を守る唯一の方法

オスカルは父の呪縛からいまだ逃れることが出来ないでいる。

「そうか・・」

アンドレとすれば、ここはあきらめるしかない

やけどを見せるなど辛いことだ

そっと肩を抱いた。

「無理強いして・悪かった」

「けど・・待ってるよ、お前が見せてもいいと思える日まで」


アンドレに優しく慰められて辛さが増した。

アンドレ・・ごめん・・

僕はお前のシルフィードなのに

伝えることが出来ないなんて・・・


翌日、二人は温室でいつものようにバラの世話をしていた。

オスカルはちらちらとアンドレのほうを見て何かを伝えようとしている。

しかしタイミングがつかめなくてなかなか言い出せないでいる

仕方なくバラについている害虫を駆除するのに専念しながら、話をする機会をうかがっていた。

しかし、アンドレのほうがそれに気がつき、バラの手入れが落ち着いた時点でオスカルの後ろに立ち声をかけた。

「オスカル」

いつの間にか害虫駆除に夢中になっていたオスカルはいきなり後ろから声をかけられ驚いた。

「うわ!お前後ろからなんだ、びっくりするではないか!」

「さっきから、何度も俺のほうを見ていただろう?何かあるのか?」

「お前気づいてたのか、人が悪いな」

「何度も見ているからわかる、一体何だ?」

やはりお前は僕のちょっとした変化に気づくんだ。

「あ・あのな、今度の週末に僕の家に来てほしいのだが・いいかな?」

オスカルは自分はアンドレの恋人なのに訳あってシルフィードと伝えられない、それを申し訳なく思った。

彼のために、何かしたい気持ちで思案した結果、彼にお茶を入れてあげるのはどうかと思いついた。

昨日ばあやに美味しい紅茶の入れ方を習ったところだ。

早速披露するためアンドレを屋敷に招こうとした。

当然行くよ、の返事を期待していたのだが、アンドレは悩んでいるそぶりだ。

「どうした?何か用事があるのか?」

「いや・・用事があるというのではないが・・」

再び考え込んだ。


てっきり喜んで了承してくれると思っていたのに・・


アンドレがこれほど悩むのだからよほどの理由があるに違いない。

「もし、ダメならあきらめるが・・」

オスカルが残念そうに言うのを見てアンドレは気を取り直すように言った。

「いや!大丈夫だ、行くよ」

「え、だって?」

「せっかくお前が誘ってくれてるんだ」

「無理しなくても・・いいんだぞ」

彼の気乗りしない返答が気になる。

「無理なんかじゃないよ、行きたいに決まってるだろう」

気分を変えるように明るく答え、後ろからオスカルを抱き寄せた。


「週末一日中お前と過ごせるんだから」

彼の吐息が耳を掠めてくすぐったい。

「こ、こんな風に抱き合ってると、また誰かに見られて噂になるぞ」

恥ずかしさと先程の返答への不満で意地を張ってしまう

だが、アンドレはそれにもめげずにっと笑う。

「そうだな、では柱の影なら俺達の姿は見えない」

そういってオスカルを、柱の側に立たせた。

向かいに立つアンドレは柱に手を付いたかと思うと顔を近づけてきた。

「愛している」

その言葉を聞いた途端に意地も不満も消えていく

唇が重なり、もう彼以外の事は何も考えられない

このひと時、僕達は恋人になる

むせ返るようなバラの香りと彼だけが持つ香りに僕は酔わされていく

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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 6

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2018/08/13 (Mon) 13:56

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2018/08/13 (Mon) 18:34

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2018/08/14 (Tue) 09:31
うさぎ

うさぎ

Re: No title

CHI様こんにちはお久しぶりです♪

そうそう、今回は同性の禁断の恋(?)これは今までと比べるとかなりハードルが高いです!

男女の愛だと明かせないけど、それにもめげず愛をはぐくんでいく二人の姿が私的には萌えなのです♪

CHI様、普通では男子校に、男子として女子が入学する物語は世間によくありますが、はっきりいって、かなり無理がある話です。

だから、他の作品でも細かい設定はスルーして描いています、そうしないとこのようなお話は書けないのですよ。

そのユリウスでも無理ある設定でした。

私の場合、学校なのだから着替えくらいは考えるべきかと、散々頭を絞った結果火傷に行き着きました。

これが限界でした。(汗)


まだまだ暑い日が続くようでCHI様もお体に気をつけてください。

ご心配ありがとうございます♪



2018/08/14 (Tue) 11:47
うさぎ

うさぎ

Re: No title

AN様こんにちは。

やけどの跡は、やはりオスカル様断りました。

アンドレにすればやけどを見せてくれることが自分達の心を深めるものと信じているようです。

AN様、このアンドレの考えにいやな予感を覚えたのですね。

でも安心してください(もしかして残念とか(笑))そんな強行には及びません。

一応心に秘めたことはあるのですが、それは前向きに捕らえたことです。

2018/08/14 (Tue) 11:51
うさぎ

うさぎ

Re: 秘密を打ち明けられたら。。

TMO様こんにちは。

そうです、以前もジャルパパ言ってましたものね、「アンドレに秘密をばらしてはいけない」って。

人は定期的に受けた命令を(しかも親からです)守る習性がありますよね、原作のオスカル様もこのため、軍人という戒めから解き放たれませんでした。

そういう意味では、ジャルパパのしたことって原作もこの作品の中でも同じで娘の人生を狂わせてしまったことに変わりはありません。

オスカル様も最後は自らの意思みたいに言ってますが、実際のところ、あの性格は軍人というよりは騎士道精神で、軍に忠実で無いあの性格では失格なのですよ。

お話が横にもれましたが、オスカル様、少しずつ女性としての目覚めが出てきました。

彼氏に何かしてあげたい、は女性の願望ですからね♪

しかし、アンドレの気になる反応・・

彼が屋敷にいくのをためらったのは?

皆さんアンドレの征服欲が爆発するのではないかと懸念していますが、すいません、ご期待どおりではないです(笑)

アンドレとすれば努力していたわけです、オスカル様といられるように、健気なアンドレなんです(笑)



2018/08/14 (Tue) 12:07