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うさぎ

夜のフェアリー109

突然のアンドレの姿に驚くオスカルを気にもせずジョシュアは二人に声をかけた。

「アンドレさん!サンドラ!」

ジョシュアに声をかけられ、二人はこちらを向いた。

オスカル!・・・

アンドレはいきなり現れたオスカルとジョゼフの登場に驚愕した。

「まあ、オスカル様ではありませんか・・それにジョシュア、そちらの方は?」

「オルレアーノ王国のジョゼフ皇太子殿下だよ」

「ジョゼフ殿下ですって!」

まさか、いきなりジョセフ殿下が現れるなど、サンドラは焦りだした。

「そうだよ、そしてお隣にいるのがメルシー伯爵様だ、わざわざうちのバラを見学に来てくださったんだ」

サンドラは目の前に来たジョゼフをまぶしそうに見つめ、緊張しながら腰を低くして挨拶をした。

「はじめましてサンドラと申します、わがデュボアバラ園にようこそジョゼフ殿下」

「これはご丁寧に、はじめましてジョゼフです」

ジョゼフはサンドラの手を取り、口づけをした。

「こ、光栄ですわ」

サンドラは思っていたよりも美しい王子であって驚いた。

「はじめましてメルシー伯爵様」

「はじめまして、デュボア殿は美しい令嬢をお持ちだ」

「い、いえそんな」

サンドラは高貴な客人達に感動した。

「それにしても」

メルシー伯は深紅のバラに眼をやった。

「噂どおり黒のような紅ですね」

「ナイトタイムといいます、肉厚な花びらで光を遮断しよけいに黒く見えるようです」

「本当ですね、まるでビロードのような手触りだ」

サンドラがナイトタイムを説明している間、オスカルはアンドレに近づいた。

「アンドレ、お前・・・何故ここに?」

彼は無表情で答えた。

「ジョシュアに誘われたんだ」

「ジョシュアに?」

「ええ、僕が誘ってアンドレさんに一緒に来ていただいたんです」

ジョシュアは自分が説明するのが早いと割って入ってきた。

「アンドレさんはサンドラの命の恩人だし僕はオーランドでお世話になっている方だ、父は以前からお礼がしたいと漏らしていたんです」

「僕がロアンヌ村に呼び戻されていい機会なのでお誘いしました、夕べこちらについたところなんですよ」

そうか、アンドレは以前サンドラを救った、それだけでなくジョシュアの学校生活を助けていたんだ。

それでサンドラの家で・・・

「こんにちは、アンドレ、貴方もロアンヌ村に来られたんですね」

ジョゼフがアンドレに声をかける

「こんにちはジョゼフ殿下、ロアンヌ村はいかがですか?」

「ええ、とても良いところですね、大変気に入りました」

「それは良かった・・」

オスカルは何か話しかけようかと思うが、近くにジョゼフや他のみんながいたのでは躊躇された。

そんなオスカルの様子を見てアンドレはサンドラのほうに眼をやった。

「サンドラ、そろそろ戻ろう、早めに戻るよういわれただろう?」

アンドレの声にサンドラが戻ってきた。

「ああ、そうね早く戻って夕食を手伝う約束だったわ」

「じゃあ、ジョシュア皆さんをしっかりご案内するのよ」

「いわれなくてもわかってるよ」

サンドラはジョシュアに念を押すと皆に別れを告げる。

「それでは私達は帰りますので、ジョゼフ殿下、メルシー伯爵様、オスカル様もごきげんよう、どうかごゆっくりと見学くださいね」

「では、失礼」

アンドレも短く別れの挨拶をした。

「ええ、お二人ともお気をつけて」

「あ・それでは、また・・」

ジョゼフが返すとオスカルもそれに習って何とか返した。


サンドラとアンドレが皆に別れを告げ立ち去っていった。

オスカルは並んで歩く二人の後姿をじっと眺めていた。

アンドレ・・・


「ではこちらは「パパメイアン」という名前のバラで、これもかなり深い紅色で、ムスク系の高級感のある香りが特徴です」

その後ジョシュアがはりきって案内を続けた。


そして、見学が終わり、デュボアのバラ農園から屋敷に戻っていった。

屋敷に着くと、夕食の準備が整っていた。

野菜のテリーヌと牛頬肉の赤ワイン煮込みにオニオングラタンスープとパン、デザートにはクリーム・ブリュレ。

ジョゼフが喜ぶように、ここではパリとは違い家庭的な料理を用意した。

「パリでのジャルジェ様のお屋敷のお料理も素晴らしかったですが、僕はやはりこのような家庭的な味が好ましいです」

「料理人が殿下のために腕を振るいました、そしてデザートは妻が作ったものです」

「メルシー伯から殿下のお好みのデザートを聞いて作ってみました、お口に合うとよろしいのですが」

「とても美味しいです、食後のデザートが美味しいと、とても幸せな気持ちになります」

「オスカルもお母様の手作りのクレーム・ブリュレは久しぶりでうれしいでしょう?」

「あ・え・ええ、そうですね、懐かしい味です」

いつもは何かとジョゼフを気遣うオスカルが、言葉少なく静かになっていた。

夕食を終えると、それぞれの部屋に戻っていく。

オスカルは自室に戻りベッドに寝そべる。

まさかアンドレがこのロアンヌ村に来ていたなんて・・・

しかも、デュボア家に滞在しているなど・・・

普段のアンドレからすれば、考えられない行動だ

ジョシュアの誘いに乗ったのは・もしかして、僕に会いに来た・の?

だけど・・先程のアンドレの態度は冷ややかな印象だった。

まだ、怒っているのだろうか?

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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 2

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2019/01/18 (Fri) 21:32
うさぎ

うさぎ

Re: タイトルなし

AN様こんばんは。

アンドレの様子は・・・あのような別れ方だったため、イマイチ反応が冷たかったですね~。

大きく構える、ですか、そうですね、身も心も(ほぼ)手に入れたアンドレなのだから、いちいち心配せずとも良いのですが。

悩むアンドレがカッコよくて、ついつい話がそっちにいかせてしまうんです(笑)

今日もまた悩むオスカル様です、なかなか上手くいかないお二人を見守りください。

2019/01/19 (Sat) 17:27