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うさぎ

夜のフェアリー118

オスカルはジョゼフとともに屋敷に戻った。

塀の小さな扉を開け、そこから屋敷の庭に入る。

庭を歩いていくと、ばあやの姿が。

「まあ、オスカル様ジョセフ殿下、何処においでになったんですか?」

ばあやは部屋にオスカルも殿下もいないので心配して探していたのだ。

オスカルは考えておいた台詞を言った。

「いい天気だったので、殿下と庭を散歩しながら話をしていたんだ」

ジョゼフも話をあわせた。

「そうなんです、話が弾んで少し遅くなってしまいました」

「まあ、そうでございますか、長いことお散歩なさってお腹がお空きになられたでしょう、料理人に早く夕食にするよう申し付けておきます」

ばあやはオスカルたちのために、調理場に急いでいった。

オスカルとジョゼフは自分達の嘘をばあやが素直に信じてくれたことに感謝しつつ、ほっとした。


「上手くいきましたね」

「今日は一日中ドキドキしっぱなしですよ」

「内緒で外に出て、廃墟で隠し部屋を探して帰ってきたら、ばあやさんに嘘までついてしまって・・・」

「罪悪感を感じますが、仕方ありません」

「そうですね・・・でもこんなワクワクしたのは初めてです、これもオスカルのお陰です」

感動するようにいうジョゼフを見るとオスカルもうれしくなった。

「いえ、ジョゼフに喜んでいただけたのなら僕もうれしいです」

「それに、今日のことは僕よりもジョシュアやアンドレが協力してくれたからです」

「本当ですね、彼らには感謝しなければ・・」

「みんなで何かを成し遂げるとはこんなに気持ちのいいものだと初めて知りました」

ジョゼフはよほど楽しかったらしい、その後も廃墟の宝探しの話題は尽きなかった。


その夜、オスカルは眠れなかった。

ベッドの中でずっと考えていたから。

明日の夜明け前にアンドレと約束した。

一瞬だけ僕に来るよういっただけだから、本当なのかと不安になるが

それでも、会えると期待してしまうよ。

アンドレ、お前は、来てくれるのだろう・・・

オスカルは結局ほとんど眠れないまま夜を過ごした。

夜がまだあけていない時間、オスカルはベッドから起き出し、服を着た。

まだ誰も起きてこないはずだ。

それでも出来るだけ静かに階段を降りて、玄関に向かい、外に出た。

外はまだ暗くて不安になるが、彼がいてくれることを信じてひたすら歩いた。

昨日行ったロメニーの館に向かって歩く。

アンドレきているかな?

きっと来てくれる・・だって約束したんだから

でも、返事する暇も無かったから・・・僕が来ないと思っていたら・・・

期待と不安が入り混じって心が落ち着かない

早く早くと足早になる。

ロメニーの館が見えてきた。

眼を凝らして、入り口あたりを見ると。

彼がいた。

向こうも気がついて、こちらを見た。

「アンドレ・・・」

眼と目が合ったとき、うれしくなって、何も考えられないまま、彼に向かって走り出していた。

彼は僕のその様子を見て、その腕の中に迎えいれるために両手を広げた。

走った距離は、そんなに長くは無いはずなのに、僕にとっては遠くてなかなか届かない距離だ。

けど、ようやくお前の顔がはっきり見えるくらいになったとき僕は涙が出るくらいうれしかったんだ。

何とかたどり着いたお前の胸の中、両手を彼の胴にまわして思い切り抱きついた。

同時に彼も僕の背中に両腕を回して強く抱きしめてくれた。

やっと手に入れた、彼の胸の中・・


彼に会ったら何を話そうかさんざん考えたのに、いざあってしまったら、何も言葉が出てこない


「とりあえず、館の中に入ろう、夜明け前とはいえ、村の人間に見られるとまずい」

アンドレは抱きしめる腕を解き、オスカルの肩を抱いて館の中に連れて行った。

二人は館の中に入り、しっかりとかんぬき扉をうちから閉めた。

「これで安心だ」

安心した様子でアンドレはオスカルのほうに顔を向けた。

そして、すぐに再び抱きしめてきた。

「オスカル、会いたかった」

久しく聞いていない優しい彼の声に、思わず涙が溢れた。

「アンドレ・・・僕も、お前に会いたかった」


ああ・やっとお前に会えた

こんなにも恋しくて、いとおしいと思えるのは、アンドレお前だけだよ

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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 2

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2019/02/16 (Sat) 18:27
うさぎ

うさぎ

Re: タイトルなし

AN様こんにちは。

そうなんです、普通の女子でも明日は彼氏とデートって思えば眠れません~♪

オスカル様の場合はちゃんとした約束もしていない、しかもうまくいってない状態でのデートですから眠れないのは当然なんです~♪

しかし、ようやくようやくお二人がお会いできました!

でも、その前にお互いの気持ちを確かめ合います、その後はお楽しみの始まりです♪

2019/02/17 (Sun) 14:53