FC2ブログ
うさぎ

夜のフェアリー131

ジョゼフはロアンヌ村の令嬢達に囲まれていた。

「殿下、シュー・ア・ラ・クレームを作ってきましたの、おひとつおかがでしょうか?」

「私はビスキュイを作ってきましたのよ」

「マカロンはお好きかしら?」

各自作ってきたお菓子をジョゼフに進めたりで賑わっていた。

「ありがとうございます、でも、沢山いただいたので、また後で頂くことにします」

うるさい大人たちがいない集まりなため、皇太子のジョゼフにでも気安く話せるのを幸いに令嬢達は喜び勇んでジョゼフを取り囲む

人気を集めるのは良いことなのだが、大勢いると相手をするのは大変だ。

ジョゼフはオスカルを探したが、近くにいない。

何処へ行ったのだろう?


「ジョゼフ殿下、良ければ、こちらで一緒に飲みませんか?」

そこに声をかけてきたのはランスだ。

「せっかく上質のシャンパンを準備されているんだ、女性達のお相手も良いが、男同士、酒を酌み交わしながら語らうのも一興ですよ」

ランスは同じ地主の息子のイポリートやジャコブらとシャンパンを飲んで話をしていたが、ジョゼフが女性達の相手に困っている様子なのを眼にして、助け舟を出したのだ。

「そうですね、ではありがたくお誘いに乗らせてもらうことにしましょう」
「では、僕はランスたちと男同士に会話を楽しみたいので、皆さんとはまた後で・・」

ジョゼフは椅子から立ち上がり、令嬢達に別れを告げる

「残念ですけど、殿下がそうお望みなら仕方ないわ」

「またお話をお聞かせくださいね」

令嬢達はそれぞれ仕方なしな表情でジョゼフを見送った。

「ようやく解放されましたね」

ランスがジョゼフにシャンパンを渡す、三人とももうかなり飲んでいる様子だ。

イポリートが話しかけてきた。

「レディのお相手は周りから見てうらやましい限りだが、複数いるとなかなか疲れるものです、お相手に疲れた時点で、軽くかわすコツを身に着けることです」

「ご教授痛み入ります、僕はまだ社交になれていないので、これからは馴れる様努力していきます」

「それがいい、しかし、女性の扱いは難しいですからね、当屋敷のご子息のオスカルなども、毎回苦労していますからね」
「だが、今日はレディ達は殿下とお近づきになりたいので、貴方に人気が集中して、お陰でオスカルは解放されたようです」

「そういえばオスカルの姿が見えないな?」

「アンドレの姿も無いとくれば、ふたりで親交を高めているのではないかな」

ランスはサンドラとジョシュアがいる席にアンドレがいないのを見つつ答えた。

そうか・・オスカルはアンドレと・・

「オスカルはアンドレが大のお気に入りでね、オーランドで二人は親しくなり、このロアンヌ村でも屋敷に招待して一緒に過ごしていたほどです」

「以前ジャルジェ家でのパーティーでなど、オスカルはアンドレを唯一心を許せる友人とまで皆に伝え、彼をロアンヌ村近隣の資産家に認めさせたりもした」

「おかげで、このロアンヌ村の口うるさいご夫人が誰一人としてアンドレの存在を悪くいうものはいない」

オスカルはアンドレのために、そこまで・・・

「しかし、彼は上手くやったものだな」

突然ジャコブがうなるように声を上げ、それにランスが同調した。

「全くだ、同じロアンヌ村出身とはいえ、両親はバラ園の労働者で彼自身は貧しい出、しかし頭脳明晰なのをジャルジェ氏に見出され、オーランドに入学できた」

ジャルジェ様がアンドレの支援者?!

しかも彼は労働者の子だった?それなのに、よくぞここまで・・・

「そこでオスカルと親しくなった、ジャルジェ家の跡継ぎと親友となれば、彼にとっては有益でしかない」

次にイポリートが気落ちするようにして言った。

「おまけに・・彼は女性のハートを射止めるのも得意だったようだ」

「前回の休暇で親しくなったサンドラとも付き合っているんだからな」

「まさか、サンドラがやつと急接近するとは・・ショックだ・・」

「イポリート、お前はサンドラに気があったからな」

そこまで黙って聞いていたジョゼフが口を挟んだ

「アンドレが・・サンドラと?」

どういうことだ、アンドレはオスカルの恋人のはずだけど?

「アンドレはサンドラの家に世話になってるのはご存知でしょう?」

「ええ、デュボア家の賓客として招かれているのですよね」

アンドレの話に興味を示したのでジャコブはさらに自分が知っている情報をジョゼフに聞かせる

「僕の父がデュボア氏と親しくしてましてね、酒を飲みながら聞いた話ですが、アンドレはサンドラとジョシュアの恩人で、そのお返しに屋敷に呼んでもてなしているのだそうです」

「おまけにアンドレはオーランド1の秀才だ、デュボア氏は彼の頭の良さと人柄にほれ込み、デュボア氏自身がアンドレを支援しても良い気持ちにまでなっているのです」

「それには彼とサンドラを将来婚約させる目論見もあってのことで・・・だが家柄も資産も無い彼にとってはこれは願っても無い話のはず」

「サンドラと婚約すればジャルジェ家の支援がなくとも大学までいける、その後事業を起こすにしてもデュボア家が支援するだろうしジョシュアと共同でバラ園を運営するのも良しで、彼の未来は約束されたも同じとなります」

「サンドラとデュボアバラ園・・こんな美味しい話を棒に振るやつなどいない」

イポリートはため息をつきながら嘆いた。

しかしランスの考えは違った。

「俺の考えでは、アンドレは将来オスカルの側近になると思うが」

「ジャルジェ氏がアンドレの学費援助を申し出たきっかけは、病気の母親の代わりに働く彼の姿に感動したからだと聞いたよ」

「しかも氏は彼の母親の治療費まで面倒を見たという、それほどお世話になったジャルジェ氏の恩に報いようと考えるはずだ」

アンドレのジャルジェ氏への恩義を思えばランスの考えは当然であろう

しかし、サンドラとの仲が本格化になるのであれば、話は違う

「側近にならなくともバラ園を経営し、ジャルジェ家に協力する手もある」

「デュボア家の入り婿になれば、すぐに経営者になれる、彼とすればそちらのほうが美味しいに決まっている」

どうもまわりはアンドレはジャルジェ家に取り入るよりもサンドラの婿になり、デュボア家に入るほうを選んだと見ていた。

ジョゼフはランスたちの話を聞いているうちにアンドレのオスカルへの愛情を疑問に思う気持ちが膨らんでいった。

まさかアンドレはオスカルよりもサンドラを選ぶ気なのか?

スポンサーサイト



うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 2

There are no comments yet.

-

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/03/09 (Sat) 23:45
うさぎ

うさぎ

Re: タイトルなし

AN様こんにちは♪

また長いことお待たせしてしまい申し訳ありません(汗)

アンドレに約束破った理由が伝えられ、誤解は解けましたが、その代わり、またもや彼に、しばらく二人きりで会わないことを言う羽目にも。・・・

それに・・・そうですジョゼフ殿下に女だとばれたこと、アンドレには伝えていない!それがどう影響を及ぼすかを、AN様も予想されたのですね。

しかも、アンドレがジャルジェ氏の支援を受けていること、しかもサンドラの父のデュボア氏はアンドレを支援したい、それも娘との婚約まで念頭にあると聞いてジョゼフは心穏やかではいられません。

それがどうなるかは、まだ先のことで、今日はジョゼフとオスカルの練習の成果である演奏会です、お楽しみになれますように♪

2019/03/10 (Sun) 16:36