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うさぎ

夜のフェアリー186

アンドレは、ツカツカとオスカルの側に近づいていった。

「俺が入ってきたのにも気が付かないなんて、よほど熱中していたわけか」

オスカルをじっと見つめた。

「俺のことを考えていたのか?」

オスカルは心を見透かされたようでドキリとした。

「僕は・お前のことなど考えていない」

バイオリンをテーブルの上に置き、アンドレから遠ざかろうとした。

しかしアンドレはオスカルの腕をぐいと握った。


「今のは住む世界が違うもの同士愛し合った二人の曲だ、まるで俺達のようだった」

彼にそんな風に言われ、胸が熱くなるが、どうにも素直になれない自分がいる。

「いい気になるな!僕は・ただこの曲が弾きたくなった、それだけだ!」

握られた自分の手をさっと引っ込める

「そうか?手紙では早く会いたい、お前のことばかり考えているっていってくれたじゃないか?」

「俺もお前に会えるのを楽しみにしてたのに、つれないんだな」

アンドレにからかうようにいわれオスカルはカッと来て、思わずアンドレのシャツの首許をつかんだ。

「お前、よくもそんなことが言えるな!さんざん気をもませておきながら・・」

「手紙を書く提案をしたのはお前のほうなのに、ろくに返事もよこさず、やっと来たかと思えばパリに戻るのを伝えるだけの愛情の無い手紙だ!」

「そ・それに・戻ってきたら、イヴリンと仲良く一緒で・・しかも・ふたりで出かける約束までしている」

「僕なんか入り込む隙も無いくらい親しげだったじゃないか!」

声を荒げて怒鳴りつけるオスカルの両腕をアンドレはつかみ、近くに寄せた。
オスカルは意地になって離せ!ともがくがアンドレは押さえつけてオスカルの動きを止める。

彼に捉えられて身動きできない

オスカルの顔を直視すると、強い口調で告げる

「俺が愛しているのはお前だけだ」
「そんなのわかっているだろう」

「ずっとお前のことを考えていた。ロアンヌ村にいるときも、戻ってきてからもずっとだ」

真剣に告げる彼の顔はいかにもずっと求めていた人に会えた喜びに満ちている

「会いたかった」

さっきまでの怒りがうそのように静まっていく
彼に変わらぬ想いを言われ、何もいえなくなる
情けないとは思うが、愛しているの一言でお前は僕の心を落ち着かせてしまうんだ。

じっとアンドレの顔を直視していると優しく微笑んでくれた。
そしてアンドレの顔がすぐ側に来てオスカルの唇に己の唇を重ねていく。

オスカルはなす術も無く彼に唇を許してしまう。
それは、吸い上げるように強く、オスカルの口中に割って入り舌を絡め蹂躙していく

久方ぶりの口付けにオスカルは怒りも忘れ、思わず声を漏らした
その声を聞いてアンドレはさらにかぶせるように口付けを繰り返す

とろけるような口付けにぼうっとした。

アンドレはオスカルの身体を支えるようにしてベッドのほうへと連れて行き
何も考えられぬまま横たえられると、またもや彼が唇を重ね合わせてくる。

オスカルも彼の首に両手を回し、しっかりと離れぬよう身体を密着させた。
会えなかった時間を埋めるように唇を重ねあいお互いを求め合った

しばらくしてアンドレの唇が離れたかと思うと、そのまま下へと唇をあてていく

首筋に唇を這わせながら謝罪の言葉を口にした。

「悪かった・・」

「イヴリンには本当に世話になったんだ・だからお返しにパリを遊びに連れて行くことになっただけだ」

「それと・バラ農園の仕事は・オーランドのお坊ちゃんだと勘違いされて最初はなじめずに困ったんだ」

「そこで誰より朝早くから仕事をはじめて、終わりも最後まで残るようにした」

「事務所の仕事と現場の仕事の両方を覚えようと必死で、屋敷に帰るころには疲れきってたんだ・・何度もお前に手紙を書こうと思ったが、机に向かうとウトウトして、集中できなくてな・・」


オスカルはアンドレの言葉に驚きを隠せない。
やはり彼は大変な思いをしていたんだ、それも僕が思っていたよりも

「しかし、お前の手紙は何度も読んでたよ、時々見直して励みにしてた」

「俺がお前を忘れるわけないだろう」

そういって改めて強く抱きしめられた。

耳元で熱くささやく

「会いたかったよ・・・俺の・オスカル」

涙が零れ落ちた。
彼の胸の中に囲われ僕は求めてものを取り戻した


たまらず本音が出た

「・・僕も・お前に会いたかった・・」

素直になれたご褒美だろうか、彼は口付けで答えてくれた。

うっとりとしながら口づけを受けていると
今度はオスカルのシャツのボタンをはずしていき、中からは白い布が見えた。

アンドレはオスカルの身体の線を確かめるように白い布の上から手でなぞっていく。
彼が触れてくれると布の上からでも感じてしまう。

でも・・・彼は布をはずすつもりなのか?

まだ夕方だ、何時メイドが夕食を知らせに来るかわからないのだ
出来るだけ怪しまれぬようにする必要がある

「駄目だ・・アンドレ・布をはずしては・・誰かが来たら・・」

切ない声で訴えた。

それにアンドレは安心するよう答えた。

「大丈夫だ・そんなことはしない、ただ・・・」
「もう少しの間だけ、このままお前を抱きしめさせてほしい」

アンドレはシャツの前をはだけたままのオスカルを両手でかき抱いた。

彼の僕への想い

僕だけの・愛

それは懐かしく、もっとも暖かく優しい、僕だけのものだ。

オスカルは胸元のアンドレの髪に触れ、優しくなでる

愛しくてたまらない想い

それを僕に教えてくれたのは、アンドレお前だよ
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