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うさぎ

夜のフェアリー7章の9

オスカルは思わずアンドレを両手で遠ざけた。
「駄目だ・アンドレ」
背を向け、縮こまってしまった。

アンドレはオスカルに拒否され傷ついた。
あれほど結ばれることを望んだ二人なのに、どうして?

「嫌・なのか?俺とこうなるのが?」
首を振り、答えた。
「違う、そうじゃない」
「だったら、どうして?」
「ジャルジェ家から逃れて、やっと愛し合えるようになったのに」

アンドレに問われオスカルは、振り向きそろそろと起き上がると、悩みながらも答えた。
「僕だって・そうだ・・お前に愛されたいと思うよ・でも・・」
「周りをだましたままで僕達がここで結ばれては、いけないような気がする」

「僕達はマルゴさんの好意でここに住めるようになった」
「けど、それは兄弟と信じているからで、愛し合う仲だなんて夢にも思っていない」

「嘘をついたのは仕方ないが、それに甘えて安易に結ばれるのは・嫌なんだ僕は!二人だけで生活して、やっていけるようになってから、初めてお前と結ばれたい」
オスカルの言葉にアンドレは強いショックを受けた。
そうだった・・

ジャルジェ家を出てエレインまで来たものの、二人きりなら住む家もまだ決まっていない状態だったのだ。
それがマルゴが親切に自分の店の二階を提供してくれたからこそ、安住の住処を得たのだ。
でも、それは二人が兄弟だと信じたからこその親切

それに甘えて俺は欲望の赴くままにオスカルを抱こうとしたが、それは彼らへの失礼に当たる
まだオスカルとの蜜月の時間を持つべきではないんだ・・・

アンドレは深く反省するとともに、ある決意を固めた
「そうだな、お前の言うとおりだよ・・」
「お前とこうして暮らす場所が出来て俺は安心してしまったが、まだ安定して生活していけるかどうかわかってもいないんだ」
「そんな中お前と結ばれようとするなんて、マルゴさんらにも失礼だった」

彼が肩を落として反省の言葉を口にするとこちらも切なくなっていく
向かい合わせになり、慰めようとするがアンドレはその手を握りしめた。

「オスカル、俺は決めたよ、二人で生活していける自信が着いたら、マルゴさんとラウルさんに真実を告げようと思う」
「彼らに許しをもらったその後に俺達は結ばれよう」
「それまでは、お前に無理強いしたりはしない」
「それが、唯一俺達にできる、彼らへの罪滅ぼしだからな」

自分の気持ちをわかってくれたアンドレにオスカルはほっと安堵した。

「お前が、わかってくれてうれしいよ・でも」
「僕だって気持ちは同じだ、さっきまでお前の愛情に答えようとした」
「本当はそのまま抱かれてしまいたかった、だって、やっとお前と二人きりで暮らせるんだから」

内心寂しい気持ちをさらけ出すオスカルにアンドレは決意が鈍りそうだ

オスカルも俺を求めてくれている
やっと誰にも邪魔されず二人でいられるんだ、身も心も結ばれひとつになりたい
俺のものにしてしまいたい

だが・オスカルは、そんな欲望を持つ俺を軽蔑するだろう
オスカルに嫌われたくない
それに俺はオスカルにふさわしくありたい!

アンドレは無理やり自分の欲を押し込んだ。
「オスカル、お前にそういわれるとまた襲いたくなるからやめてくれ」
「あ、ごめん、つい・・」

焦るオスカルをアンドレは可愛く思えた。
「でも、口付けくらいは許してくれるだろう?」
「え?」

答える暇も与えず、アンドレはオスカルを抱きしめ唇を奪う

あ・・
オスカルは驚くが、なすすべもなく受け入れてしまう。
ああ・やはり、お前に口付けされると、心がとろけそうになる

口付けを終えた後アンドレが笑った。
「お前の唇を奪えないと耐え切れずに死んでしまいそうだ」
「それと、たまにお前の肌に印を入れるくらいは許してくれないか?」

アンドレとすれば、それが限界のようだ「。
オスカルはカアッと赤くなって横を向いた。
「そ・それは・・」

ここで駄目だ、といえば真面目なアンドレは、きつく守るかもしれぬ、でも・・自分だって彼に触れてもらえないのは・辛い
せめて、それくらいは・・

そこで何とか必死で答えた。
「勝手に・すればいい」

可愛くない言葉だがアンドレには十分だ

「じゃあ、遠慮なく」

そういったかと思うと、もう一度オスカルを抱き寄せベッドに横にならせた。
夜着のはだけた胸部分に顔を寄せて、唇をあてた。

「そんな・いきなり」
だが、その言葉は唇でかき消された。
口付けしながらもらすような声で言った。

「心配しなくともこれ以上のことはしない」
「やっと、お前を独り占めできるんだ、お前を抱きしめて眠りたいだけだ」

抱きしめられたぬくもりと彼の唇の感触から、愛情が伝わってくる
それに答えることが出来ないのがもどかしい
たまらず彼の背に両手を回し、思い切り抱きついた

切ない思いを心の中で叫んだ
僕だってお前を自分のものにしたい
もし、このまま彼の自制が途切れ、僕を抱いたとしても僕はお前を責めることなど出来ない
僕だって負けないくらいお前を欲している

アンドレ愛してる お前を愛しているんだ 

「オスカル、何故泣く?」
「幸せで・お前といられるこの時間が幸せすぎるんだ」

オスカルの涙を唇でぬぐった。
「これからはずっと一緒だ」
笑顔で言われ、安堵する。
「そうだな、ずっとお前と・一緒だ」

ジャルジェ家を出てから、何とか住む場所を手に入れ、
一緒にいられる喜びに二人は浸った。
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Posted byうさぎ

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