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うさぎ

夜のフェアリー7章の26

「アンドレ・・何を・・?」
それはまさか別離の言葉?
オスカルはアンドレの言葉が信じられない

「お前は以前の暮らしほうが、幸せだったか・・?」
「もしも、そうなら言ってくれ、俺はお前の本心が聞きたい」

言いながらもアンドレの心臓の鼓動は早くなっていく

オスカルがもし、俺との暮らしではなく、ジャルジェ家への帰還を選んだとしたら俺は、出来るのか?
お前を手放すことが?
愛するお前をこの手の中から放す選択が、俺に出来るというのか?!

対してオスカルはアンドレに真意を乞われ、自分自身に問うてみる

以前の暮らし?・・・
多くの使用人たちに身の回りの世話をしてもらい贅沢な品に囲まれ、ただ父のいうことさえ聞いていれば良いだけの暮らしに・・・?
そして・お前のいない暮らしに・・

オスカルは目をつぶり心に思う。
僕の気持ちは既に決まっている

オスカルは大きく首を振り、答えた。
「そんなはず・ないじゃないか」
「僕があの家を出たのは僕自身の意思だ」
「どんなにお金に困らない暮らしであってもお前がそばにいないなら意味はない、もう父の人形でいるのは嫌だ」

彼の瞳に訴えかけるようにして話していく
「お前と二人でジャルジェの家を出ていく時、僕はこの先どんな苦労をしようとも後悔しないと誓った」
「お前と離れずにいられるのなら、何もかも捨てて構わなかった、一緒にいられさえすればそれだけでいいんだ」
「その気持ちは、今でも、そしてこれからも変わることはない」

はっきりと言い切った後、オスカルはアンドレに抱きついていった。
「僕の幸せはお前の腕の中じゃないか」

そうだ、はじめから答えは・決まっているんだ!
アンドレはオスカルの答えに心が晴れやかになって身体に手をまわし、しっかりと抱きしめる

オスカル・お前は今でも心は変わらないと言ってくれるのか。・・・
喜びにたまらなくいとしさが増す

「オスカル俺はお前をやはり愛さずにはいられないよ」
アンドレの声は感動に満ちていた。
お互いに必要としあっていると確信し、胸は喜びでいっぱいだ

だがまもなくアンドレはオスカルを覗き込むようにして「お前に話したいことがある」といった。

オスカルはアンドレを見上げ「まだ僕を屋敷に戻す気か?」と不満げに聞いた。

それを聞いてアンドレは笑った。
「とんでもない!そんな話じゃないよ」

もう一度抱きしめ耳元で言った。
「俺だって内心はびくびくしていたんだ、お前がジャルジェ家に戻るといえばどうしようってね」
「では、僕はお前のいいようにされたわけか?」
オスカルは呆れてしまった。

二人はソファーに腰かけ話をした。

アンドレはオスカルの両手を握りしめたまま話した。
「オスカル・仕事にかまけてお前の寂しさを理解できなくて悪かった」
「あれは僕のわがままでお前は悪くないんだ!」

急いで反論するオスカルにアンドレはオスカルの口元を指で押さえ、話すのを制止した。
「でも、俺はただ仕事に夢中になっていたわけではないんだ、それには訳がある」

訳?

「俺はエレインに来てからずっと考えていた」
「お前とどうやって二人で暮らしていくか」
「俺が働いて生計を支える気であったが、問題はお前をどのようにするかだ」

「お前には家にいて一般の生活を学ぶようにしたが、しかし、お前をいつまでもこの家だけに閉じ込めておくわけにはいかない」
「お前をあの家から連れ出したのは、お前らしく自由に生きてほしいからなのだから」

「アンドレ・・」
彼の自分を想う気持ちに胸が締め付けられた。

「そこで俺は夢を描いた」
「お前と二人でバラ園を始めようと」

「バラ園・・・」

バラ園と聞いてオスカルは懐かしい思いであふれた。

「そうだ、オーランドでは俺とバラの世話をしていただろう」
「あの頃のように二人でバラを育てて暮らすんだ」

「いずれ、どこか小さなバラ園を購入し、そこへ移り住もう」
「お前はバラを育てていればいい、商売のことは俺が一切引き受けるから」
「自然の中だとお前の身体にもいいし、何よりお前らしく自由に暮らせる」

思ってもみなかったアンドレの夢の提案だ。
それにオスカルの胸はときめいた。

オーランドで僕たちは愛を育んだ。
授業が終わり、急いで温室に駆け付けるといつも、バラとともに、アンドレが待っていてくれた。

そこは僕たち二人だけの世界
オーランド時代のアンドレとの大事な思い出
それが今度は永遠のものになる

「美しいバラを育てて暮らすんだ、俺たち二人で・・」
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Posted byうさぎ

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