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うさぎ

夜のフェアリー7章の54

二人は教会にいた。
そこは町はずれにあるエレインの小さな教会

バラを買いに行った際、アンドレが教会に行き、神父様に式を執り行うのをお願いしておいたのだ。
広くはない礼拝堂の中に十字架だけは大きく飾られている。
夜の式ゆえにステンドガラスの窓からの光もなくパイプオルガンも鳴り響くことはない
列席者の一人もおらず、神父を前にして二人だけで挙げるあまりにもささやかな式

花嫁であるオスカルも急なことゆえ、いつもと変わりない姿で行う
そんな中、アンドレから贈られた白いバラのブーケだけはオスカルの腕の中で鮮やな印象を残す

アンドレは彼女の髪に一凛だけ、白バラを飾った。
その白バラは彼女の美しさをより一層輝かせ、誰より美しい花嫁に見せた。

オスカルはアンドレと並び、十字架を見上げた
神の前で、今自分たちは永遠の愛を誓うのだと思えば緊張し厳かな気持ちになる

やがて神父は式をはじめますと言った。
そしてアンドレに対して、貴方はここにいるオスカルを病める時も、健やかなるときも富める時も、貧しき時も妻とし愛し敬いいつくしむことを誓いますか?と問う

アンドレは「誓います」ときっぱりと答える

それを聞いて今度神父はオスカルにも貴方はここにいるアンドレを病める時も健やかなるときも富める時も健やかなるときも夫として愛し敬い、と同じセリフを言い、問うていく

オスカルも「誓います」と答える

神父はにっこりとして「では指輪の交換を」という

オスカルは指輪など持っていないのに、と躊躇する。
しかしアンドレは上着のポケットから箱を取り出した。

え?

その箱をオスカルの目の前で開けるとなんと指輪が二つ入っている
アンドレは指輪の一つを取り出し、オスカルの手を取る。

「これは、母さんが亡くなる前に、受け継いだものだ」
「愛する人が出来たら、使ってほしいと言って、俺にくれた」

そういってオスカルの指にゆっくりとはめた。

「お前のお母様の指輪・・・」
オスカルはアンドレの母の想いの詰まった指輪だと聞いて感激した

指輪は決して豪華なつくりではないが、それでも黄金の優しい輝きはオスカルには今まで見た指輪の中で一番美しいと思った。

「そしてこっちは俺の父さんが使ってた指輪だ」

もう一つの指輪、それはアンドレのお父様のもの、オスカルはもう一つの指輪を箱の中から取り、アンドレの手を握った。
彼の指に指輪をはめるだけだが、オスカルは緊張のあまり震えながらはめていく
ようやく彼の指に指輪が収まるとオスカルのと同じように金色の輝きを放った。

「それでは、誓いの口づけを」

神父の言葉を皮切りにアンドレがオスカルの肩を抱き寄せ、口づけをした。
気持ちが高まっていたため、やや性急で荒々しくなってしまった。
誓いの口づけにしては情熱的すぎるのだがアンドレの愛情の深さを感じられオスカルは心が満たされた。、
オスカルとの誓いの口づけにアンドレは時を忘れた。
なかなか終わらない二人に神父は待ちきれずに最後の言葉を放った。

「これで二人を夫婦とみなす」

その瞬間、二人はお互いを見つめあい感動に浸った。
隠れて愛し合うしかなかった二人が、今ようやく夫婦として神に認められた

それは、あまりにも遠い夢が叶った瞬間だった。

アンドレは感慨深い思いでオスカルに声かける
「お前は・俺の妻だ」

それにオスカルは深くうなづいた
「そうだ・僕は・・・」

次の瞬間にはアンドレに抱きついていった。
「アンドレ、お前の妻だ!」

アンドレは飛び込んできたオスカルを強く抱きしめる。

「もうお前は俺だけのものだ」
「絶対に放さない」

それにオスカルも答える
「放さないで、絶対にお前のそばにいさせて・・」

言いながら涙が出てきた。

男としての人生を歩んできた僕が、花嫁となり、愛する人と結ばれるなんて
叶わぬ夢を、お前は実現させてくれた

うれしいはずなのに、なぜか涙が出ていく
その涙をアンドレが指で拭いてやり

「愛してる」と告げてもう一度抱きしめてきた。

僕とアンドレは夫婦となった
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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 2

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2020/04/16 (Thu) 23:42
うさぎ

うさぎ

Re: タイトルなし

S様こんにちは。

涙までいただいて感激です。
やっとここまで来たって感じですものね。

そして今日はいよいよ初夜なのです♪
それと同時に・・・最終回です!(7章の)

2020/04/17 (Fri) 13:22