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うさぎ

夜のフェアリー7章の55

式を挙げた後、二人は部屋に戻っていった。
帰るなりオスカルは式に使ったブーケを花瓶に生ける
ベッドサイドのチェストの上にその花瓶を置いた。

アンドレからもらった『ホワイトクリスマス』
オスカルはベッドに腰かけて、そのバラを長いこと見惚れていた。

アンドレがそれに気づき声をかける
「そんなに気に入ったのか?」
「だって、お前からこんなにたくさんのバラをもらえたのは初めてだからな」

そういえば・・・
いつもオスカルにプレゼントするバラは一本だけだった。
男のふりをしているオスカルに花束など贈れない、だから一番きれいなバラを選んであげていた。

「花束をもらうとはこんな気持ちなんだな」
愛する人からもらった花束だから余計に心が踊ってならない

オスカルがこんなに喜んでくれるなんて・・・

アンドレはオスカルの横に腰かける

「これからは毎年お前の誕生日にはバラの花束を贈るとしよう」
「え、本当か?」
「ああ、お前のために、俺は店中のバラを買いあさってお前に捧げる」

オスカルの肩を抱き、こちらに向かせていく
「お前の喜ぶ顔が見れるなら、俺は何だってするよ」

オスカルの顎を捉えて唇を重ねる
あ・・・

口づけが終わると、アンドレはオスカルを熱っぽい瞳で捉えた。
「オスカル、とうとう俺のものだ」

興奮した口ぶりでもう一度唇を奪う

そうだった、今夜僕は、彼と・・・

アンドレはオスカルを抱きしめ、胸の中に閉じ込める。
本当に彼と今夜結ばれるのだと思うとオスカルは緊張のあまり身を固くした。

アンドレはそんなオスカルの気持ちなどつゆ知らず熱い想いを伝えてくる

「オスカル」
「俺はエレインに来てから・・いやオーランドにいるころから、この時が来るのをどれだけ待ち望んでいたか」
「お前がすべてを捨てて一緒にエレインまで逃げのびてくれたとき俺は、夢のように幸せを感じた」
「だが一緒に暮らすうち、お前への愛は増すばかりだ、お前を愛すれば愛するほどお前を俺だけのものにしたいという願望はあふれ止まらないでいた」
「お前を奪ってしまいたい欲望を、無理やり押し込め、お前を大事にすることがお前への愛の印だと自分に言い聞かせてきた」

「しかし、やっと俺の念願がかなうんだ」

アンドレの本音にオスカルは驚きを隠せない
彼は、こんなにも僕を求めていたのだ

隠し切れないほどの彼の愛と情熱に圧倒された

両手を彼女の頬に添えると、傷口を癒すかのように唇を当てる

「オスカル、愛している、俺にはお前だけだ」
「お前のためなら、この命もささげるよ」
「だから・俺にお前をくれ」

その瞬間オスカルは彼の瞳に眼をやった。
オスカルに拒否されるのを恐れるかのように深刻な目だ

あふれる愛情を隠そうともせず、僕を求めてやまないお前
僕だけを映す漆黒の瞳・・

お前にそのように言われ逆らえる女など、この世にいないよ

「アンドレ・・・」

彼に手を差し伸べた
「僕を・・お前のものにして・・・」

黒い瞳が喜びに光った。
差し出された手を捕らえ、握りしめると、そのまま顔を寄せ口づけしていく
口づけしたまま抱きしめて、その状態で身体を倒した。
「愛してるよ」と言いながら服を脱がしていく。

オスカルの白くきめ細かい肌が現れると、首筋に肩にと口づけしていく
だんだんと唇を下に走らせ、胸にまでたどり着くと、そのふくらみに熱い口づけをした。

その間に両手はオスカルの細腰をなぞりやがてお尻や大腿をなでるように触れた。
アンドレは大腿を両手で持ち上げるとその愛しい部分を愛撫し堪能していく
そして思い切り濡らした後、いよいよ彼女と結ばれようとする

「行くよ」と言ってオスカルの大事な部分に自身を重ねる   
オスカルが大きくうなづくと、アンドレは思い切って彼女の中に入っていった。
それはあまりにオスカルには辛い痛みであったが、彼と一つになりたい思いで必死に耐えた。

「オスカル、辛いか?」

アンドレはオスカルを思いやり、動きを止める
だが、オスカルはアンドレの背に手をまわし抱きついた。

「やめないで!・・・」

彼女は痛みをこらえながらも、彼とひとつになりたいと願ってくる
懇願する彼女がいとおしくて、堪らず、今までよりももっと欲しい、と思った。
アンドレはその誘惑に耐えられるわけもなく

「愛しているからこそ、お前が欲しい」

その言葉を皮切りにアンドレはオスカルの中に深く入っていった。
何とか中に納まると、少し痛みが落ち着いた。
しかし彼の情熱は収まらずオスカルの中で激しくうごめいていく

「愛しているよオスカル」
「お前は俺のものだ!俺だけの!」

また痛みが復活するが、眼を閉じ、必死になって彼に縋り付き、彼の愛情を受け入れようとした

オスカルにとって激しい痛みではあったが愛しているといわれるたびに、辛さが和らぐような気がして、どうにか耐えていられた。
それは、、愛する人によって傷つけられるのなら本望だとの喜びを感じる痛みでさえあった。

そのうちにだんだんと彼のものになっていくこの行為が素晴らしいものに思えた。

これは彼と一つになるための痛み
愛するお前だからこそ、僕のすべてを捧げたい

オスカルは彼のすべてを受け入れ、自身を捧げた

やがてアンドレがすべてを終わらせた。
深い溜息を吐きオスカルの上で動きを止めた
それがわかり、オスカルは目を開けると、アンドレの眼から涙がツーと流れて落ちた。

思いがけずに問いかけた
「どうした?」
「あ、ああ・・・」

アンドレは照れながら涙を拭いた。
「あまりにうれしくて、つい」
「うれしさのあまり・涙を・・・?」

「泣くなんて情けない奴だとお前に思われるかもしれんが」
「お前を娶り、この手に抱く、それこそが俺の夢だったんだ」

「オスカル、愛してるお前こそが俺のすべてだ」
アンドレは感動しながらも喜びを隠せない

聞いているうちにオスカルも涙があふれてきた。

愛している人に、これほどの愛を与えられる僕は、きっと誰よりも幸せ者だ。
これこそが、僕の欲しかったもの

僕だけのアンドレ、僕の夫

失いたくない
この愛だけは・・・

彼の胸元に顔を寄せ、想いをさらけ出した。
「アンドレ、僕を離さないで、ずっと離れないと誓ってくれ」

涙を流して願う姿がいじらしくて、アンドレは抱きしめながら答える
「お前を離したりはしない、ずっとお前のそばにいてこうして抱きしめてやる」

彼の腕に抱かれ安堵し喜びに浸った

「このまま死んでもいい」
思わず言ったオスカルの言葉にアンドレは驚いた顔でオスカルを見るが
やがてふっと笑い、答えてやる

「そうだな、いつか一緒に死ねたら幸せだろうな」
「でも、俺とすればもう少しお前との人生を楽しみたいんだが」
「だって俺とお前は神の前で誓い、夫婦となったばかりなんだから」
「あ、そうか!」

アンドレの返事に納得だ
自分たちは、もう夫婦なのだ、たとえ、世間が認めなくとも夫と妻だと自分たちにはその確信がある。

「もう忘れたのか冷たい奥さんだ」
アンドレはやれやれと指にはめた指輪を見せる

「あ・ごめんそうだったな・・お前と僕は結婚したんだった」
オスカルは自分の指にも指輪があることを思い出した

「そうだよ神の前で、永遠の愛を誓ったんだ」
そういうとアンドレはまたオスカルに口づけをした。

彼の口づけは僕の不安を取り除いてしまう

「バルコニーに出ないか?」
突然アンドレはベッドから起き上がりズボンをはいてシャツを着だした。

「え?」
「窓からの月が綺麗だ」

気が付けば窓から月明かりが差込んでいる、その光が神秘的で美しく見える

「ほら、お前も急いで!」

急かされオスカルも急いで服を着た。
何とか着終わったらアンドレはオスカルの手を握ってバルコニーへと歩いた。

窓の向こうのバルコニーでの景色は
アンドレが言ったように空には白い月が輝いている。
まるで夜空に浮かぶ宝石のよう

「きれいな、月だ」
喜んで魅入ってしまうオスカルをアンドレは眺めた

月の光に照らされるお前は、何より美しい
やはりお前は、俺の永遠のシルフィードなんだ

夢のような時間は過ぎた。
厳しい現実の話をしようとアンドレは決意する
オスカルの真正面に立ち、肩を握ると真剣な顔で明日の話をした

「オスカル、明日 マルゴさん達にお前が女だということ、そして俺たちの関係を言う」
「だから、ここを出ていく覚悟をしておいてほしい・・・」

アンドレはまたオスカルの幸せを奪ってしまうかもと辛い気持ちであったが
それにオスカルは笑顔で答えた。

「わかっている、明日 マルゴさんに言いに行こう!」
「たとえ、ここを追い出されても、僕はお前の妻だと言いたい」
「オスカル・・・」

オスカルの愛情のこもった台詞にアンドレは感動した

「でも・・・」
しかし次の瞬間オスカルはアンドレに向かってにっと笑った

「うん?」
「思うんだが、 マルゴさんは、僕たちを追い出さない気がする」
「どうして、そう思うんだ?」
「だって マルゴさんは、僕を好きだし、おまけに僕がいなくなると店の女性客が減るから僕がいるほうがいいと判断すると思うんだ」

「僕は女性に好かれるし、ロイとブリスらも僕に好意を持ってる」
「こんな有能なウェイターをクビにするなんて、もったいないことをするはずがない」

自信たっぷりに言うオスカルにアンドレは呆れてものが言えない

しかし、次には真面目な顔で続きを言った。
「でも・・それでも、もしも マルゴさんが僕たちを追い出す判断を下したとしても、大丈夫だ」
「また、新しいところで一から頑張ればいい」
「僕はお前と一緒ならどこでだってやっていける」

オスカルは自信を込めてアンドレに告げた
「お前さえ、いてくれれば僕は・・・いい」

お前は俺と一緒に歩こうと・言ってくれるのか?

俺は、彼女を守りたいと思っていた、いつも毅然として誇り高く、美しい、だが誰より脆くて儚い、そんなお前を俺は守ってやりたかった
だけど、お前はただ守られているだけでなく共に歩もうと言ってくれる

彼女の気持ちがうれしくてたまらなく愛しい
抱き寄せると胸の中にすっぽりと顔をうずめてくる愛しい人

「オスカル、俺はきっとお前を幸せにする」
「いつかお前をバラの花園の女主人にしてみせる」

彼の温かい言葉を眼を閉じながら聞いていた
「そうだな、いつかきっと」

いつかきっとバラの咲き乱れる花園に行こう
そこには僕とお前の二人きりの世界

誰も二人を引き離すものなど現れない楽園
バラを育て愛し合い支えながら暮らす

いつかこの世を去る日まで

第7章 完

7章



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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 9

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2020/04/17 (Fri) 18:39

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2020/04/18 (Sat) 12:21

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2020/04/18 (Sat) 16:25
うさぎ

うさぎ

Re: あぁ・・・

S様、あぁ・・・のタイトルで終わるのを惜しんでいただいてるのがわかりました。(笑)

しかし、そうです、やっとお二人は結ばれ結婚式もあげることができました。
それと、そうなんです、続きはもちろんあります。
8章決定です!
すいません、長くて、最初に長くなるかも・・とは言いましたが自分でもここまで長くなるとは想像していませんでした。
何とか頑張って年内に仕上げたいです。

イラスト素敵だと言われてとってもうれしいです♪
頑張って書いた甲斐がありました。

S様何度も励ましていただいてありがとうございます、S様も無事今を乗り切られますようお祈りします。

2020/04/18 (Sat) 16:58
うさぎ

うさぎ

Re: 有り難うございます

Y様こんにちは。

今回お二人は新しい生活になじむまでを描くのが大変でした。
現実は厳しいですから、苦労をするのは当然ですからね、それでもまだ甘かったかもしれませんが。
そして最後にやはり父上が出てきて二人を引き離そうとするのに、どう立ち向かうかもむつかしかったです。
何とか書き終えてほっとしました。(でも、また続くんですが)

今、コロナ騒ぎで大変な中、一日のお楽しみにしていただけたのが本当にうれしく思っています。
こんな私の妄想でできたお話が何かしらの役に立つなんて想像もできなかったのですから。
私のほうはありがたいことに何事もなく暮らせております。
Y様も大丈夫でありますよう願います。
イラスト褒めてくださってありがとうございます♪
頑張って書きましたから褒められるとうれしくてたまりません♪


2020/04/18 (Sat) 17:07
うさぎ

うさぎ

Re: 第8章心待ちにしています

YU様こんにちは。
毎日楽しみにしていただいてたんですね、ありがとうございます♪
結婚式まで無事進めることが出来ました。
今回のお二人の結婚、YU様だけでなくほかの方々も喜んでくださり、感激しました。
やはりお二人への愛情を皆さんお持ちなんだなあって感じます。
8章楽しみにしてくれているんですね、それにほっとしています。
今回の「夜のフェアリー」本当に長いですから、飽き飽きしてるのでは・・?と不安を覚えてしまうんです。
YU様またお会いしましょうね、私も元気で頑張りますからYU様もお元気でいてください!

2020/04/18 (Sat) 17:15

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2020/09/09 (Wed) 06:57

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2020/09/12 (Sat) 19:18
うさぎ

うさぎ

Re: To うさぎさん

R様こんにちはお久しぶりです。
9月にコメントくださっていたのに気づきませんで申し訳ありません。

お二人の結婚後楽しみにしてくれているんですね、まあいろいろありますよ、何かしら事件があるお二人ですからね(笑)
毎日更新チェックありがとうございます。

もうすぐ始まりますから、良ければ見に来てくださいね。

コロナにはすべての人が泣かされましたね、ほんと、腹立つ!

2020/10/04 (Sun) 01:53