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うさぎ

夜のフェアリー8章の1

オスカルはアンドレと結婚し、結ばれた。
二人は肩を寄せ合い、夜空の月を眺めている。
改めてお互いの愛を確かめ合い、幸せに包まれていた。

しかし冷たい風が出てきたのをアンドレは感じた。

「冷えてきたな、そろそろ部屋に帰って休もう」
オスカルの手を引いて中に入ろうとした

その時オスカルは何気なくアンドレに話しかける

「アンドレ・・これから僕は自分のことを・私と言うからな」
「・・・!?」
オスカルはさらっというのだがアンドレとしてはその意図が読めない

「・・なぜだ?」

「何故って・・・」
「これから僕は女として生きていくのに、いつまでも僕というのはおかしくないか?」

「そういわれれば・・・」
それにはアンドレも納得だ。

「そのほうが僕が女だってわかりやすいし」
「・・・お前の妻だと世間の人に認めてほしい・・・」

オスカルの言葉はアンドレに喜びをもたらした。
「そうだな、お前はもう俺の妻になったんだものな」

アンドレはうれしくてたまらない表情で微笑みかける

「うん・僕・じゃなくて、私はお前の妻になったんだ」
それにオスカルは恥じらいの笑顔を返す

二人は至上の喜びを感じていた。

そして、一週間が過ぎた。
相変わらずアンドレは印刷工場で働き、そしてオスカルは、 マルゴの店で働く毎日を過ごしている。

今日もオスカルは マルゴの店で接客の仕事をしていた

「お待たせしました、ムール貝のワイン蒸しとサーモントマトのカナッペとビールをお持ちしました」
「ありがとう美味しそうだわ」
「ではごゆっくりどうそ」

オスカルが去ろうとすると女性客は急いで話しかけてきた。
「オスカル、貴方女性だったのって本当なの?」

「あ・はい・・実は、そうなんです」
「今まで黙っていて申し訳ありませんでした」

オスカルが申し訳なさそうに頭を下げるが客は笑いながら言った。
「 貴方が男のふりをしていたのはマルゴの目論見なんですってね」

「 貴方は男勝りだし見た目も中性的だからって、結婚前の二人が悪い噂を建てられぬように男のふりをさせたって聞いたわ、マルゴも人が悪いわね」

「おかげで貴方を好いている娘さんが大勢泣いてるわよ」
「そんな・・・黙っていて申し訳ありませんでした」

オスカルをナンシーとアナベルが遠目で見ながら噂していた。

「オスカルが女性だったなんて、今でも信じられないわ」
「ほんと、あんなに素敵なのに、女性だなんて・・・」

「おまけにお兄さんだと思ってた彼とは恋人同士で、先日結婚までしたなんて、あ~あ、がっかりだわ」
「でも女だと知ってもあの凛々しさ、やっぱり憧れちゃう」

そしていつものように来ているロイとブリスも、またオスカルを眺めていた。

「おい、まさかオスカルが女だとはな」
「ああ、それであいつどこか色っぽいとこがあったんだな」
「どおりでオスカルには変な気持ちにさせるとこがあるはずだ」

「全くだ、惜しいことしたよ、結婚する前に迫っておけばよかった」
「あ~あ、あんな美人を目の前にして気が付かなかっただなんて、返す返すも悔やまれるぜ」
「嘆くな、俺たちなんて到底相手してくれるわけないだろ」

このようにオスカルが女だということは誰もが知るところになっていた。

今までと同じスタイルで仕事しているオスカルだが、女性だと知ると、不思議に女性らしく見えてくるらしい

店が終わる時間になり、食事を終えた最後の客が帰っていった。
店を閉めてみな帰り支度をして帰路に就こうとしていた。

「じゃあ、オスカルお疲れ様」
「また明日ね」
「うん、気を付けて」

オスカルは他の子達を見送った後、自分も上の階に行こうとした。
しかし、その時店の奥からピアノの音が聞こえた。

振り向くとそこには マルゴがピアノを奏でる姿

普段は自宅で練習すると聞いていたからめずらしいな。
ニールさんも帰ったのに一人残るなんて・・・?

マルゴはピアノを弾きつつもオスカルが近寄ってきたのを感じた。

「先に帰っていいわよ、あたしはまだ練習していくから」
「それとも、あたしに何か用?」

オスカルは急に声を掛けられ驚いた
邪魔になるのではないかと話しかけるのを躊躇していたのだ。

「あ・あの・・ マルゴさん」
オスカルは深々と マルゴに向かって頭を下げる

「私とアンドレが マルゴさんとニールさんを騙して二階の部屋を貸してもらっていたのを許していただいこと、改めてお礼を言います」

先日二人は マルゴとニールに自分たちが兄弟などではなくて、男女でしかも恋人同士だったことを告白した。

オスカルは女だが、家族のために男として育てられ、世間の目を欺いて暮らしていたこと。

やがてオーランドに入学し、オスカルの父から学費の援助を受けるアンドレと出会い親友となりやがて愛し合うようになったこと

いつか、アンドレが一人前になり、父に認められるようになれば、オスカルを娶る許しを得ようとしたが
それよりも早く二人の仲を父に知られることになり反対を受けて引き離されようとした。

だが、二人は別れる気持ちなど毛頭無く、一緒に行こう、と屋敷を出ていきパリからエレインまでやって来たことを話し
そして昨日二人きりの結婚式を挙げたことを告げた。

最初は驚いた マルゴとニールだったが、アンドレからの告白を聞くうちにいかに二人が切なる思いでエレインまできたのが理解できた。

それは マルゴとニールもオスカル達と同じように駆け落ち同然でエレインまで来た過去があるからに相違ない。

マルゴとニールは自分たちをだましていた二人を許した。

そして次の日従業員を集め、オスカルが実は女だと告げて、そのうえで、これからも仲良くやっていくようにみんなに話したのだ。

「まあ、いいわよ、あんたたちがここまで来た勇気に免じて許してあげただけ」

「だけど、それだけでなくほかのみんなにも私が男のふりしていたのは マルゴさんのいいつけだとかばっていただいたりもして・・」

こういう噂話は広まるのが早い。
男のふりをしていたのをニールや マルゴが許しても周囲が悪く思うことだってあるのだ

しかし男装してたのは 自分のいいつけだと聞けば、非難の対象にはなるまい、と
マルゴは周囲にそう触れ回った。

申し訳なさそうに言うオスカルに マルゴはきっぱりと言い放った。

「あたしはね、オスカル、あんたがこの店の利益になるからこそかばったのよ」
オスカルの顎をぐいと捕らえて、驚いた顔のオスカルを見つめながら話していく

「あんたが店に出るようになってから、女性客が増えたわ、それまでは男の客がほとんどだったのに」

「最初あんたの美青年ぶりに惹かれてみんな来るんだと思ってた」
「けど、よくよく見ると、それだけじゃない」

「あんたを目当てに来る客は若い子だけじゃなくて年寄りのマダムや紳士もいる」
「男連中だってそうだわ、あのロイやブリスだって今ではあんたに会えるのを楽しみにしている」

マルゴはいきなり表情を緩めてふっと笑った。
「どうやら、あんたには人を惹きつけるものを持ってるらしいわ」

オスカルから手を放し、店の中を見渡した

「この店はニールとあたしで作った大事な城よ」
「あんたがこの店にとって必要だと考えるからあたしは今まで通りあんたを店で雇うことに決めた、それだけよ」

そして最後に厳しい声で言った。
「でも覚えておいて頂戴、あんたの金持ちの親があたしの店に手出しするようなら・・・」
「悪いけど、その時はあんたたちには出て行ってもらうわ」

マルゴの話にぎくりとした。

父がまたエレインに来て店に現れないとは限らないのだ
実際時折探偵のような客がやってきている。

「あたしは、この店が何より大事なのよ」

マルゴさんにとってニールさんと築いたこの店は何より大事、だからこそ私達を置いてくれるという

そして、私たちが店に仇なす存在となれば見切りをつけるというのだ。

無理もない判断だ。・・・
「わかりました、必ずや マルゴさんの店に役立つ存在となります」
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うさぎ
Posted byうさぎ

Comments 4

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2020/10/10 (Sat) 20:41

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2020/10/11 (Sun) 15:30
うさぎ

うさぎ

Re: 待ってました❤

YU様こんにちは!
遅くなってしまったのに待っていてくださりありがとうございます♪

ジャルジェ父の動向は心配ですが、前回のオスカル様に脅迫されて、手が出せない状況です。

しばらくは幸せなお二人を堪能していてください♪

体調は良くなっています!

いつも応援ありがとうございます♪

2020/10/11 (Sun) 15:42
うさぎ

うさぎ

Re: お待ちしておりました

Y様お久しぶりです!

そうかY様病院関係にお勤めでしたね、それも整形外科ならお詳しいでしょう!

(しかもご自分も、腰痛を患ってるなんて・・ヘルニアはきつそう・・・)

私の場合、もうすでに痛みがひどくなっていたので(ろくに歩けない痛みでした)はじめからブロック注射でした。

元々下半身が弱いとは思っていたんです。

でも現在は痛みがだいぶん取れましたので、身体の改善のためにYouTube見ながら運動もしている日々です!

またよろしくお0願いします!

2020/10/11 (Sun) 15:49